【血栓予防と漢方/札幌】漢方の力で血流を良くする方法

コロナ禍以降、リモートワークはすっかり定着しました。満員電車などの通勤負担から解放され喜ぶ人がいる一方で、外出頻度が減ってしまい運動不足が深刻になっています。ネットショッピングやZoom飲みなど、家で何でも完結できるのは便利ですが、運動不足による血栓リスクが高まってしまうのは困ったものです。

そんな中、冬眠中のクマからヒントを得て血栓予防の新薬につながるというニュースが話題になっています。私たちに活用できるのか…?血栓予防や血流改善など、最新のニュースとともに漢方薬の力で血流を良くする方法をお伝えします。

クマに血栓ができないのはなぜ?

長い間体を動かさないでいると、人間なら血行不良から命にも関わる血栓ができてもおかしくありません。しかし何カ月にもわたって眠り続ける冬眠中のクマに、こうした問題が生じないのはなぜでしょうか。

ルートヴィヒ・マクシミリアン大学(ドイツ;2023)を中心とする国際研究グループが13年にわたり研究を続けてきた結果、冬眠中のクマの血液に注目すべき点があることがわかってきました。

研究によると、冬眠中のクマでは止血作用のある血小板でのタンパク質の発現が、通常のレベルより低下していることが明らかになりました。特に発現の低下が著しかったのは、ヒートショックタンパク質47(HSP47)と呼ばれるタンパク質で、活動中のクマと冬眠中のクマの血小板を比べると55倍も低下していました。つまり、HSP47の発現低下が何カ月も眠っているクマの体内での血栓形成を防いでいる可能性が示唆されたのです。

この結果に、「血栓のできやすい状態にある人での血栓形成を予防する、新たな治療薬の開発につながる可能性がある」と期待が寄せられています。

血栓予防薬を開発し続ける理由

血栓予防薬としては、以前よりアスピリンなどが用いられています。しかし、このような抗血栓薬には出血リスクが高まるなどの副作用があるため、より高い効果と安全性を有する薬剤を探求し続けることが必要だと考えられています。今後の新薬に期待したいところです。

一方、漢方では何千年も前から血流を良くする治療が行われており、得意分野のひとつになります。さまざまな生薬を組み合わせた漢方薬を用い、症状の緩和に効果を発揮しています。そのメカニズムについて東洋医学の観点からご説明します。

東洋医学で捉える「瘀血」とは?

東洋医学では、血栓などの血管トラブルを引き起こす原因として、「瘀血(おけつ)」というものがあります。瘀血とは、血(けつ)の流れが悪くなり滞っているドロドロ血のことをいいます。血は体内を巡って各臓器や組織に栄養や潤いを与えると同時に、代謝産物を回収する役割があります。そのため、血の巡りが悪くなると身体に老廃物が溜まりやすくなり、心筋梗塞・狭心症・脳卒中などの循環器トラブルにつながります。

「瘀血」を引き起こしてしまう原因

「瘀血」になる要因はいくつもあります。以下に主な原因をあげてみましたので、いくつ当てはまるかぜひチェックしてみてください。気になる項目が複数あるなら要注意です。

①寒さによる瘀血

漢方では病気の原因となる6つの邪気のことを「六淫(りくいん)」といい、そのひとつに寒邪(かんじゃ)というものがあります。寒邪は寒さのあるとこに存在し、冷えや痛みのような症状が出やすいのが特徴です。寒邪が血液に入り込んで血行不良の状態になることを「寒凝瘀血(かんぎょうおけつ)」といい、腰痛や月経痛といった不調を引き起こす原因になります。特に首・足首・手首のようなくびれから血液に寒邪が入りやすいので注意が必要です。

②運動不足による瘀血

長時間同じ姿勢でいたり姿勢が悪い状態が続いたりすると、血流が滞りやすくなります。デスクワークや長時間の立ち仕事で瘀血が生じ、肩こりや腰痛、下肢静脈瘤が起きやすなります。

