【妊活と漢方/札幌】鉄サプリメントが妊活に及ぼす影響とは

妊活中の皆さんは妊娠力を高めるために、鉄分・亜鉛・葉酸・たんぱく質・ビタミンなど必要な栄養素を意識して取るようにしていらっしゃると思います。

しかし最近は妊活向けのサプリメントが多く販売されているため、栄養摂取をサプリメントに頼っている人も多いのではないでしょうか。

サプリメントは手軽に栄養が取れるメリットはありますが、必要以上の摂取量になっていまい、かえって健康を害してしまうケースも見られます。

今回は、妊活と鉄サプリメント摂取に関する最近の研究発表と、妊活中の体質改善に漢方治療をおすすめする理由などを解説します。

妊活と鉄サプリメント摂取の関係

鉄は妊娠や出産に欠かせないミネラルです。
不足すると貧血につながるた注意が必要ですが、摂りすぎも健康を害してしまう可能性があります。

先日、鉄サプリメントの摂取量と卵巣機能について注目するべき研究結果が発表されました。
次から簡潔に解説しますので、妊活中の女性で鉄サプリメントを摂取している人は、内容を確認しておくと安心です。

鉄の過剰摂取による卵巣予備能の低下が話題

ハーバード大学の研究で、鉄の摂取量と卵巣予備能の関係が調査されました。
卵巣予備能は胞状卵胞数と月経3日目のFSH値で判断されています。

食事からの鉄摂取では、摂取量と卵巣予備能は関連しなかったのですが、鉄サプリメントからの鉄摂取では、摂取量が多くなるほど胞状卵胞数は減少し、FSH値は上昇するという結果が出ました。

特に胞状卵胞数について、サプリメントで鉄を1日に45~64mg摂取していた女性は、20mg未満だった女性に比べて17%少なく、1日65mg以上摂取していた女性にいたっては32%も少ないということでがわかりました。

ハーバード大学の研究結果から、鉄不足ではない女性が、サプリメントによって過剰に鉄を摂取すると、卵巣機能に悪影響を及ぼす可能性があることが示唆されています。
妊活中の女性は、サプリメントによる鉄の補充は1日あたり20mg以下にしておくと良いでしょう。

鉄サプリメントを利用するときの問題点

人体では鉄などのミネラルが一定量に保たれる仕組みになっています。

通常の食事に含まれる鉄の量は、多いといわれる豚レバーでも100gあたり13mgほどです。
食事による鉄の吸収率はそれほど高くないため、消化管の機能に問題なければ、食事によって鉄が過剰に吸収されることはほとんどありません。

しかしながら、サプリメントは鉄が効率よく吸収されるようにさまざまな工夫がされています。
そのため1度に多量の鉄が吸収され、体内の鉄のバランスが崩れてしまいます。
一度吸収された鉄は排出されず体内に蓄積されるため、食事とは異なりサプリメントによる鉄摂取は過剰になりやすいのです。

妊活中の体質改善に漢方を使用するメリット

これまで紹介した研究発表やサプリメントの問題点から、妊活中の体づくりで良かれと思って摂っていたサプリメントが、人体全てのバランスに配慮していないため、かえって妊活の妨げになる可能性があることが分かりました。

東洋医学には心身のバランスを整えて、本来備わっている力を高める治療方針があるため、妊活中の体質改善に漢方薬が役に立ちます。漢方薬を使うメリットについて次にご紹介します。

鉄欠乏の有無にかかわらず、妊娠しやすい体づくりができる

東洋医学の視点で、妊娠しにくい人では五臓の「腎」、エネルギーの「気」、血液や栄養分の「血」の不調が関わっていることが多くみられます。

たとえば鉄などのミネラルや栄養素は、東洋医学では「血」の概念です。
「血」が不調になると、卵子や子宮に十分な血液や栄養が届かなくなるため妊娠しにくくなります。
「血」は五臓の「脾」から作られるケースと、「腎」から作られるケースがあります。
東洋医学では心身のバランスをみて、「血」が不調になった原因がどこから来ているかを突き止め、漢方薬で不調の原因を改善していきます。

また卵子や子宮が正常に機能するために、東洋医学ではエネルギーの「気」も必要と考えられています。
妊娠しにくいときは「気」が不足しているのか、「気」の巡りに問題があるのか原因を見極めて、漢方薬で心身全体のバランスを整えていきます。

西洋医学の不妊治療中でも併用できる

妊活中の人のなかには、すでに不妊治療を開始している人もいらっしゃると思います。
漢方薬はホルモン剤など西洋薬との相互作用はほとんどみられないため、たいていのケースで併用することに差し支えありません。

