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子どものチック症は治るの?チック治療と“漢方薬”の関係

子どものチック症は治るの?チック治療と“漢方薬”の関係

子ども本人の意志とは関係なく、身体の一部がぴくっとなる、「アッア」など言葉ではない声が出る症状が続くことをチック症と言います。周りが癖だと捉えている場合もあれば、本人もかなり気になる状態など、頻度や程度は様々です。

 

子どもの病気の代表の1つ、チック症にはどのような治療法があるのでしょう。漢方におけるチック症についての考え方や有効性についてもご紹介します。

 

子どものチック症とは

チック症は、4~6歳くらいに発症すると言われている「神経発達症群/神経発達障害群」の1つです。神経発達症群/神経発達障害群とは、自閉症スペクトラムやADHDと同じ「発達障害」に分類されていますが、分類は発達障害のなかの「小児期に発症する他の障害」です。

 

チックを持つ子どもは10人に1~2人くらいと言われ、幼稚園や学校のクラスに数人はいるというほど発症は珍しくありません。特に多いのは6~7歳頃で、軽度な子どもや軽減していく子どもも多い一方で、年齢が上がるにつれて悪化する人や重度の状態が続く人もいます。そのため、早期発見・早期治療は本人のためにも重要です。

 

原因はストレスや不安、葛藤などの結果と言われていますが、近年は脳の機能も関連している研究があるようです。実は直接的な原因ははっきりしていませんが、気にしやすい・感じとりやすい子どもがなりやすい傾向もあると言われています。

 

子どもに限らず、チック症の症状は大きく分けて「運動チック」と「音声チック」の2種類があります。どちらの症状も本人の意志ではコントロールが難しいのです。

 

運動チックとは

顔や首、肩などが無意識のうちに動く症状です。例えば、瞬きを繰り返す、顔をしかめる、首をすくめるなどの動きがあると言われています。

 

特にまばたきが多いですが、白目をむく、横目をする、ぐるぐると目を回すなど、目に関する症状はよくある症状です。子どもによってはわざと楽しくてやる子どももいますが、チックの場合は無意識に症状がでます。

 

音声チックとは

「アア」「ンッ」などの声を出す、鼻を鳴らす、咳払いをする等の症状があります。なかには社会的には良いとされていない言葉を発してしまう(汚言症)子どもや、人の言葉を繰り返す(反響言語)、自分が話した音声や言葉を繰り返す(反復言語)子どももいます。

 

特に汚言症や反響言語、反復言語は複雑チックに分類され、10歳以降に出現すると言われています。また、複数の運動チックおよび1つ以上の音声チックの両方が同時に存在することを「トゥレット症」と言い、「チック症/トゥレット症」と表記されている書籍なども多いようです。

 

チック症の治療法

チックの主な治療法は環境調整と精神療法(認知行動療法やカウンセリングなど)です。例えば、認知行動療法のリラクゼーション法で心身のリラックス状態を目指す、習慣逆転法で誤学習した癖を修正する方法が有効と言われています。親向けに、チック症をもつ子どもへの対応や心理教育も実施している施設もあります。

 

また、西洋薬を処方してストレスの軽減を図る場合もある一方で、子どもの病気は複雑化しているため、西洋医学に基づく西洋薬だけでは対応できないこともあります。

 

そのような理由もあり、病院では西洋薬に漢方をあわせる治療が増えました。その結果、症状が良くなるケースも多く、子どもの病気やチックのようなストレスが原因とされる病気には漢方が効くと期待されています。さらに漢方のみの服用で症状が軽減したケースも増えています。

 

漢方が有効と言われる理由

そもそも漢方とは、東洋医学に基づく薬で中国から日本に伝わってきました。漢方は、人の身体が「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3部構成でなりたっているという考えのもと、このバランスを調整する必要があるとしています。漢方はその人の体のバランス調整の役割を担っているのです。

 

気(き)・・・生命活動を維持するためのエネルギー、基礎代謝に必要な要素。

 

血(けつ)・・・全身に血液や酵素、栄養を運ぶ。ホルモンバランスを整える役割。

 

水(すい)・・・体内に存在する水分(鼻水、尿など)。免疫力と関連。

 

西洋薬は化学合成物質でできた薬である一方で、漢方薬は生薬(しょうやく)でできています。生薬とは漢方の原材料で、主に植物の葉や茎、根などで薬効のある部分を乾燥させたり、蒸したり、切ったりしたものです。漢方は子どもたちの身体が本来持っているはずの機能を高めてくれる効果があります。

 

特に子どものチックに有効な理由は、筋肉の動きにアプローチしてくれること。漢方医学では、筋肉の動きは肝(かん)がコントロールしていると考えられており、漢方はその肝に注目して治療します。

 

チックの症状は筋肉の動きが失われることで発生しているため、漢方を取り入れることで筋肉の動きをコントロールができる点で子どものチックに有効なのです。

 

また、西洋薬の副作用に心配があるご両親にとっても、漢方は安心して使うことができます。漢方は「眠くなる」といった副反応はないため、幼稚園や学校に通っている子どもも服用できます。しかし眠気以外の副作用は、人によってはゼロではないため、専門家に相談しながら子どもに合う漢方の服用をおすすめします。

 

漢方でできる子どものチック症治療

漢方治療は前述のとおり「肝のコントロール」と「機能回復」が治療のメインです。つまり、自然治癒力を高めることが「漢方にこそできる」子どものチック治療なのです。また、運動チックや音声チックの症状緩和だけでなく、漢方を服用することで本来持つ機能が戻ってきます。つまり、子どもが元気になるのです。

 

漢方の考え方では、「血」を補う補血剤は、筋肉の過度な緊張を和らげる役割があります。また、理気薬(りきやく)という精神的ストレスを緩和させるものや、筋肉のけいれんをコントロールする熄風薬(そくふうやく)などもあり、子どものチック治療に必要なものを漢方は持っていると言っていいでしょう。

 

親も子どもも安心して服用でき、症状緩和だけではなく、元気の回復が漢方によるチック治療です。

 

漢方のことなら遠隔相談も可能な「漢方専門なつめ薬局/札幌」に相談

今回は子どものチック治療について、漢方の有効性とともに解説しました。漢方は街のドラッグストアやネットでも売られていますが、一人ひとりの症状に合う漢方を判断することは難しいです。

 

特に子どもは薬が合わない場合も自分では言えない、自分ではわからない場合もあるので、専門家に相談しながら薬を選ぶようにしましょう。

 

なつめ薬局では患者様の状況を丁寧に聞き取りし、根本的な解決に向けた漢方の処方に力を入れています。お近くに相談できる場所がない、仕事や家事の合間を縫って通うことは大変、このような方は遠隔相談も実施する漢方専門なつめ薬局にご相談ください。

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