③ストレスによる瘀血

ストレスを上手に発散できない状態が続いてしまうと、気が滞ってしまいます。血は気の力で体内を巡っているため、気が滞ると血液も滞り、瘀血になります。

④冷たい飲食物、暴飲暴食による瘀血

冷たい飲食物も冷えによる瘀血を生みます。また、油っこいものや甘いものを摂り過ぎるなどの暴飲暴食を続けていると水分代謝がうまくいかず、余分な水分や脂肪が溜まってできる痰湿(たんしつ)という状態を招きます。痰湿は血流を阻害し、ネバネバドロドロになった血は、三大疾病であるがん・心疾患・脳血管疾患の原因にもなります。

なぜ、「瘀血」は女性に多い?

女性には月経や出産など、血を消耗する機会が多々あります。また男女の身体的な機能の違いも関係します。女性には骨盤の底に数多くの静脈叢というものがあります。これは妊娠時に多くの血液を循環させて胎児を成長させるために必要な存在で、男性にはないものです。これらの理由により、女性は男性よりも、血の滞りや血の不足など血のトラブルが起きやすいとされています。

また、男性に比べて女性は体温の上昇に大きな役割を果たす筋肉量が少なく、冷えによる瘀血も圧倒的に女性に多く見受けられます。もちろん男性でも瘀血による不調はありますが、その大半は生活習慣やストレスによるものが多いようです。

抗血栓薬を使わずに血栓を予防する方法

現代医学で血栓を予防するには、抗血栓薬を用いて血液をサラサラにする方法があります。しかし、鼻血、皮下出血、貧血、血尿、痔出血、血が止まりにくくなるなど、副作用が出るケースも少なからず見受けられます。また一生涯にわたって内服する場合も多く、合併症の有無によっては他の薬も内服するなど、複数薬が必要となることも珍しくありません。

漢方では血栓と深く関わりのある「瘀血」を改善する生薬として、昔から桃仁、川芎、牡丹皮、紅花、延胡索などが用いられてきました。これらは瘀血を取り除く、つまり血流改善させる活血薬と呼ばれるものです。漢方薬も副作用が全くないということではありませんが、自然の植物などが原料なので、西洋薬よりも穏やかで少ないという特徴があります。また、一つの漢方薬に様々な生薬が使われているので何種類もの薬を飲む必要はないですし、血栓ができにくい身体に根本から体質を改善するので一生薬を飲み続けなければならないわけではありません。

血流を良くする漢方薬の相談・購入したいときは?

漢方薬は病院での処方、ドラッグストアでも購入することもできます。しかし数ある漢方薬の中から自分の体質や症状に合ったものを、的確に選ぶことは容易ではありません。その見極めには漢方の専門知識が必要です。自分に合った漢方薬を見つけるためには、漢方に精通した薬剤師のいる漢方薬局で処方してもらうのがおすすめです。

特に漢方薬を煎じ薬で処方してくれる漢方薬局を選びましょう。煎じ薬は生薬をじっくり煮出すことでその効果を十分に引き出したものです。病院で処方されるエキス剤やシロップタイプよりも高い効果を発揮します。

まずは自宅近くの煎じ薬を処方できる漢方薬局で相談してみるのが良いでしょう。

もし近くに煎じ薬を処方できる漢方薬局がない場合は、私たちなつめ薬局にぜひご相談ください。

なつめ薬局は自社製造した煎じの漢方薬を処方できる、全国でも数少ない薬局です。

私たちは知識・経験を十分に生かした治療を提供するため、カウンセリングを大切にした診療を行っております。漢方治療の経験が豊富な薬剤師が時間をかけカウンセリングを行い、漢方理論に基づき体質に合った煎じ薬を処方します。このような漢方薬を服用することで効果をより実感できるでしょう。

なつめ薬局では対面以外にも電話やオンラインによる診療も行っております。

遠方で来店が難しい患者様もお気軽にお問合せください。

なつめ薬局では漢方薬で血流を良くするお手伝いをするとともに、日頃から血栓ができにくい生活習慣のアドバイスをしています。心身ともに健やかな日々を過ごせるよう、ぜひなつめ薬局にご相談ください。

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