子宮内膜症・チョコレート嚢胞と漢方薬|生理痛・妊娠・手術の不安をどう考える?
「生理痛が以前より強くなってきた」
「チョコレート嚢胞があると言われた」
「今は経過観察だけれど、大きくなったら手術と言われている」
そして妊娠を考えている方なら、
「このままで妊娠できるのだろうか」
という不安も出てきます。
子宮内膜症やチョコレート嚢胞の相談では、痛みそのものと同じくらい、「この先どうなるのか分からない」という不安を抱えている方がいます。
治療するべきなのか。
経過を見ていていいのか。
手術を受けた方がいいのか。
妊娠を優先した方がいいのか。
簡単には決められない問題です。
だからこそ、今ある症状だけでなく、これからの生活や妊娠まで含めて考えていく必要があります。
コンテンツ
子宮内膜症・チョコレート嚢胞とは
子宮内膜症は、子宮の内側にある子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所にできる病気です。
卵巣に病変ができ、内部に古い血液がたまって嚢胞になったものを「卵巣子宮内膜症性嚢胞」、一般には「チョコレート嚢胞」と呼びます。
症状としてよく知られているのは生理痛ですが、月経時以外の下腹部痛、腰痛、排便痛、性交痛などがみられることもあります。
そしてもう一つ重要なのが、妊娠との関係です。
そのため、子宮内膜症の治療を考えるときは「痛みをどうするか」だけで判断するのは考えものです。
年齢、症状、病変の場所や大きさ、妊娠を希望しているかなど、いくつもの要素を考える必要があります。
「手術した方がいいですか?」と迷う理由
チョコレート嚢胞が見つかると、
「何センチになったら手術ですか?」
と気になると思います。
実際には、大きさだけで一律に決めるものではありません。
婦人科では、年齢、嚢胞の状態、痛みの程度、妊娠希望の有無などを考慮し、経過観察、薬物療法、手術療法から方針を決めていきます。
痛みが強い、治療をしても症状が改善しない、嚢胞が大きくなっている、破裂や感染が疑われる、悪性腫瘍との鑑別が必要になる。
こうした状況では手術が検討されます。
一方で、特にこれから妊娠を希望している方では、手術について別の視点も必要です。
チョコレート嚢胞そのものが卵巣機能に影響する可能性がありますが、嚢胞を摘出する手術でも正常な卵巣組織に影響し、卵巣予備能が低下する可能性があります。
つまり、
「取ればすべて解決する」
という単純な話でも、
「できるだけ手術しない方がいい」
という単純な話でもありません。
今後妊娠を考えているのか。
今すぐ妊娠を希望しているのか。
痛みはどの程度なのか。
嚢胞はどのような状態なのか。
それぞれによって優先順位が変わります。
妊娠を考えているなら「いつか」ではなく時間軸も大切
30代になり、チョコレート嚢胞を指摘されると、
「まず治してから妊活をした方がいいのだろうか」
と考える方もいます。
ここでも大切なのは、その人の状況です。
子宮内膜症がある人すべてが不妊になるわけではありません。
一方で、子宮内膜症は妊娠のしやすさに影響することがあり、年齢による妊孕性の変化もあります。
そのため、妊娠希望がある場合には「病変がなくなるまで待つ」という発想だけではなく、婦人科や生殖医療の先生と妊娠までの時間軸について相談することも大切です。
特に、
「いずれは子どもが欲しい」
と考えている方にとって、その「いずれ」をいつにするかは身体の治療方針にも関わってきます。
漢方では子宮内膜症をどう見るのか
ここからは漢方の話です。
漢方では、子宮内膜症やチョコレート嚢胞という病名だけから漢方薬を決めること基本的にありません。
月経痛一つを取っても、
月経が始まる前から痛む人。
月経が始まると強く痛む人。
冷えると痛みが増す人。
身体を温めると楽になる人。
月経血に大きな塊が多い人。
PMSが強く、イライラや胸の張りを伴う人。
疲労感や冷えが強い人。
それぞれ身体の状態が違います。
子宮内膜症のような婦人科疾患では、漢方でいう「血」の滞りを見ることは多くあります。
ただ、「子宮内膜症だから瘀血」と一つの言葉で終わらせる(漢方理論の教科書的な考え方)と、その人の身体全体が見えなくなります。
なぜ血の巡りが滞りやすいのか。
身体が冷えているのか。
気の巡りが悪くなっているのか。
身体を支える力そのものが低下しているのか。
水分の偏りがあるのか。
背景まで見ていくことが大切です。
病変だけでなく「その病変がある身体」を見る
婦人科で行われている治療には、それぞれ目的があります。
痛みを抑える。
病変の進行を抑える。
妊娠を目指す。
必要に応じて病変を手術する。
こうした治療はとても重要です。
なつめ薬局では、それと並行して、
「この方の身体は今、どのような状態なのだろう」
という角度から考えていきます。
生理の状態だけで判断はしないんですよね。
冷えはあるか。
疲れやすくなっていないか。
眠れているか。
胃腸の調子はどうか。
むくみはないか。
頭痛や肩こりはどうか。
精神的な緊張が続いていないか。
こうした身体全体の状態を整理して、漢方で何ができるかを考えます。
なつめ薬局が重視している「本治」という考え方もここにつながります。
「このまま進んだら、私はどうなるんだろう」という不安
子宮内膜症やチョコレート嚢胞と診断されて、最初に気になるのは痛みだけとは限りません。
「このまま大きくなったらどうなるんだろう」
「もっと悪くなったら手術になるの?」
「卵巣を取らなければいけなくなる?」
「子宮まで取ることになったら?」
そして妊娠を希望している方なら、
「私はちゃんと妊娠できるんだろうか」
「子どもを望めなくなったらどうしよう」
そんなところまで考えてしまうことがあります。
実際、相談に来られる方は、単に「生理痛を少し楽にしたい」と思っているだけではありません。
この先、自分の身体がどうなっていくのか。
妊娠できるのか。
手術を受けることになるのか。
女性としての身体が大きく変わってしまうのではないか。
先が見えないことそのものが、大きな怖さになっています。
だから私は、子宮内膜症やチョコレート嚢胞の相談を、今出ている症状だけで考えたくありません。
もちろん、将来どうなるかを誰かが簡単に決めることはできません。
ただ、今の身体がどのような状態なのかを整理して、今できることを一つずつ考えていくことはできます。
漢方では、子宮や卵巣だけを切り離して見るのではなく、月経の状態、冷え、疲労、胃腸、睡眠、気持ちの緊張なども含めて、その人の身体全体を見ていきます。
「この先どうなるのか怖い」
そう思っているからこそ、今の身体に対してできることを考えていく。
なつめ薬局では、そのための漢方相談を行っています。
痛みだけでなく「これから」を考えたい方へ
子宮内膜症やチョコレート嚢胞は、生理トラブルの問題として考えにくい病気です。
数年後に妊娠を希望するのか。
今後手術が必要になる可能性があるのか。
現在の症状をどう管理していくのか。
その人の年齢や人生の予定によっても考えることが変わります。
だから私は、
「今どこが痛いですか」
と聞くだけで終わらせたくありません。
現在の身体の状態と、この先どう過ごしたいのか。
その両方を確認しながら漢方を考えていきます。
婦人科で子宮内膜症やチョコレート嚢胞と診断され、治療を受けながらも、
「このままでいいのだろうか」
「妊娠のことまで考えると不安がある」
「身体全体から一度見直してみたい」
と感じている方は、漢方専門なつめ漢方相談ください。

