【ニキビ治療と漢方/札幌】抗菌薬が効かず長引くニキビの治し方

多くの人が一度は経験したことのあるニキビ。なかには医療機関で治療を受けているにもかかわらず、思うように改善しない方もいらっしゃることでしょう。
長引くニキビには、体質や生活習慣など根本から治療をおこなうことが必要です。
今回は長い間悩まされているニキビについて、東洋医学でのとらえ方や治し方、漢方治療をおすすめする理由を詳しく解説します。

【症例紹介】長い間悩んでいたニキビが漢方治療によって改善

長い間悩んでいるニキビでなつめ薬局にご来局され、漢方治療によって症状が改善した実際の症例をご紹介します。

・患者
40代後半の男性

・経緯
10代のころから悩んでいるニキビが、顔はもちろんのこと、頭に出るのが特につらい。肩や背中にも広がってきており悩んでいる。皮膚科で処方された抗菌薬を服用しているが、数年にわたり使用しているためか、効果を感じられなくなっている。体質改善に取り組みたいという思いから来局された。

・経過
丁寧にカウンセリングをおこない、漢方理論で分析した漢方薬を服用してもらった。服用を開始してから1週間でニキビが減り始め新しいニキビも生じなくなり、男性は効果を実感した。服用を続けてもらうと、数ヶ月後には顔や頭のニキビがほぼなくなった。薬の服用のみならず、飲酒を止めたり食生活も改善したりしたところ、背中や肩のニキビが消え、ニキビ痕も目立たなくなってきた。現在は、ストレスがあったり寝不足が続いたりしていても、新しいニキビが生じなくなってきている。

東洋医学からみた長期間治らない大人のニキビ

今回の症例に基づいて、長期間治らないニキビの東洋医学でのとらえ方や漢方薬での治し方について解説します。

長期間治らないニキビに対するとらえ方

東洋医学では、ニキビのことを「粉刺(ふんし)」といいます。ニキビができる原因を東洋医学の考え方で探ると、もっとも深い関係があるのは体内で熱邪の勢いが増すことです。熱邪は病気の原因となる邪気のひとつで、ニキビの炎症や化膿を引き起こします。熱邪が勢いを増す引き金は以下のとおりです。
・五臓の「肝」や「脾」の失調によって、体内に熱が発生する
・体を構成する「気」や「血」が不足して、体内の熱を冷ましきれなくなる
・「血」が滞ると血行が悪くなり、熱がこもりやすくなる

今回の症例をみていきましょう。
症例の男性は抗菌剤を服用していても治療効果を感じられずにいました。抗菌剤の長期服用によって本来持っている免疫力が低下し、皮膚の健康を養う血(血液や栄養素)と免疫力に関わる気(エネルギー)の不足が起きたと考えられます。それにより、発生した熱の邪気を抑えられなくなり、ニキビがなかなか改善しない状況に陥ったと推測しました。

さらに症例の男性は、ニキビ痕や肩・背中のニキビも現れるようになりました。ニキビ痕や背中のニキビは、血行が悪くなり老廃物がたまることで起こります。食生活の乱れによって五臓の脾の機能が低下していたため、十分な気や良質な血が作れず、血が滞るようになったと見受けました。

漢方理論で分析した長期間治らないニキビの治し方

症例の男性に実際におこなった漢方治療について解説します。

まず長期の抗菌剤治療によって不足した気と血を漢方薬で補いました。気が満たされると皮膚の機能が回復し、低下していた免疫力が戻ってきますし、血も十分にあると皮膚が栄養されるようになり、新陳代謝が回復するのです。これにより、皮膚に生じた熱邪をコントロールできるようになってニキビが減ってきました。

さらに働きが悪くなっている脾の働きを助けて消化機能を回復させます。脾の機能が回復すると十分な気や質のよい血が作られるようになり、血の巡りも改善されるのです。そのため、皮膚の老廃物がたまって起こるニキビ痕や肩・背中のニキビが解消されました。

今回の症例では、上記で挙げた症状を改善するための生薬が、適切なバランスで配合された漢方薬を用いて治療をおこないました。さらに治療効果が最大限に発揮されるように、飲酒を控えたり食生活を改善したりするなどの養生法もアドバイスし、生活に取り入れてもらいました。

