【漢方と男性不妊/札幌】男性不妊に有効な手段とは

不妊症は女性側だけの問題ではなく、不妊症に悩み治療を受けている方の約半数は男性側にも原因があるとされています。

この記事では、男性不妊の原因や治療法、ご自身でできる養生方法などについてご紹介します。

男性不妊とは

男性不妊とは、不妊症(結婚して避妊せずに1年間子供ができない場合)の中で、男性側に原因がある場合をいいます。
男性不妊の原因は先天性のものと後天性のものがあり、性交障害や勃起不全も含みます。

先天性の原因としては、さまざまな遺伝的要因や発育段階で受けた影響などで性機能不全になるもの、例えば造精機能障害(精子をうまく作ることができない障害で、乏精子症や精子無力症、無精子症など)が挙げられます。

後天性の原因としては、喫煙や飲酒、ストレスや肥満、糖尿病などの病気や薬の影響が考えられます。

では、先天的・後天的に不妊症とされた場合、治療方法はあるのでしょうか。
東洋医学と西洋医学の両方から確認していきましょう。

男性不妊を解消するために|西洋医学とサプリメント

西洋医学で男性不妊を解消するためには、原因に応じて薬物療法や手術を行います。

例えば、造精機能障害の原因が精索静脈瘤だった場合は、手術で静脈を切断します。
薬物療法はサプリメントやホルモン剤などが処方されますが、医学的根拠も高くないため、補助的な役割として使用されます。

サプリメントの活用

不妊に効果があるとされる代表的なサプリメントに、亜鉛があります。
亜鉛は、精子の形成や胎児の発生、小児の成長など生殖能力に必要な成分ですが、体内での生成はできないため食物から摂取することが必要です。

18~74歳男性の1日の亜鉛推奨摂取量は11mgです。
亜鉛は食べ合わせや個人差などにより吸収率が異なるため、食事のバランスが重要となります。

そこで手軽に亜鉛が摂取できるサプリメントが登場します。
サプリメントは亜鉛を効率的に摂取できるかもしれませんが、食事以外の摂取方法では過剰摂取にも気をつけなければなりません。
1日40mgを超える摂取は毒性(吐き気や頭痛、嘔吐や下痢など)が発生する可能性がありますので、十分に注意して服用してください。

また、2013~2017年にアメリカで不妊治療を行っているカップルを対象に、亜鉛と葉酸を含むサプリメントを服用して精子の質や出生率の向上を調査した研究がありますが、サプリメントの効果は認められませんでした。

つまり、亜鉛は生殖機能に必要な成分ではありますが、不妊治療に効果があるとは言い切れませんし、過剰に摂取してしまえば自身の健康も脅かされる可能性があるといえます。

男性不妊を解消するために|東洋医学(漢方薬)と養生

東洋医学では、男性不妊の原因は「腎虚」という状態と考えます。

東洋医学で「腎」とは、性機能や生殖能力の根源があるとされており、腎の力(腎精)は加齢によって自然に減少するものです。
この腎精が過度に不足した状態を「腎虚」といいます。

腎虚といっても、冷えを伴うのか、精子の数が少ないのかなど状況に応じて呼び方も対処法も異なります。
冷えを伴う場合は「腎陽虚」となり、腎の陽気が不足している状態となります。
この状態は、加齢や生活の不摂生などによって体の機能が低下して冷えが発生してなります。

精子の数が少ない、あるいはない場合は「腎陰虚」となります。
人の陰液が不足している状態で、過労や不規則な生活、性生活の不摂生などにより発生します。
陰液が不足すると、のぼせやほてりなどが生じます。

腎のほかにも、血の流れやストレスなどの外的要因、水分代謝の不調などによって原因がありそれぞれに対応した治療を漢方薬で行います。

養生で体を整える

西洋・東洋どちらの治療を受けるにしても、身体に不調を抱えたままでは十分な効果を実感しにくいかもしれません。
まずは、普段の生活から見直して体を整えてみてはいかがでしょうか。場合によってはこれだけで、不妊症の改善につながるかもしれません。

  • サウナは控える
  • 禁煙をする
  • アルコールの摂りすぎに注意する

精子は熱に弱いため、陰嚢は身体の外に出ています。サウナや長風呂で温めるのは精液所見が悪くなりますので、妊活中は控えるようにしましょう。
また、たばこやアルコールも赤ちゃんにとってはよくありませんので、不妊治療を機会に量を減らしていくようにしてみるといいですね。

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