【安定剤と漢方/札幌】ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状とは


「ベンゾジアゼピン系薬剤を服用中だが、止めたくても離脱症状が心配」
「ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状で困っていて、良い治療方法があれば知りたい」

ベンゾジアゼピン系薬剤は、神経症や睡眠障害などでたびたび処方される薬です。
連用により依存性や耐性が形成されてしまうため、中止したり減量したりするときに離脱症状が生じるのが問題となっています。

今回はベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状について、その問題点や漢方治療が役に立つことを解説します。

ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状とは?

神経症や睡眠障害の治療で使われるベンゾジアゼピン系薬剤は、薬を減らしたり中止したりするときに、身体に不調が現れることがあります。
これを離脱症状とよんでいます。

初めに、ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状でみられる症状や問題点について解説します。

離脱症状でよくみられる症状

ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状は、精神症状・身体症状・知覚異常と多岐にわたります。
薬剤の種類で異なりますが、離脱症状は一般に薬の服用中止後2~7日以内に発症するといわれています。
具体的な症状は以下の通りです。

  • 精神症状:不安・焦燥感・集中力低下・抑うつ・イライラ感・睡眠障害など
  • 身体症状:全身のふるえ・発汗・悪心・嘔吐・頭痛など
  • 知覚異常:光や音に対する知覚過敏・金属味など

離脱症状の問題点

ベンゾジアゼピン系薬剤は、長期にわたって服用したり服用量が多かったりすると、薬を止めたくても止められない・薬が効きにくくなるなどの依存性や耐性が生じやすくなります。
それが離脱症状につながる原因です。

ベンゾジアゼピン系薬剤の依存性に対する危険因子には、服用期間・服用量・薬剤の種類が挙げられます。

依存性が形成されるのは、早ければ服用1ヵ月ほど、一般的には服用3~4ヵ月が境目です。
ベンゾジアゼピン系薬剤を8ヵ月以上服用した患者の約半数に離脱症状がみられたと報告されています。

服用量は多量でなくても、通常の服用量で依存性が形成されるのは注意すべき点です。

ベンゾジアゼピン系薬剤の種類では、作用時間の短いものほど離脱症状が出現する確率が高く、症状も強く出るといわれています。

ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状のなかでも身体症状は、数日~数週間程度で解消するといわれています。
しかし、不安感や緊張、不眠、集中力低下、抑うつなど精神症状は、数ヵ月から数年間と長期化するケースが多いです。
そのため、なかなか改善しない離脱症状がつらく、ベンゾジアゼピン系薬剤を止めたくても止められない悪循環になることが少なくありません。

ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状対策に漢方を使う3つのメリット

離脱症状が起こる背景には、もともとの疾患と薬による影響が複雑に絡んでいます。
そのため心身全体のバランスを整えて、本来人間に備わっている自然治癒力を活かす漢方治療が離脱症状の対策に向いています。
ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状を漢方で治療するメリットは3つあるので、ひとつずつ詳しくみていきましょう。

1.ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状を軽減できる

1つ目のメリットは離脱症状そのものを軽減できることです。

漢方治療では患者さんの心身全体のバランスを確かめて、離脱症状が起こる体質から改善を図ります。
いくつかの離脱症状がみられても、その不調を引き起こした原因を探ってアプローチするため、ひとつの漢方薬で複数の症状を楽にすることが期待できます。

西洋薬にもベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状に対して有効性が認められた薬剤はありますが、条件によっては適用できず治療が行えない場合があります。
一方で漢方治療は患者さん一人ひとりの状況に合わせるため、ほとんどのケースで漢方薬が服用可能で、服用中の薬との併用も差し支えありません。

2.ベンゾジアゼピン系薬剤の量を減量できる

2つ目のメリットはベンゾジアゼピン系薬剤の使用量を減らせることです。

一般的に、ベンゾジアゼピン系薬剤を中止したり減量したりするには、段階を追って服用量を減らしていきます。
しかし、離脱症状が強く患者さんが辛くなる場合は、減量する一段階前の用量に戻すことが原則となっています。
そのことが、ベンゾジアゼピン系薬剤がなかなか減らせない一因となっています。

一方、漢方薬は複数の生薬から構成されていて、患者さん一人ひとりの体質を考慮して処方するため、強い副作用は生じにくく、依存性や耐性も生じることはありません。
またベンゾジアゼピン系薬剤との相互作用はほとんどみられず併用できます。そのため漢方薬で離脱症状をはじめとする不調をコントロールしながら、ベンゾジアゼピン系薬剤の使用量を少しずつ減らせることが期待できます。

