【認知症治療と漢方/札幌】難聴が認知症のリスクに?

難聴は認知症のリスクであることが判明

日本の平均寿命は年々伸び続けており、男女ともに80歳を超えています。これはとても喜ばしいことですが、加齢に伴って生じる体の変化や病気によって、これまでのような日常生活を送ることが難しく、悩んでいる方が増えているというのもまた事実です。

その中でも認知症は、特に多くの高齢者やそのご家族を悩ませている疾患です。2012年には462万人の患者がおり、高齢者の7人に1人が発症しているというデータがあります(内閣府 平成29年版高齢社会白書)。そして試算では、2025年には高齢者約5人に1人の割合で発症し、患者数は700万人前後になると予測されており(内閣府 平成29年版高齢社会白書)、認知症になる方は今後ますます増えると想定されています。

認知症の発症原因や治療方法については、まだ研究の途上にありますが、近年「難聴」が認知症のリスクを高めることが判明しました( Livingston G, et al. Lancet. 2017)。
難聴が認知症の発生・悪化に影響を与える理由は、主に以下の2点と考えられています。

① 音声が脳に届かなくなることで、音声処理をつかさどる脳の活動量が低下する
② 声が聞き取りづらいため、人との会話に消極的になり、コミュニケーションの機会が減る

難聴によって、脳の中の音声を処理する領域が働かなくなってしまうため、脳の活動量が低下してしまいます。また、声が聞こえないと他人との会話を億劫に感じ、コミュニケーション量が減ってしまうことがあります。それに伴い、聞き取る/考える/話すなどの行動が減り、これも脳の活動量の低下につながっていきます。

難聴によって認知症になるリスクが高まることももちろんですが、そもそも日常生活をこれまでのように楽しめず、辛いと感じる場面が増えるであろうことは想像に難くありません。
そのような状況に直面し、難聴をぜひ治療、改善したいと考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

東洋医学から見た難聴

実は難聴とひと口に言っても、さまざまな種類があります。
脳に音を伝える経路に障害がある伝音性難聴、伝えられた音を意味のある「言葉」に処理・理解する過程に障害がある感音性難聴、といった聴くプロセスでの分類もあれば、難聴を引き起こした原因による分類もあります。生まれつき聞こえづらい先天性難聴、ストレスや疾患による突発性難聴、別名ヘッドホン難聴と呼ばれる騒音性難聴など…。それらの中で、認知症の発症・悪化に影響を与える主なものは「老人性難聴」と呼ばれる、加齢に伴って発症する難聴です。
これは内耳の中にあり、音を感知する機能を持つ「蝸牛」と呼ばれる器官の中の有毛細胞が加齢とともに減少し、音が聞き取れなくなってしまうことが原因であるといわれています。

一方、東洋医学の観点から難聴をみてみると、西洋医学とは異なる考え方を持っています。
東洋医学の理論で難聴を分析すると、肝・心・脾・肺・腎の五臓のうち、耳は「腎」と密接に関わりがあります。「腎は耳に通じる」といわれており、耳に何らかの異常が現れる場合、それは腎が司るエネルギー(腎精)が減少したことによるものであると考えます。腎エネルギーの減少を引き起こすものとしては、加齢の他、ストレスや睡眠不足、体の冷えなどがあります。これらの要因によって腎エネルギーが不足し、体内の気や血が十分に体内を循環できず、難聴を始め体にさまざまな疾患を引き起こしてしまうのです。
老人性難聴の場合、もちろん主な発生原因は加齢ですが、上記のような生活習慣や体の状態などの要因も難聴の発症原因に関連していると考えられ、東洋医学では問診などを通じてしっかりと原因を特定していきます。

漢方薬で難聴と認知症の悪化を予防しましょう

前述のとおり、東洋医学では「腎のエネルギー不足」が難聴を引き起こしていると考えています。腎エネルギーが不足すると、体内の気血水の巡りが悪くなってしまいます。気や血、水が体の中で滞ってしまうと、体の器官の機能を低下させる、あるいは血や水が溜まり、火照りやむくみを引き起こしてしまいます。
そこで、漢方治療では補腎作用(=腎エネルギー不足を補う作用)を持つ漢方薬を処方することで、腎を回復させ、体内の巡りを整えます。東洋医学、漢方薬の特徴としては、難聴そのものにアプローチするのではなく、難聴を引き起こしている体の状態に着目し、その状態を改善するといった点にあります。ですので、漢方薬を服用することでそもそもの体質改善を図り、結果として難聴も改善できるということになるのです。よって補腎作用を持つ漢方薬を服用して腎の働きがよくなると、難聴だけでなく冷えやむくみなど、腎に関わる体の状態も併せて改善できる可能性があります。

現在、老人性難聴に対しては、西洋医学では根本的な解決方法を持たず、聞こえが悪くなってきた方に対しては補聴器の装用を勧め、聴力を補っていただくという対症療法的な対応が一般的です。
補聴器の利用自体はとても重要で、装着するだけですぐに聴力を補うことができるので、日常生活には必須のアイテムです。ですが、補聴器では聴力自体の改善にはつながらず、加齢に伴い徐々に低下していく聴力に対しては術を持ちません。

一方、漢方薬であれば本質的に、聴力を改善できる可能性があります。
自分の聴力だけで生活できるようになれば、他人とのコミュニケーションを困難と感じる機会も減り、日常生活で不便さを感じることも徐々に少なくなっていくでしょう。
そして、コミュニケーションの機会が増えることは、考える/言葉を選ぶなどの作業を通じて脳を刺激することにつながりますし、同時に脳の中の音声を処理する領域が再び働き始めますので、結果、認知症の発症もしくは悪化を予防することにつながっていきます。
認知症の発症、あるいは悪化を予防して健康寿命を伸ばすことは、ご本人の生活の辛さを軽減させることはもちろん、周りのご家族の生活や介護における負担を低減させることができますので、多くの方にメリットがあるのです。

漢方で難聴、認知症の悪化を予防する場合の相談・購入先は?

老人性難聴でお困りの方、あるいは身内の方で老人性難聴や難聴に伴う認知症の発症・悪化についてお悩みの方は、ぜひ漢方を取り入れてみることを検討してみてください。

現在通院している病院があれば、まずは煎じの漢方薬を処方してくれるか確認をしましょう。漢方薬には、顆粒や錠剤など様々な種類(剤型)がありますが、同じ漢方薬の中でも、有効成分が特に多く含まれているのは煎じの漢方薬です。加齢に伴い、個人によって服用しやすい/しにくい剤型があると思いますが、特段事情がなければ煎じの漢方薬をおすすめします。また、煎じの漢方薬を処方してもらうことが難しい場合には、ご自宅や職場のお近くで煎じの漢方薬を処方してくれる病院や漢方薬局がないか探してみてください。

もしも、お近くにそのようなところがない場合には、私たち漢方専門なつめ薬局で遠隔相談をお受けしています。また、私たちがお出しする漢方薬は、店内で煎じたものを1回分ずつパックしていますので、高齢の方でも手軽に飲んでいただくことができます。
ぜひ、私たちにご相談ください。

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