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【うつ病治療と漢方/札幌】妊娠が影響する産前産後のうつを改善

仕事のプレッシャーや家庭内のトラブル、大きな病気への罹患など、日常で生じる出来事の中にはメンタルに強く影響を及ぼしてしまいうつ病を引き起こしてしまうものがあります。
妊娠・出産も女性の身体や精神に大きな変化をもたらす現象であり、それによって周産期うつ(産後うつ)を発症し悩む女性が多いというニュースがテレビや雑誌などでよく取り上げられています。

うつ病になってしまった場合、産前産後に関わらず早期に治療を開始することが重要です。
妊娠中にメンタルに不調を感じた場合はその時点で重症化させないことが大切ですし、産後は生まれたての赤ちゃんのお世話で忙しく、自分の体や心のケアを優先的に行うのが難しい場合も多いかと思います。できれば妊活・妊娠中からメンタルを整える習慣を身につけられると安心です。

そこで今回は、漢方を活用して産前・産後の「周産期うつ」を予防し治療することについて紹介します。

周産期うつとは?

まず「周産期うつ」とは何でしょうか。

「周産期」とは妊娠22週から出生後7日未満の時期を指し、「周産期うつ」とは、妊娠中および産後に発生するうつ病を総称したものです。その中でも「産後うつ」はニュースなどでも取り上げられることも多く、ご存知の方も多いかもしれません。産後うつは、産後3〜6ヶ月以内に発生しやすいうつ病です。

妊娠・出産は身体も生活環境も一変する一大イベントですので、周産期うつはどんな妊産婦さんでもかかりうる病気です。ただし、妊娠前にうつ病を患ったことがある、近親者にうつ病になった人がいる、人間的・経済的ストレスを抱えているような場合には特に、うつ病の発生リスクが上昇するといわれています。

周産期うつの主な症状は一般的なうつ病と同様に、極度の悲しみや無気力感、怒り、気分の急激な変化などがあります。さらにそれらが睡眠障害や頭痛などの身体的症状を引き起こすこともよく知られています。

周産期うつを放っておくと大きな危険が…

周産期うつにかかっていることが判明した場合にはすぐに治療することが大切です。
近年の研究(Hagatulah N, et al. BMJ. 2024)では、周産期うつにかかっている人はそうでない人と比べて、自殺による死亡リスクが増大するということが明らかになりました。加えて同研究では自殺以外の死因による死亡リスクも上がることが判明しており、周産期うつは早期に治療すること、あるいはそもそも発症を防ぐために妊娠期からのケアが非常に重要であることが改めて示されました。

出産前から漢方でメンタルバランスを整えよう!

周産期うつにかかると一般的には抗うつ薬を処方されますので、それを服用しながら完治を目指します。ただし病院は、基本的にはうつ病に”なった”場合に治療薬を処方してくれる場所です。抗うつ薬を使用した治療もとても重要ですが、病気にかかってしまった場合の精神的・肉体的な辛さを考えると、本来は周産期うつにならないための予防的なアクションが必要です。

予防方法としては、軽い運動をする、食生活を見直す、ストレス要因をなくすなどの日常生活の改善が有効とされています。さらに並行して、漢方を取り入れ元気なメンタルを維持することもおすすめです。

漢方をはじめとする東洋医学の世界では、うつ病、もしくはうつ病の一歩手前のメンタルが弱っている状態というのは、体を流れる「気血水」のうち「気」と「血」の巡りが悪くなっているためと捉えています。妊娠や出産、育児という環境変化やプレッシャーで「気」や「血」の量が減り、巡りが悪くなってしまうのです。また妊娠中は胎児を育てるために、産後は母乳を赤ちゃんにあげるために、血が大量に必要です。胎児や赤ちゃんの成長に優先的に血が使われるため、母体となる妊産婦さんは慢性的に血液が不足した状態になるのです。漢方治療ではその不足した「気」や「血」を補充し巡りを改善するための漢方薬を処方し、妊産婦さんの体質を根本から変えて健康な状態に導いていきます。

妊娠中から漢方薬を服用すると気や血を十分に体内に留め適切に循環させておけますので、妊娠中に沈みやすいメンタルが整い、産後うつの発生リスクを減らすこともできます。妊娠中や授乳中に漢方薬を服用して良いのかお悩みの方もいるかもしれません。漢方薬の多くは妊娠中や授乳中でも安心して飲んでいただくことができますので、ぜひ医師や薬剤師に相談をしてみてください。

特に出産直後は、疲労やホルモンバランスの変化、母乳育児による血の消耗などにより、どんな産婦さんでもメンタルに不調を感じ苦しむことが少なくありません。その時期をできる限り心穏やかに過ごし赤ちゃんとの新しい日常生活を楽しむためにも、妊娠中から漢方でメンタルケアをはじめてみましょう。

漢方で周産期うつを改善する場合、漢方の相談・購入先は?

メンタルが不安定で周産期うつの不安を抱えており、漢方で改善したいと考えていらっしゃる方は、まずは現在通っている産科や精神科などに煎じの漢方薬を処方してくれるかどうか相談をしてみてください。煎じの漢方薬の処方ができないようであれば、お住まいの近くに煎じの漢方薬を処方してくれる病院や漢方薬局があるか探してみてください。

漢方薬には「エキス剤」と「煎じ薬」があります。
エキス剤とは、決められた割合・量の生薬を配合・抽出したエキスを顆粒や錠剤などに固めたものです。顆粒や錠剤などになっているため、保存しやすい、携帯しやすいなどのメリットがあります。一方、生薬からエキスを抽出・加工していく過程で有効成分が失われてしまうことがあり、体の状態や体質によっては効果が薄いと感じられる場合があります。

煎じ薬とは配合された生薬を煮出した液のことを指します。処方された生薬を自分で煮出さなければならないため、手間がかかる、煮出した液体の持ち運びがしづらいというデメリットがあります。しかし生薬を丸ごと煮出すので、含まれる有効成分を逃さずにより高い効果を得ることができます。煮出した液には添加物等も含まれておらず、妊娠中や授乳中の患者さんでも安心してお飲みいただけます。
なつめ薬局では煮出しは薬局で行い1回分ずつをパックしてお渡ししていますので、患者さんご自身で煮出す必要はありません。エキス剤と変わらない手間で気軽に飲むことができます。

せっかく漢方薬を服用いただくのであれば、効果がより高い”煎じ薬”を服用いただきたいと私たちは考えています。病院、漢方薬局を探す際には、是非”煎じ”の取り扱いがあるかをご確認ください。
もしも、お近くにそのような病院・漢方薬局がない場合には、私たち、漢方専門なつめ薬局で遠隔相談をお受けしています。ぜひご相談ください。

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