【糖尿病治療と漢方/札幌】血糖コントロールに必要なこと

日本で糖尿病患者はその予備軍を合わせると約2,000万人いると報告されています。

糖尿病そのものは命にかかわる病気ではないものの、血糖コントロールが適切に行われないと、生活の質を大きく下げる合併症や動脈硬化を発症するため、決して侮れない病気の一つです。

今回は糖尿病について、最新の研究報告・生活習慣の改善法・漢方薬による体質改善について分かりやすく解説します。ぜひ最後までチェックしてください。

糖尿病は寛解をめざせる病気

糖尿病は、インスリンの不足や作用低下によって血液中の糖分が高い状態が続く病気です。

血糖コントロールが不十分だと、知らず知らずのうちに全身の血管を傷つけ、合併症である腎症・網膜症・神経障害が生じてしまいます。

糖尿病にかかった場合は、血糖値を安定させて健康に過ごせるようにし、合併症の発症を防ぐことが大切です。

糖尿病は、かつて罹患すると生涯にわたって治療が必要といわれていました。しかし最近の研究報告で、2型糖尿病の100人に1人が、治療をしなくても症状が安定する状態の「寛解」を達成できることが判明しました。

研究では、糖尿病と診断されても、早いうちから生活習慣の改善や薬物治療に取り組み、体重減量を行うことで、寛解につながることが示されています。

寛解を達成した後も、体重や生活習慣の適切な管理を行うことで、糖尿病の再発予防になると考えられています。

糖尿病を改善する生活習慣

糖尿病を改善するために、日常生活で簡単に行える食事や運動の取り組みについてご紹介します。

食事療法

食事療法において、毎日気を付けたいポイントは次の5つです。

・ひと口30回以上噛む

・朝食、昼食、夕食をできるだけ一定の時間に食べる

・食物繊維の多い食材から先に食べる

・食事量は腹八分目を心がける

・夜遅い時間や寝る前に食べないようにする

1日の摂取エネルギーの目安は、以下の計算式から算出できます。

「1日あたりの摂取エネルギー(Kcal)=目標体重(kg)×エネルギー係数」

軽労作(デスクワークや座位での生活が中心)           25~30

普通の労作(通勤・立ち仕事・家事)           30~35

重労作(力仕事や活動性の高いスポーツ)    35~

栄養が偏らないように、三大栄養素の摂取割合は以下のように心がけると良いです。

炭水化物:摂取エネルギーの40~60%

たんぱく質:摂取エネルギーの約20%まで

脂質:摂取エネルギーの20~30%

ほかに気をつける点には、塩分を控え目にする(男性7.5g/日、女性6.5g/日以内)、お酒はほどほどにする(アルコール換算で1日約25g、具体的には缶ビール350mL1本程度)ことが挙げられます。

運動療法

インスリンの働きを高めて血糖値を下げる運動の種類には、有酸素運動とレジスタンス運動があります。

有酸素運動には、ウォーキングや水泳などが挙げられます。

頻度は週3回以上行うのが理想的です。運動時間は1回20〜60分、週150分以上を目標にしましょう。

レジスタンス運動には、スクワット・腹筋・腕立て伏せなどが挙げられます。

頻度は週3回程度、連日で行わないようにしてください。運動量は1セット10~15回、1日2〜3セットを目標に無理のない範囲で行いましょう。

忙しくて運動する時間が取れないときは、1駅手前でバスを降りて歩く、エスカレーターを使わず階段で昇るなど、日常生活の中で運動量を増やす工夫をすると良いです。

糖尿病の改善に漢方薬を使うメリット

糖尿病の改善に漢方薬を使うメリットには次の2つがあります。

・糖尿病を引き起こす体質の改善をめざす

・糖尿病合併症の予防ができる

それぞれ詳しくみていきましょう。

糖尿病を引き起こす体質の改善をめざす

西洋医学における糖尿病治療は、血糖降下薬やインスリン注射を用いて血糖値を下げるといった対症療法が中心となります。薬を使って血糖値をコントロールするものであり、服用を続けていても体質そのものの改善はできません。

