【ブレインフォグ治療と漢方/札幌】新型コロナ後遺症の考え方とは

新型コロナ感染症の後遺症のひとつにブレインフォグがあります。

「コロナ後遺症によるブレインフォグの治療方法を知りたい」
「ブレインフォグの治療に漢方薬は使えるの?」

今回はコロナ後遺症によるブレインフォグについて、漢方薬を使うメリットや東洋医学からみた治療方法について詳しく解説します。

コロナ後遺症でみられるブレインフォグとは?

ブレインフォグは正式な医療用語ではなく、頭に霧がかかっているような症状全般を表した言葉です。
初めにブレインフォグについて、よくみられる症状や現在の治療方法について解説します。

ブレインフォグの症状とメカニズム

ブレインフォグは「脳の霧」とも呼ばれ、症状に決まったものはなく、人によってさまざま症状がみられます。
具体的な症状には、以下のようなものが挙げられます。

  • 頭がぼーっとする
  • しょっちゅう物事が思い出せなくなる
  • 考えがまとまらず言葉が思うように出てこない
  • 集中力が途切れる
  • 仕事の優先順位がつけられなくなる

主に記憶障害や思考力・集中力の低下がみられ、抑うつ・不安・倦怠感をともなうことがあります。

コロナ後遺症によるブレインフォグの原因ははっきり解明されていませんが、脳へのウイルス直接感染、免疫異常による脳の慢性的な炎症、脳血管の凝固亢進などが関わっていると考えられています。

また海外の研究で、コロナに罹患してブレインフォグを起こした患者の脳では、記憶や学習に深く関わるNMDA受容体の働きを妨げるキヌレン酸が多くなっていると発表されました。

ブレインフォグの主な治療方法と問題点

現在日本で行われているコロナ後遺症のブレインフォグ治療はいくつかあり、抗うつ薬の内服や、磁気によって脳を直接刺激するTMS治療が挙げられます。

また最近の研究で、注意欠如・多動症(ADHD)治療薬「グアンファシン」が有効である可能性が示されました。
しかしながら、グアンファシンの副作用で低血圧症やめまいが生じるため、途中で治療を中断した人もいることが明らかになっています。

コロナ後遺症によるブレインフォグ治療の問題点は、まだ確立された治療方法がないことです。
現在行われている治療方法はどれも、治療成績や安全性において科学的根拠はまだまだ不十分で、手探りで治療が行われているのが現状です。

ブレインフォグ治療で漢方薬を使う3つのメリット

漢方は、本来人間に備わっている病気を治す力を高めて、症状の改善を図る治療方法です。
ブレインフォグの治療に漢方薬を使うメリットについて3つご紹介します。

1.ブレインフォグの記憶障害や思考力低下などの症状を和らげる

漢方薬は、コロナ後遺症のブレインフォグのように、原因が解明されていない心身の病気を治療するのを得意としています。
漢方治療では、ブレインフォグが生じる原因が心身のどこから来ているのかを探り、体質から症状の改善を図ります。

ブレインフォグの記憶障害や思考力低下は、東洋医学のみ方で気(エネルギー)や血(血液や栄養)の失調によって脳の働きが落ちていると考えられています。
そのため気を補ったり血を巡らせたりする漢方薬を用いて、脳の機能回復を目指します。

ブレインフォグで使用される西洋薬のなかには、体質や既往歴によっては使用できないものがありますが、漢方薬は患者さん一人ひとりの体質に合わせて処方するため、ほとんどのケースで治療できます。

2.西洋薬で生じる低血圧症やめまいの副作用がほとんど起こらない

西洋薬は単一の成分で作られているため、効き目は鋭いものの、副作用も強く現れる傾向があります。
先ほど紹介したブレインフォグで使用される西洋薬「グアンファシン」には低血圧症やめまいの副作用があり、治療を中断することがしばしばあります。
また抗うつ薬には頭痛・めまい・悪心・嘔吐などの副作用がみられ、減薬したり中止したりすることがあります。

一方で、漢方薬は複数の生薬で構成されているため、西洋薬のような強い副作用が起こりにくくなっています。
そもそも副作用が起こりにくいように、患者さんの体質に合わせて処方を決めています。
また漢方薬はほかの薬との相互作用はほとんどなく、治療中の薬があってもたいてい併用可能です。

