【がん治療と漢方/札幌】抗がん剤治療の副作用に漢方ができる事とは

近年、子宮頸がんの患者数増加や罹患年齢の低下が多くみられています。抗がん剤治療を行う中で、多くの方を悩ませるのは辛い副作用の症状です。この記事をご覧になっている方の中にも、子宮頸がんに対する抗がん剤治療の副作用により生理が止まり、更年期のような症状が出現してお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

当記事では、子宮頸がんへの抗がん剤治療の副作用で生理が止まり更年期症状が出現した患者様に対し、漢方薬治療を行うことで副作用の症状が改善された事例をもとに、漢方薬治療の有効性について解説していきます。

実際の患者様の症例をご紹介

当薬局へ来局された患者様の症例です。

患者様:30代後半女性

経緯・経過: 子宮頸がんのため放射線治療及び抗がん剤治療を実施。治療の副作用から生理が止まり、更年期症状が出現。ホットフラッシュや頭痛、疲れやすさ、イライラといった症状があり、それらの症状の改善とがんの再発予防を希望され当薬局へ来局された。根気よく漢方薬治療に取り組まれた結果、頭痛やイライラ、疲れやすさの症状が改善された。3ヶ月後には、1日に3.4回あったホットフラッシュも連日出現することはなくなり、体調が優れている実感を得られるようになった。現在はがんの再発予防を目的に漢方薬治療を継続している。

抗がん剤治療の副作用により生理が止まってしまうと、更年期の症状が出現しとても辛いですよね。しかし、症例の女性は漢方理論による状態の分析・漢方薬の選定を受け、根気よく治療された結果、抗がん剤治療による副作用を改善させることができました。

子宮頸がん治療の副作用に対し漢方薬が効果的な理由

ここからは子宮頸がんの状態や抗がん剤治療による副作用の状態に対し、どうして漢方薬が効果的なのか具体的に説明していきます。

漢方薬が効果をもたらす仕組みとは

症例の女性は、抗がん剤治療の影響により生理が止まってしまいました。生理が止まったことで、ホットフラッシュやイライラ、疲れやすさなどの更年期症状が出現してしまったのです。

漢方薬治療では、抗がん剤治療によって引き起こされた症状一つひとつを細かく分析していきます。そして臓器の機能を高めたり、健康な身体を構成する気血水のバランスを調整したりすることで、抗がん剤の副作用の緩和や改善を図ります。

症例女性の抗がん剤治療により卵巣機能が低下し生理が止まってしまっている状態を漢方理論で分析すると、生殖能力を司る腎(じん)の機能低下が根本にあることが考えられました。ですので、まずは腎を保養する生薬を選びます。更年期の症状であるイライラやホットフラッシュには、乱れた気のバランスを整え、過剰な熱を発散させる生薬を用います。疲れやすさに対しては、気血を補う生薬で、弱っている気を養いエネルギーを作り出すサポートをしたのです。

このように、漢方理論による分析結果を踏まえ、症例の女性の体質や病状に合った漢方薬の選定を行いました。根気強く内服を続けていただいた結果、生殖能力を司る腎や乱れていた気血のバランスが整い、更年期のような症状が改善されたのです。

子宮頸がんに対する東洋医学の捉え方

医学では、がんは血液がドロドロと流れにくくなる血瘀(けつお)の状態があると考えます。なかでも、子宮頸がんはヒトパピローマウィルス(HPV)の感染が原因とされており、ウィルスの感染は免疫力の低下が背景にあることが多いです。免疫力の低下は、気血水のバランスが崩れていることが原因と考えられています。特に気は、生命エネルギーそのものですので、ウィルスや細菌などの外敵から身を守る役割の気が不足して、防御力が低下し感染が起こりやすくなります。

症例の女性は、漢方薬内服による副作用症状の改善がみられた後も、子宮頸がん再発予防のために内服を続けられています。漢方薬は病気や体質そのものに対してアプローチができるので、病気の再発予防にも効果をもたらすことができるのです。

抗がん剤の副作用に対する東洋医学の捉え方

抗がん剤は、がん細胞を消滅させることを目的とした強力な薬です。抗がん剤の持つ強い毒性から、さまざまな副作用の出現が報告されています。そんな抗がん剤による副作用を東洋医学的視点で捉えると、「気血(きけつ)の損傷」「脾胃(ひい)の失調」「肝腎(かんじん)の衰弱」と表現します。

気血の損傷は生命エネルギーと栄養状態の低下、脾胃の失調は消化吸収機能の異常、肝腎の衰弱は内臓諸機能の低下と考えられています。免疫力が低下した状態でさらに毒性の強い抗がん剤を使用するので、これらの症状が起こるのです。

漢方薬治療では、身体の機能低下や異常に対して一つひとつ詳しく状態を分析し捉えていきます。また、どうしてその状態になってしまったのか病態を診るだけでなく、患者様の生活や体質から症状の分析をします。そのため、副作用が起こる根本的な部分からアプローチを行い、がん治療は続けながら副作用に対して治療することができるのです。

現在は、病院での治療においても抗がん剤治療の副作用に対し漢方薬の効果認められ、がん治療と併用して処方されるようになってきました。抗がん剤の副作用にお悩みの方は、ぜひ漢方薬治療も検討してみてはいかがでしょうか。

効果の秘訣は自分に合った漢方薬選び

漢方薬治療をする上で大切なことは、今お悩みの症状を体質から漢方薬理論で分析し選定されたものを服用することです。そのため、漢方薬治療を受けたいとお思いの方は、自分に合った漢方薬を自社で製造してくれる薬局に相談することが効果を得るための秘訣となります。お近くに相談できる漢方薬局がないという方は、なつめ薬局ではオンラインツールを利用したカウンセリングや販売も行なっております。ぜひご利用くださいね。

なつめ薬局では、患者様一人ひとりの状態や状況を漢方理論で分析し、その方に必要な漢方薬を厳選された生薬から自社製造し提供しています。薬局やクリニックでも漢方薬を手にいれることはできますが、いずれも顆粒やシロップタイプのものが多いです。しかし、なつめ薬局で扱う煎じタイプの漢方薬は、様々ある漢方薬のタイプの中で最も効果を余すことなく得られるのでおすすめです。これから漢方薬治療を行うのであれば、よりご自身の状態や症状に合うものを選んでいただくことが大切になりますので、参考にしてくださいね。

ここまで実際の症例をもとに、どうして漢方薬治療が抗がん剤の副作用に効果をもたらすのかについてご説明してきましたが、いかがだったでしょうか。

抗がん剤治療を受けられている方の中には、辛い副作用に悩み抗がん剤治療を断念される方も少なくないかと思います。副作用を改善させたいとお考えの方は、ぜひ一度漢方薬局へ相談の上、漢方薬治療を検討してみてください。

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