【起立性調節障害治療と漢方/札幌】つらい頭痛で学校に行けなかった中学生の症例

起立性調節障害には漢方薬を使った体質改善が有効です

起立性調節障害とは、起立時のめまいや立ちくらみ・倦怠感・朝の頭痛などを主症状とする自律神経失調症の一種で、小学校高学年〜中学生くらいの思春期前後の小児に多くみられます。

病院では交感神経に働きかける薬が処方されることがありますが、副作用として頭痛や吐き気・発疹などの症状が現れることもあります。
そのため治療を続けたくても続けにくく、どうしたら良いのかお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回の記事は、10代前半の患者様へ漢方薬治療を行い症状が改善された事例を通して、

  • 起立性調節障害に対し漢方薬治療が有効な理由
  • 漢方薬治療で体質改善が行える理由
  • 自分に合った漢方薬局の選び方

についてお話ししていきます。

患者様の事例をご紹介

それでは、なつめ薬局へ来局され漢方薬の服用により症状が改善された患者様の実際の事例をご紹介します。

患者様:10代前半の女児

経緯・経過: 新学期が始まり毎日朝起きることが出来なくなり、登校できても頭痛の症状で保健室へ行っていた。
小児科を受診すると起立性調節障害と診断されたが、処方薬の副作用を不安に思い当薬局へ来局された。
お母様は頭痛と集中力の低下から成績不振となったことを心配されていた。
これらの状況や症状について漢方理論で分析し、漢方薬を選定・服用を始めたところ、2週間後にはお悩みだった頭痛や車酔いなどの症状が改善し不安なく過ごせるようになってきた。
内服し忘れるとイライラや頭痛の症状が出現するものの、内服すると改善された。
効果を実感され服用を続けると、1年後には内服し忘れても不調はなく、学校も朝から登校できるようになる。
また、集中力も出てきて勉学も進み、学校行事にも参加できるようになるまでに改善された。

起立性調節障害は思春期あたりの年頃に起こりやすい病気といわれており、朝方の低血圧や頭痛により学校に登校できなくなる児童も少なくありません。
辛い症状だけでなく、社会生活もままならなくなってしまう姿を見るのは保護者としても心配ですよね。

また、治療を決意し病院からの処方薬を内服しても、今度は副作用で苦しむお子様の姿を見るといたたまれない気持ちになるのではないかと思います。

今回の事例では漢方理論を用い体質を分析し、漢方薬の選定・服用を行なったことで症状の緩和のみならず、体質の改善まで行うことができました。
一体どのようにして漢方薬が効果をもたらしたのか、詳しく説明していきます。

起立性調節障害に対し漢方薬治療が有効な理由

東洋医学では、人体は気(き)・血(けつ)・水(すい)という3つの要素から構成されていると考えられています。
気は生命エネルギーを司り、血は新鮮な酸素や栄養素を全身へ渡し、水は不要な老廃物を排泄するといった役割があります。

また、東洋医学では内臓を五臓(肝・心・脾・肺・腎)に分類します。
肝は生命エネルギーである気の巡りを司る臓器で、自律神経の調整や血液量の調整を行うと考えられており、ストレスの影響を大きく受けます。

今回の症例の女児を体質や状態をもとに漢方理論で分析した結果、肝の機能低下に伴い、気が不足している気虚(ききょ)、血が不足する血虚(けっきょ)という状態が根底にあることが分かりました。
それにより水滞(すいたい)という、体液の巡りが低下する状態が付随して起きていることも明らかになったのです。

気虚は生命エネルギー自体が低下している状態のため、元気が出ない、疲れやすい、虚弱体質といった状態を引き起こします。
血虚は栄養豊富な血液が不足している状態のため、貧血症状、皮膚の乾燥、皮膚や毛髪に艶がなくなる、といった状態を引き起こします。
水滞(すいたい)は体液の代謝が低下するため、倦怠感やめまい・頭痛・乗り物酔いをしやすい・天候による体調変化・軟便や下痢などを引き起こします。

症例の女児の状態に対し、まず肝の機能を助ける漢方薬を使用すると、肝が養われ気が巡るようになります。
また、肝が養われると貯血機能も回復するので血虚も改善されます。
こうして気血水のバランスが整うため水滞も改善され、体内に停滞した毒素が正常に排泄されるようになります。
このような仕組みで起立性調節障害による倦怠感・頭痛・めまいなどの症状が緩和されたのです。

起立性調節障害のような自律神経失調症に対しては、何よりもまず自律神経を調整する肝を養うことが大切です。
肝気を補う漢方薬を用いることで、自律神経や血液を正しく調節できるようサポートします。

こうして起立性調節障害の症状を包括的に治療し、根底から改善することができたのです。

漢方薬治療で体質改善が行える理由

西洋医学では起立性調節障害に対し、血圧そのものを上げる作用を持つ薬を用いて治療を行うことがあります。
これは、自律神経失調症により副交感神経が優位となることで低血圧になってしまう場合に対症療法として用いられますが、低血圧という状態に対してのみ効果をもたらすものとなります。

事例で紹介した女児の場合、お母様は副作用の出現を心配されておりましたが、血圧に作用する薬は頭痛や吐き気・発疹などの副作用を誘発してしまうことがあります。

その反面漢方薬治療では、どうして自律神経が乱れてしまうのか?その原因はどこにあるのか?という根本的な部分から漢方理論で分析を行います。
その結果をもとに漢方薬を選定し服用するので、自分の体質や状態に合った治療を受けることができ、根本的な体質改善に繋がるのです。

自分に合った漢方薬局の選び方

実際の症例を通し、起立性調節障害に対し漢方薬治療が有効な理由について説明しました。
実際に漢方薬を治療をとして取り入れてみたいとお思いになった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

起立性調節障害に用いる漢方薬は薬局や病院・クリニックで手にいれることもできますが、いずれも錠剤や顆粒タイプになります。

漢方薬には生薬を煎じて服用する「煎じ」といわれるタイプのものがあるのですが、煎じタイプの方が生薬の成分を余すことなく取り入れることができるので、より効果を感じやすいものになります。
その際は漢方の理論に基づき、ご自身の体質や起立性調整障害でお困りの症状に適した漢方薬を自社で製造する漢方薬局へご相談されるのがおすすめです。

もしも、近くに相談できる漢方薬局がない、もしくはどこにあるのかが分からないといった場合は、なつめ薬局までご相談下さい。
オンラインツールを使用した遠隔でのカウンセリング・販売も行っております。

なつめ薬局では患者様一人ひとりの状態を聞き取り、体質を漢方理論で分析し、厳選した生薬を用いた漢方薬を自社製造にて行っております。
どうしようもなく辛い朝の症状や病院からの処方薬による副作用でお悩みの方は、ご自身の体質や状態に合ったものを使用し、継続していくことで効果を得ることができるでしょう。

根本的な体質改善を行い、ご自身の持つ力を引き出すことができる漢方をぜひ使ってみて下さいね。

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