3.もともとの神経症や睡眠障害の改善を図る

3つ目のメリットは、離脱症状を和らげるとともに、もともとの神経症や睡眠障害の改善も図れることです。

漢方では心と体はお互いに影響し合うという「心身一如」の考えを基本に、患者さんの自然治癒力を活かして治療を行います。
そのため治療は離脱症状だけをみるのではなく、心身全体のバランスを確かめて調整します。
不調の原因を突き止めて、体質から健全な身体に戻していくため、もともとの疾患の改善にもつながります。

離脱症状を緩和する漢方の治し方

離脱症状を東洋医学の目線でみていきましょう。
離脱症状のなかでも、長期にわたって症状が続く緊張・不安・睡眠障害・集中力の低下では、五臓の「肝」や「心」が大きく関わっています。

東洋医学において、「肝」には身体の機能を調整したり、情緒を安定させたりする働きがあり、「心」には血液循環を調整したり、脳の働きをコントロールしたりする働きがあるとされています。
ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状でみられる証と漢方薬での治し方をいくつかご紹介します。

  • 肝鬱気滞
    強いストレスで気の流れが滞って肝が正常に働かず、抑うつや緊張・不安症状が起こります。
    肝気の滞りを和らげる漢方薬を用いて、気の流れをスムーズにし、ストレスに負けない体質へ導きます。
  • 肝火
    ストレスや情緒不安定により、肝の気が流れず停滞し熱を帯びてしまい、イライラ感・怒りっぽい・寝つけないといった症状が現れます。
    肝気の流れをスムーズにして熱を鎮める漢方薬を用いて精神を安定させます。
  • 心血虚
    悩みや心労、過労によって、心を養う血が不足してしまい、不安感や中途覚醒が生じます。
    漢方薬で心血を補うことで脳の働きが安定し、不安感を鎮めます。
  • 心火
    過度のストレスや心労で、心が過剰な刺激を受けて働きが強くなりすぎてしまい、動悸・焦り・不眠症状が現れます。
    心火を冷ます漢方薬を用いて、亢進した中枢神経の働きを鎮め、焦りや不眠症状を改善します。
  • 心気虚
    考えすぎや度重なる心労で、気を消耗し心の機能が低下してしまい、集中力低下・不安感・動悸が起こります。
    漢方薬で心気を補って機能を強化し、不安感や動悸の症状を改善していきます。

ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状に漢方治療が役に立つ!

ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状に対して、以下の3つの理由で漢方治療が役に立ちます。

  • 漢方薬には依存性や耐性がない
  • 離脱症状のみフォーカスするのではなく、心身全体のバランスを整えて、不調の原因となった体質から改善がみ込める
  • 相互作用がほとんどないため、漢方治療で離脱症状をコントロールしながら、ベンゾジアゼピン系薬剤の減量を図れる

ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状で漢方治療を試してみたい方は、次の2つのポイントに力を入れた医療施設を探しましょう。

ひとつは、カウンセリングに十分な時間を取ってくれる医療施設です。
ベンゾジアゼピン系薬剤の服用を始めた背景や離脱症状の現れ方は患者さん一人ひとりで異なります。
その人に合った適切な漢方薬を選ぶために、患者さんのおかれている状況を的確に把握することはとても重要です。

もうひとつは、自社製造の煎じの漢方薬を用意できる医療施設です。
製品化された錠剤や顆粒剤と比べて有効成分をよりしっかり摂取できます。

また健康保険を利用しない自由治療なので、保険適用外の薬も幅広く使用できます。
そのため一般の医療施設では漢方薬の効果が実感できなかったケースでも、自分の体質に合った漢方薬に巡り会うことが期待できます。

そのような医療施設がお近くにないときは、私たち「漢方専門なつめ薬局」へご相談ください。
なつめ薬局では対面のほかに電話やオンラインによるご相談も受け付けております。

どのような相談方法でも丁寧なカウンセリングを行いますのでご安心ください。
さらに手間のかかる煎じの作業をこちらで行い、一回分ずつパックしてお渡しするので、本格的な煎じの漢方薬をお手軽に飲むことができます。

ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状に不安のある方は、ぜひ漢方専門なつめ薬局までご連絡ください。
つらい症状を和らげたり、薬を減量したりするお手伝いをいたします。

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