また漢方薬では、副作用が起こりにくいように、患者さんの体質や既往歴を踏まえて処方を決めています。
漢方薬は複数の生薬で構成されており、西洋薬のような強い副作用が生じにくいです。

東洋医学における妊活中の体質改善

東洋医学の考え方では、「体質や病気の本質を根本から治す」ことが原則です。
妊活中の体質改善に役立つ食養生と漢方治療をご紹介します。

食養生

妊娠しにくい人に多くみられる、五臓の「腎」や人体を構成する「気」「血」の不調の緩和に役立つ食材は次の通りです。

  • 腎を補う食材

ニラ・くるみ・黒ゴマ・黒きくらげ・エビ・豚肉

  • 血を補う食材

にんじん・ほうれん草・落花生・マグロ・カツオ・イカ・タコ・豚レバー

  • 血の巡りを助ける食材

玉ねぎ・青背の魚・なす・れんこん・青梗菜・パセリ・酢

  • 気を補う食材

穀物類・イモ類・豆類・きのこ類・ナツメ・イワシ・ウナギ・牛肉・鶏肉

  • 気の巡りを助ける食材

柑橘類・香味野菜

漢方薬

妊娠しにくい人によくみられるタイプ(証)と漢方薬での治し方について解説します。

  • 腎虚

五臓の「腎」には成長・発育・生殖をコントロールする働きがあります。
腎虚は不摂生や食生活の乱れで卵子が弱っている状態です。
腎を補う漢方薬を用いて、女性ホルモンの働きを改善し、卵子を健やかにします。

  • 血瘀

血瘀は体の冷えで血流が悪くなり、子宮に十分な血液や栄養が流れず、着床しにくい状態です。
血行を促す漢方薬を用いて、体を温め子宮に新鮮な血液を届けて、子宮内膜の働きを改善します。

  • 血虚

血虚は、貧血気味だったり食事バランスが偏ったりして「血」が不足し、卵子の発育が悪く、子宮内膜も薄い状態です。
血を補う漢方薬を用いて、血液と栄養が行きわたるようにして、卵子と子宮内膜の機能を改善します。

  • 気虚

気虚は過労や慢性的な睡眠不足によって、全身のエネルギーが不足し、不妊になっている状態です。
気を補う漢方薬を用いて、エネルギーを補い、卵子を元気にして子宮の働きも向上させます。

妊活中はサプリメントよりも漢方の知恵で体質改善を!

鉄が足りている状態の女性が、鉄サプリメントで鉄摂取が過剰になると、卵巣予備能が低下する可能性があり、妊活中は特に注意が必要です。

妊活中の体質改善には、以下の2つの理由から漢方をおすすめします。

  • サプリメントのように特定の成分だけに着目するのではなく、漢方薬は心身全体のバランスを整えて、本来備わっている妊娠する力を高める。
  • 西洋医学の治療薬と漢方薬には相互作用がほとんどみられないため、多くのケースで併用ができる。

妊活中の体質改善に漢方治療を選ぶポイント

妊活中の体質改善に漢方薬を試してみたいときは、次の2つのポイントに着目するとよりメリットを得られやすくなります。

ひとつはカウンセリングに時間をかけている施設を選ぶようにしましょう。
妊娠しやすい体づくりは一人ひとり異なるため、適切な漢方薬を処方するには体質の見極めが重要です。

もうひとつは自社製造の煎じの漢方薬を用意できる施設を選ぶと良いです。
製品化された漢方薬では長時間の加工作業により一部の有効成分が失われがちですが、煎じの漢方薬はより十分な量の成分を摂ることができます。

また健康保険を利用しない自由治療のため、保険適用外の漢方薬を幅広く選べます。
そのため一般の医療機関で処方された薬で効果が得られなかったケースでも、自分にぴったりの漢方薬が見つかり効果の実感が期待できます。

そのような施設がお近くにないときは、私たち「漢方専門なつめ薬局」へご相談ください。
なつめ薬局では対面のほかに電話やオンラインによるご相談も受け付けております。

どのような相談方法でも丁寧なカウンセリングを行いますのでご安心ください。
さらに手間のかかる煎じの作業をこちらで行い、一回分ずつパックしてお渡しするので、本格的な煎じの漢方薬をお手軽に飲むことができます。

妊娠しやすい体づくりでお悩みがございましたら、漢方専門なつめ薬局までお気軽にお問い合わせください。

関連記事

TOP