3.ブレインフォグ以外のコロナ後遺症の症状も改善を図る

漢方治療には「心身一如」という、心と体はお互いに影響しあうと考え方があります。
漢方治療ではブレインフォグで現れている症状のみに注目するのではなく、心身全体の均衡をとる治療を行います。

西洋医学のように調子の悪いところだけにピンポイントでアプローチするのではなく、不調の根本から健康な体に戻していくことを目的としています。
そのためブレインフォグでみられる症状のほかに、倦怠感や味覚障害、息苦しさなどの不調も一緒に改善することが見込めます。

ブレインフォグの症状を和らげる漢方の治し方

東洋医学の視点からブレインフォグの症状を解説します。
コロナ後遺症のブレインフォグで深く関わっているのは、五臓の「腎」と「心」です。

「腎」には生命活動を維持するエネルギーの源である「精」を生み出して保存したり、脳の健康を保ったりする働きがあります。
「心」には血液の循環や精神・思考のコントロールをつかさどる働きがあります。

ブレインフォグの症状でみられる証と漢方薬の治療についていくつかご紹介します。

  • 腎精不足
    腎精とは生きていく上で欠かせないエネルギーの源を指します。
    腎精不足とは、コロナ感染によって腎精が減ってしまい、脳の機能が落ちている状態です。
    腎を補って精を増やす漢方薬を用いて生命エネルギーを増やし、脳の機能を正常に戻すようにします。
  • 心気虚
    心気虚とは、コロナ感染により「心」を健全に働かせるエネルギーの「気」を消耗してしまい、思考力や集中力が低下している状態です。
    心気を補う漢方薬を用いて脳の働きを強化して、思考力や集中力の改善を図ります。
  • 血瘀
    血瘀とは、コロナ感染から症状が長引いて血の流れが滞ってしまい、脳に十分な栄養と酸素が行きわたらず記憶障害が生じている状態です。
    漢方薬では活血剤を用いて血液の巡りを改善し、脳に栄養と酸素を届けて正常に機能するようにします。

コロナ後遺症によるブレインフォグには漢方治療が有用!

漢方薬によるコロナ後遺症のブレインフォグ治療は、次の3つのポイントで有用です。

  • 漢方薬は、原因がはっきり解明されていない病気でも、不調が心身のどこから来ているかを突き止めて根本から改善を図るため、コロナ後遺症によるブレインフォグにも対応しやすい
  • 患者の体質に合わせた漢方薬を処方するため、強い副作用が起こりにくく治療中断することがほとんどない
  • 漢方治療は不調部分だけにアプローチするのではなく、心身全体のバランスを整えて健康な体に戻していくため、ブレインフォグ以外のコロナ後遺症の症状も改善が期待できる

漢方治療を使いたいときのポイント

コロナ後遺症によるブレインフォグで漢方治療を使ってみたい方は、次の2つのポイントに力を入れた医療施設を探しましょう。

ひとつは、時間をかけてカウンセリングを行っている医療施設をおすすめします。
コロナ後遺症によるブレインフォグの症状は患者さん一人ひとりで大きく異なります。
その人に合った適切な漢方薬を選ぶために、患者さんの体質やこれまでの経過を的確に把握することはとても重要です。

もうひとつは、自社製造の煎じの漢方薬を用意できる医療施設が良いです。
製品化された漢方薬では長時間の加工作業により一部の有効成分が失われがちですが、煎じの漢方薬はより十分な量の成分を摂ることができます。

また健康保険を利用しない自由治療なので、保険適用外の薬も幅広く使用できます。
そのため一般の医療施設では漢方薬の効果が実感できなかったケースでも、患者さんごとの体質に応じた漢方薬に巡り会うことが期待できます。

そのような医療施設がお近くにないときは、私たち「漢方専門なつめ薬局」へご相談ください。
なつめ薬局では対面のほかに電話やオンラインによるご相談も受け付けております。
どのような相談方法でも丁寧なカウンセリングを行いますのでご安心ください。

さらに手間のかかる煎じの作業をこちらで行い、一回分ずつパックしてお渡しするので、本格的な煎じの漢方薬をお手軽に服用できます。

コロナ後遺症によるブレインフォグでお悩みの方は、ぜひ「漢方専門なつめ薬局」までお気軽にお問い合わせください。

長引くつらい症状を和らげるお手伝いをいたします。

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