多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)をともなう不妊は漢方で体質改善!

最近ではライフスタイルの変化などにより不妊に悩む方はますます増えています。
不妊の原因は男女双方で考えられますが、その中のひとつに多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)があります。

もしかしたらすでに病院で治療を受けている方もいるかもしれません。

漢方では、西洋医学とはまったく違う視点で妊娠力を高めるサポートをして、ひとりひとりの体質に応じて妊娠できるカラダの土台づくりをしていきます。

不妊の漢方相談でも多く見られる多嚢胞性卵巣症候群

漢方相談には、不妊に悩んでいる方が多くいらっしゃいます。
漢方では、腎がしっかり働き気血が充実していると、妊娠しやすいカラダの状態になっていると考えます。

漢方医学の腎とは西洋医学でいうところの腎臓だけでなく、生命力のもとを蓄えるさまざまな臓器を表しています。卵巣などの生殖器官の働きも、腎機能に含まれます。

また血(けつ)は血液と似ていますが、全身に栄養を行き渡らせるだけでなく、人間の精神活動も支えるより大きな概念です。

このように、東洋医学では人間のカラダの機能に対して特有のとらえ方をしています。
そしてそれぞれの機能は互いに影響しあって、どこかひとつでも欠けることなくカラダ全体で調和していると心身が健康に保たれているのです。

どこかの機能で問題が生じているときに、症状となり表に現れます。
そのため 漢方は、体内で不足しているものを補ったり、カラダ全体に作用したりして、妊娠できるカラダへとアプローチします。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の基礎知識

漢方治療を考えている不妊の方の中には、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と病院で診断される方もいらっしゃいます。

多嚢胞性卵巣症候群は、月経異常をともなう不妊の原因のひとつです。
妊娠可能な年齢の女性のうち5〜10%が多嚢胞性卵巣症候群であるともいわれており、めずらしい病気ではありません。

健康であれば、1ヶ月に1回、卵巣のなかにいくつかある卵胞のうち1つが大きく成長して排卵します。
そして大きく成長できなかった他の卵胞は小さくなっていきます。

ところが、多嚢胞性卵巣症候群の場合、大きく成長する卵胞はなく排卵できずに卵巣の中にたまってしまいます。
超音波(エコー)検査をしてみると、排卵できずにたまったたくさんの未熟な卵胞が、卵巣表面にネックレスのように並んでいるのが見えます。
この状態は 多嚢胞性卵巣症候群に特徴的で「 ネックレスサイン 」と呼ばれています。

排卵されないため、生理が遅れたり、生理が来なかったりする月経異常が起こるのです。

病院で多嚢胞性卵巣症候群と診断されるには、月経異常(遅れや無月経など)とネックレスサインのほかに、ホルモンが異常であることが必要です。
ホルモン異常などがなく、ネックレスサイン が確認できる状態は、 多嚢胞性卵巣 (PCO)と呼ばれます。

漢方で考える多嚢胞性卵巣症候群

最初に書いたように、漢方の理論では、生殖器官をつかさどる腎の機能が低下していたり、気血のバランスが崩れたりしていると、なかなか妊娠できません。

多嚢胞性卵巣症候群 の場合、腎がうまく働いていないと卵胞の成長や排卵するための力が弱くなり、月経が遅れる原因となります。

また、血も多嚢胞性卵巣症候群ではとても重要です。
卵巣の膜を流れる血のめぐりが悪いと、血が滞っているお血(おけつ)という状態になり、さらに痰湿(たんしつ)と呼ばれるねばねばした老廃物が卵巣に周りにこびりつき固くなってしまいます。

その結果、排卵ができずにネックレスサインの状態になるのです。
ネックレスサイン自体が、お血や痰湿であると考えられています。

また気の流れが滞ると気滞という状態になり、スムーズな排卵を妨げてしまいます。

気や血のめぐりは、ストレスが大きくかかっても悪くなります。
妊活中は肉体的にも精神的にもさまざまなストレスにさらされがちです。
対策をしていかないと、どんどん悪循環になってしまうでしょう。

このように、多嚢胞性卵巣症候群の方のカラダの中ではカラダの土台がぐらついて、その結果排卵障害が起こり、不妊へとつながります。

けれども、不妊の根本的な原因である、体内のバランスの崩れ方は人それぞれです。

そのため、漢方で妊活に成功するためには、何が原因でカラダの中が乱れており、どの臓腑や気血水が、どのように機能していないのかを見極めることが大切です。

しっかりとヒアリングし、あなたのカラダの状態や症状にあった治療方針と漢方薬を提供してくれる漢方薬局に相談しましょう。自社製造の煎じ薬を処方する漢方薬局であれば安心です。

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