慢性化して治りにくいニキビに漢方薬をおすすめする理由

慢性化して治りにくいニキビに漢方治療をおすすめする理由は2つあります。ひとつずつ詳しくみていきましょう。

ニキビのできやすい体質から改善を図る

一般的におこなわれるニキビの治し方には次のようなものがあります。

・ニキビが生じる原因となる毛穴の詰まりを防ぐ外用剤の塗布
・炎症を起こす原因の細菌を減らすために抗菌剤の服用
・皮膚の新陳代謝を助けるためのビタミン剤服用

西洋医学は皮膚のみにアプローチする治療であるため、いったん症状が改善してもぶり返したり、生活習慣の影響で治りにくくなったりすることがよくみられます。

一方、東洋医学の治療原則には、病気を引き起こす原因を見つけて根本から改善していく「治病求本」という考え方があります。皮膚に現れている症状を解消するだけではなく、ニキビのできやすい体質にも働きかけるのです。
漢方薬を使用して、体を構成する気血水や五臓のバランスの乱れを整えることで、ニキビの症状を改善して再発を防ぎます。

東洋医学では、漢方薬治療のほかに養生も重要視しています。東洋医学の理論に基づいて食生活や睡眠を改めると、日常的な体質改善につながり、漢方薬の治療効果を高めたりぶり返しを防いだりできるのです。

薬に対する耐性が起こりにくい

西洋医学では細菌を死滅させるために抗菌剤を用います。しかしニキビは治るまでに時間がかかるため、くり返し抗菌剤を使用していると細菌が薬に対する抵抗力をつけてしまい、薬の効果がだんだん低下するのです。

その反面、東洋医学では人間に本来備わっている自然治癒力を高めることを基本としています。皮膚に炎症や化膿が起きたときは、漢方薬を用いて免疫力を回復させて、細菌に負けない肌をつくります。そのため漢方薬では、抗菌剤のような薬剤耐性はほとんど起こらないのです。

慢性化して治りにくいニキビを減らす養生法

なかなか治らないニキビは、生活習慣もかかわっているケースが少なくありません。東洋医学の視点に基づいた日常の養生法をみていきましょう。

食事の見直し

アルコール・甘いもの・脂っぽいものは、体内に熱を発生させやすくニキビの原因となるので控えるようにしましょう。緑黄色野菜・きのこ類・海藻類・豆類などの体の老廃物を排出させる食材を積極的にとることをおすすめします。

睡眠不足の改善

睡眠不足が続くとストレスがたまり、交感神経の働きが過剰になります。交感神経が刺激されると、皮脂の分泌が促されニキビができやすくなるのです。睡眠をしっかりとることで、皮膚の新陳代謝にかかわる成長ホルモンがよく分泌されます。夜22時から早朝2時が成長ホルモンの分泌がピークとなるため、その時間帯に十分な睡眠をとるようにしましょう。

お通じの改善

便秘になると排出されなかった体の老廃物が、血液の流れに乗って体に広がりニキビの原因となります。便秘を解消するためには、「食物繊維の多い食材を積極的にとり、排便を促す」「定期的に運動をおこない、腸を動かすようにする」「水分をこまめにとり、便が固くならないようにする」といったことに気を付けます。

長期間治らない大人のニキビに漢方治療するときのポイント

長期間治らない大人ニキビの漢方治療をおこないたいときは、以下の3つのポイントを取り入れている施設を選ぶようにしましょう。

・カウンセリングを重視している
・漢方理論に基づいて薬を選んでくれる
・煎じの漢方薬を自社製造している

ニキビが治りにくい原因はさまざまあり、適切な漢方薬を処方してもらうためには、丁寧にカウンセリングをおこない体質を見極めてもらうことが重要です。
現在は、保険診療も市販薬も、大半が病名や見た目の症状から漢方薬を選んでいます。この方法では、患者さん本来の体質や背景から外れていることが多く、効果があまり期待できないのです。
また製品化された漢方薬は、加工している途中で一部の有効成分が失われてしまいますが、煎じの漢方薬では有効成分を十分とることができます。

施設選びに困ったら

上記で挙げた施設がお近くにないときは、私たち「漢方専門なつめ薬局」へご相談ください。なつめ薬局では対面のほかに電話やオンラインによるご相談も受け付けております。
どのような相談方法でも丁寧なカウンセリングをおこないますのでご安心ください。さらに手間のかかる煎じの作業をこちらでおこない、一回分ずつパックしてお渡しするので、本格的な煎じの漢方薬をお手軽に飲むことができます。

長期間治らないニキビでお困りの人は、ぜひ漢方専門なつめ薬局までお気軽にお問い合わせください。

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