一方で、東洋医学の治療原則には「治病求本」という考え方があります。

漢方薬で血糖値を直接コントロールできるわけではありませんが、血糖値が上がりやすい体質の改善をめざします。漢方薬を使って体の水分やホルモンのバランスを整え、内臓の働きを回復させることで、西洋薬の量を減らしたり休薬したりするのを期待できます。

糖尿病合併症の予防ができる

糖尿病の治療が長期間続くと、血管が損傷を受けて血流障害を引き起こし、目・腎臓・神経に合併症をもたらすことが知られています。

しかし、西洋薬には糖尿病の合併症を予防するものはありません。

漢方薬には血流障害を改善するものがあり、体の老廃物を排出させたり血行を促したりして、合併症の発症を防いだり遅らせたりするのを期待できます。

東洋医学からみた糖尿病と漢方薬での治し方

東洋医学における糖尿病は「消渇」が当てはまり、発症には五臓の肺・脾・腎が深く関わっています。

糖尿病でよくみられる証と漢方での治し方について解説します。

・肺陰虚

肺陰虚は、五臓の肺に熱がこもって、肺の水分や血液を消耗している状態です。口や喉が乾いて多量の水を飲む症状が現れます。

治療には、肺の陰液を補う漢方薬を用いて余計な熱を取り去り、血糖値を上がりにくくします。

・脾気陰両虚

脾気陰両虚は、脾のエネルギーが不足して消化吸収の働きが低下し、代謝にも影響を与えている状態です。食欲が異常に増して大量に食べるものの、すぐ空腹になって日ごとに痩せていく症状があります。

漢方薬で脾気と陰液を補い、糖の代謝を改善していきます。

・腎陰虚

腎陰虚は、糖尿病の治療が長引くことで腎の働きが低下し、体全体が消耗している状態です。体に必要な水分が吸収されず、尿量が増える症状が現れます。

腎陰を補う漢方薬を用いて、水分代謝やホルモンバランスを整えていきます。

・血瘀

血瘀は、血糖値が高い状態が続いて陰液が消耗し、血液の流れが悪くなっている状態です。血行障害により痺れや痛みが現れます。

治療には、血行を促進する漢方薬を用いて栄養状態を改善し、糖尿病の合併症を防ぎます。

糖尿病を寛解させるのに漢方薬を活用しましょう

糖尿病は発症しても、早期から生活習慣の改善・薬物治療・減量に取り組むことで、寛解できる可能性があることが分かりました。

また糖尿病を改善させるため、生活習慣や体重の適切な管理をすると同時に漢方薬を使うと、糖尿病を引き起こす体質の改善につながる、合併症の予防ができるというメリットがあります。

糖尿病の体質改善で漢方治療を選ぶポイント

糖尿病の体質改善に漢方薬を使いたいときは、次の2つのポイントに重点をおくとよりメリットを得られやすくなります。

ひとつはカウンセリングに時間をかけている施設を選ぶようにしましょう。糖尿病を引き起こす原因は一人ひとり異なるため、適切な漢方薬を処方するにはしっかりとカウンセリングして体質を見極めるのが重要です。

もうひとつは自社製造の煎じの漢方薬を用意できる施設を選ぶと良いでしょう。製品化された漢方薬では長時間の加工作業により一部の有効成分が失われがちですが、煎じの漢方薬はより十分な量の成分を摂ることができます。

また健康保険を利用しない自由治療のため、保険適用外の漢方薬を幅広く選べます。そのため一般の医療機関で処方された漢方薬で効果が得られなかったケースでも、自分にぴったりの漢方薬が見つかり効果の実感を得ることが期待できます。

このような施設がお近くにないときは、私たち「漢方専門なつめ薬局」へご相談ください。なつめ薬局では対面のほかに電話やオンラインによるご相談も受け付けております。

どのような相談方法でも丁寧なカウンセリングを行いますのでご安心ください。さらに手間のかかる煎じの作業をこちらで行い、一回分ずつパックしてお渡しするので、本格的な煎じの漢方薬をお手軽に飲むことができます。

糖尿病で生活習慣や体質の見直しを考えている方は、ぜひ漢方専門なつめ薬局までお気軽にお問い合わせください。

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