急な腹痛にふりまわされる生活から卒業!過敏性腸症候群(IBS)は漢方とFODMAPで改善

「過敏性腸症候群はストレスからくるものだというけど、何から改善したらいいのかわからない・・・」
「腸活のために発酵食品を食べているけど、よくなった気がしない・・・」

このようにお悩みの方は、忙しくストレスのかかる現代社会には少なくないでしょう。
排泄に関することなので周りにも相談しにくく一人で悩みを抱えている方は、この記事を最後まで読んでみてください。

結論から言うと、過敏性腸症候群と漢方は相性のよい治療法です。

過敏性腸症候群は、検査しても問題となる異常はないのにお腹に辛い症状が出る病気です。
原因はストレスなどの精神的な影響が大きいと言われていますが、詳しいところは明らかになっていません。
このような原因のはっきりしない不調の改善は漢方が得意とするところです。

東洋医学において体の不調は、体内のバランスが崩れ、五臓六腑がうまく機能しないことで起こります。
体質や生活習慣から自分のタイプを知り、バランスを整えて体調を改善できるのが漢方治療の強みです。
根本の原因を見極めてはたらきかけるので、症状の改善だけでなく体全体の調子を整えることができます。

病院では、便秘には下剤、下痢には下痢止めと症状に合わせた処方をされますが、過敏性腸症候群の下痢と便秘を繰り返す混合型の場合はどうでしょうか。
漢方薬はこのような場合にも症状や体質、生活習慣から証を判断して漢方薬を選ぶので、あなたに合った治療が可能です。

長年、過敏性腸症候群に悩んでいて、腸活のために発酵食品を食べているけれど調子がよくならずに困っているという方もいるでしょう。
実は発酵食品自体が刺激になっている場合もあります。
近年注目されているFODMAPを意識すると改善が期待できるかもしれません。

この記事では東洋医学で過敏性腸症候群はどういうことなのか、生活改善・食事改善のヒントとなるFODMAP、漢方の有効性、について紹介します。

東洋医学で過敏性腸症候群とは?

過敏性腸症候群は、東洋医学では「肝」「脾」「腎」の不調だと言われています。
これらの不調により、体を巡る3要素の「気」「血」「水」のバランスが崩れ、下痢・便秘・お腹の張り・痛みの症状が出ます。

肝:血を作り、気・血・水を全身に必要な分を巡らせるはたらきをしています。
肝のはたらきが低下するとこれらの流れも悪くなるため、腸の動きに影響して下痢や便秘を起こします。

脾:食べ物から気を取り出し、気・血・水を作り出すはたらきをしています。
消化機能が低下すると栄養分の吸収ができず水分がたまってしまい、下痢につながります。

腎:水の代謝、排泄に関するはたらきをしています。
水分代謝機能が低下するため、下痢や便秘になります。

さらに、肝は脾を、脾は腎を抑制するので、肝の不調は体内のバランスに大きな影響を与えます。
東洋医学では、感情による刺激が強すぎても、気・血の流れを悪くすると言われています。
怒りやストレス、睡眠不足などで肝のはたらきが弱ると、不調の悪循環につながるのです。

お腹の不調がストレスからと言われるのは肝のはたらきが関係しているなんて普通は思いませんよね。
体はすべてつながっています。
出ている症状や生活習慣、体質から、「気」「血」「水」のバランスはどうなのか、五臓六腑のはたらきが過剰なのか弱っているのかを判断して、原因の根本からアプローチするのが漢方医学です。
慢性疾患には漢方が有効であると言われるのはこうした理由があるからです。

近年注目のFODMAPとは?

食べたものから体は作られています。

漢方治療の効果を最大限に実感するためにも、食養生を意識することが大切です。
ここでは最近注目されているFODMAPについて紹介します。

  1. FODMAPと腸活の違いはなに?

一般的に腸活とは、腸内環境を整えるために食物繊維やオリゴ糖を食べて善玉菌のエサを増やそうとするものです。しかし過敏性腸症候群の方にとっては、それが腸の刺激になってしまい症状が出てしまうということがあります。FODMAPはそこに注目している食事療法です。以下で詳しく解説します。

FODMAPとは小腸で吸収されにくい糖類のことで、それぞれの頭文字を合わせた言葉です。

Fermentable:発酵性
Oligosaccharides:オリゴ糖類
Disaccharides:二糖類
Monosaccharides:単糖類
And
Polyols:ポリオール(ソルビトール、キシリトールなど)

FODMAPが体に与える影響は以下の2つです。

  • 小腸で分解、吸収されにくいため糖質の濃度を薄めようと水分が集まり、腹痛や下痢の原因となります。
  • 吸収されないFODMAPは大腸で腸内細菌のエサとなり発酵するため、腹部の張りやおならが出やすくなります。

FODMAPが多いものを高FODMAP食といい、腸活にいいとされている納豆やヨーグルト、果物、食物繊維のさつまいもなどが高FODMAP食に分類されます。

腸活は腸内細菌のエサを増やそうとする食事法ですが、過敏性腸症候群の方が高FODMAPの食べ物を摂ると腸内細菌が過剰に発酵させてしまうので、お腹の症状が出やすくなってしまうのです。

