漢方専門 なつめ薬局の漢方薬・生薬認定薬剤師の阿部です。
糖尿病は、治らない。
一度なると一生付き合う病気と今までの通説ではいわれていました。
しかし、イギリスで行われている研究では、完治する可能性が報告されました。
【糖尿病】の恐ろしさは合併症
糖尿病と聞くと、どのようなことを連想しますか。
SBI掲載の「生活習慣と健康に関する意識調査結果のご報告」では、「糖分の取りすぎ」が66%と最も多く、「高カロリーの食事」「運動不足」、「食べすぎ」と続いています。
生活習慣の乱れが原因で、糖尿病を発症すると思われている方が多くいることがわかります。
- 糖尿病とは、生まれつき糖尿病である1型糖尿病
- 生活習慣や遺伝に伴い発症する2型糖尿病
があります。
体は、糖分を体に吸収すると、膵臓のインスリンが反応し血統を下げます。
生まれつきインスリン分泌機能が低下しており、血糖を下げられない状態が1型糖尿病です。
一方、2型糖尿病は、肥満やストレス、睡眠不足、運動不足によりインスリンの分泌が悪くなったり、体が反応しづらくなることで血糖が下がらなくなります。
血糖が高い高血糖の状態が続くと、動脈硬化を起こし高血圧、末梢神経障害、腎障害などの合併症を引き起こします。
さらに進行することで、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気(これを合併症といいます)に繋がります。
しかし、糖尿病は不治の病と言われ、一度発症すると完治する事はなく、一生付き合っていく必要があると言われます。
また治療法としては、食事療法や運動療法を基本とし、飲み薬で行われます。
糖尿病が進行すると、体が出すインスリンだけでは不十分となり、毎日自分でインスリン注射をする必要があります。
一生涯治ることがないと言われ続けてきたのが糖尿病です。
糖尿病の悪化原因として一番に挙がるのが、すい臓が疲弊し、インスリンを分泌する機能が低下する事と言われています。
すい臓にあるベータ細胞というところがインスリンを分泌していますが、肝臓や体に溜まった脂肪がインスリンの効きを悪くしています。
高カロリーな食事や運動不足によって肝臓や体に溜まった脂肪が、インスリンに対する体の反応を低下させます。
そうするとすい臓はより多くのインスリンを分泌し、やがて疲弊してしまうという悪循環に陥いるのです。
そこで、体重に着目した新しいアプローチ方法が、英国で実施されている「DiRECT」(糖尿病を寛解するための臨床試験)で明らかにされました。
『糖尿病が治る』可能性がイギリスで報告された
「DiRECT」(糖尿病を寛解するための臨床試験)とは、糖尿病発症後6年以内の64人を対象にした試験で、2つの群に分けて研究を行いました。
1つは、「食事療法、運動療法を合わせて積極的集中的に体重コントロールをした群」、もう1つは「従来通りの治療を行う群」でした。
結果は、集中的な体重コントロールをした群で46%(29人)の方が2型糖尿病から離脱したとされています。
減量を行ったことでインスリンを分泌する細胞が再び活性化し、正常な機能を取り戻したと考えられています。
特に重要なのが、『内蔵に蓄積された脂肪をいかに減らすか』にあると考えられています。
内蔵に蓄積された脂肪は、インスリン分泌細胞をはじめ内蔵に大きなストレスを与えます。
そうすることにより、消耗・疲弊し、インスリンの分泌量が減ってしまうのです。
集中的に体重コントロールした群でも、改善した群・改善しなかった群とがありますが、この違いを分析するのに興味深いのが、糖尿病になってからの期間の分析です。
改善した群では2.7年、改善しない群では3.8年でした。
これは、糖尿病が改善する人は、糖尿病になってから、なるべく早く積極的に取り組みをした方が良い可能性を示しています。
糖尿病と診断・疑いがある場合には、少しでも早くから体重コントロールを行うことで、糖尿病を完治する道が開かれると考えられます。
まとめると、
『血糖値が高い、もしくは糖尿病と言われたら、なるべく早く体重のコントロールをすると完治の道が開かれる』
と言うことになるでしょうか。
血糖値を下げる薬やインスリン注射では糖尿病が治らない理由とは
「DiRECT」が示した結果は、食事や運動などで体重をコントロールすると糖尿病は完治するという結果です。
血糖値を下げる飲み薬やインスリン注射は血糖値を下げて安心感を与えてくれるかもしれません。
ですが、これらの薬は、血液中の糖分を脂肪細胞に蓄える働きをします。
つまり太ります。血糖値は下がっても太ってしまうので糖尿病からは抜けられません。
むしろ糖尿病改善の足を引っ張る恐れすらあります(状況によって必要なケースもあります。主治医とよく相談してください)。
糖尿病は、本来痩せる病気です。
食事から摂取した糖分が細胞まで届かず血液中に留まり(だから血糖値が高くなる)、太ることが出来ないのです。
それなのに、皆さんがイメージする糖尿病の患者さんは太っていませんか?それはなぜか?
血糖値を下げる薬やインスリンに頼り切ってしまった結果なのです。
食事療法と運動療法で体重コントロールが出来ない方も存在する
食事療法や運動療法を行っていても、痩せない方、体重コントロールが出来ないという方が実に多くいらっしゃいます。
なぜでしょうか。
それは、遺伝性や体質が原因と言われています。
ほかの人と同じような食事や運動療法を行っていても、脂肪を溜めやすい方や溜めにくいなどの体質の違いがあります。
究極的には、糖尿病になりやすい、なりにくいのも体質の違いと言えるかもしれません。
そのような方は、何をしたら良いでしょうか?
効果を実感できなくても、食事療法や運動療法を見直し、継続することは必要です。
ですが、それだけでは十分な効果が期待できないことも、また事実としてあります。
糖尿病になってしまった方であれば、その事実は、身に染みてご理解いただけると思います。
そのような時の解決方法の一つに、漢方薬で体質を整えるという方法があります。
脂肪燃焼、代謝、をあるべき状態に戻し、身体に脂肪が溜まりにくい体質です。
ただし、漢方薬は、何でも良いわけではなく、昔からの剤形である煎じタイプの漢方がより良いと言えます。
札幌の漢方専門 なつめ薬局では、煎じタイプの漢方薬を、あなたの状況に合わせて自社製造して提供しています。
いくつもの生薬から自社製造する漢方薬は、病院やドラックストアで流通している物とは全く異なる効果が期待できます。
糖尿病に対する漢方療法について、すでに多くのご相談をいただいており、大変混雑しております。
DiRECTで示された通り、早めの取り組みが、糖尿病の改善に有効だからです。
血糖値が高いと言われた方は、早めのご予約・ご相談をお勧めいたします。