オーストラリアでは低FODMAP食は過敏性腸症候群の治療に効果があると証明されています。

2.FODMAPのやり方
お腹の症状を改善するために、FODMAPを多く含む食べ物を制限します。
その後少しずつ食べられるものを探り、規則正しい生活と腸に合う食事をしましょうというやり方が一般的です。
しかし過度な制限はストレスにもつながるため、食事内容とお腹の症状を記録しながら自分に合う食べ物を探すというやり方もあります。

以下に主な食品のFODMAP一覧表があるので、参考にしてみてください。

 高FODMAP食低FODMAP食
穀類パン、パスタ、うどん、ラーメン、お好み焼き、シリアル米、もち、十割そば、ビーフン、オートミール、タコス
野菜いも類玉ねぎ、ニンニク、長ねぎ、にら、アスパラガス、カリフラワー、ごぼう、里芋、さつまいもトマト、カボチャ、大根、なす、にんじん、白菜、ブロッコリー、ほうれん草、もやし、じゃがいも、こんにゃく、しょうが
乳製品牛乳、ヨーグルト、生クリーム、プロセスチーズ、クリームチーズ、アイスクリームカマンベールチーズ、チェダーチーズ、モッツァレラチーズ、パルメザンチーズ
果物柿、桃、りんご、なし、アボガド、さくらんぼ、グレープフルーツ、ドライフルーツいちご、ぶどう、キウイ、オレンジ、レモン、ブルーベリー、パイナップル、メロン
肉類ソーセージ、魚の缶詰肉、魚、卵
豆類大豆、納豆、豆乳、いんげん豆、ひよこ豆、あずき、絹ごし豆腐木綿豆腐、味噌
調味料油脂トマトケチャップ、固形スープの素、はちみつ、濃縮果汁、人工甘味料バター、マーガリン、オリーブオイル、マヨネーズ、塩、しょうゆ、酢、砂糖、メープルシロップ

3.FODMAP食のデメリットはある?
FODMAP食のデメリットは一般的には体によいとされているものも除去することがあるので、栄養バランスが崩れる可能性もあります。
腸に関する症状がある方には効果があるとされていますが、お腹の症状に悩んでいない人が行うと、逆に腸内細菌のバランスが崩れることもあります。

長期間お腹の症状で悩んでいる方は複合的な原因も考えられるので、まずは専門家に相談して症状だけでなく体質や生活習慣を振り返ってみることをおすすめします。

腸が健康になると体調は改善する

東洋医学の視点から過敏性腸症候群とは何か、食事療法の一例としてFODMAPを紹介しました。
悩んでいるお腹の症状に、漢方やFODMAP食は試してみる価値がありそうと感じていただけたと思います。

漢方治療は出ている症状をきっかけに、体質や生活習慣から体をトータル的に判断し、不調の根本原因を見つけて体調を改善する治療法です。

「腸は第二の脳」「腸脳相関」という言葉をご存知でしょうか。
便秘や下痢は単なる症状ではなく、全身の病気につながるといわれています。
腸はただの消化器官ではなく、健康な体を維持する上でとても大切な器官だと認識され始めています。
ストレスが原因とされる過敏性腸症候群ですが、腸が健康になって急な腹痛にふりまわされることが減ると、外出時の緊張感も和らいで、体調も精神的にも安定してきます。

このような心身の健康を手に入れるためには、自己判断をせずに専門家に相談するのが回復への近道です。
過敏性腸症候群によく使われるエキス顆粒剤の漢方薬も市販されています。
効果が出ないと感じられている方は「体質にあっていない」「必要量が足りてない」などが考えられます。
これは症状に合わせて漢方薬を飲んでいるだけなので、本当の漢方治療とは言えません。

効果を感じられる漢方薬の処方は知識がある専門医や薬剤師がしっかりと問診をして見極めるもので、簡易的な体質診断などで判断できるものではありません。

近所にそのような相談をできるところがない、長時間の外出は心配だと思っている方は、漢方専門なつめ薬局にぜひご相談ください。
当薬局では電話やテレビ電話を使った遠隔相談にも対応しています。

なつめ薬局では厳選した生薬から煎じ薬を自社製造し提供しています。
煎じ薬というと自分で煮出して飲むから手間がかかるので続かないと思われがちです。
当薬局では煎じたての有効成分たっぷりな薬液を1回分ずつパックしてお渡しするので、体調が悪くてもすぐに飲むことができる続けやすい漢方薬となっております。
煎じ薬の漢方は添加物なしで消化吸収されやすいので、同じ名称の顆粒・錠剤・シロップタイプの漢方薬と比べると効果がよりしっかりと感じられます。

対処療法ではないご自身のチカラを引き出す本治療法の漢方薬で体調を整え、急な腹痛にふりまわされる生活から卒業しましょう。

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