ホーム / なつめさんの為になる漢方ブログ /

妊活中こそ睡眠が大切!漢方的妊活で心身を整え、子宝に恵まれる体へ

妊活中こそ睡眠が大切!漢方的妊活で心身を整え、子宝に恵まれる体へ

「不妊治療をやってきたけど、治療やスケジュール調整で心身が疲れ切っている…」

「検査をしても異常なしと言われるのに、なぜ妊娠できない?」

このような悩みを抱えて他にできることはないかと考えているご夫婦は多いのではないでしょうか。

妊活しているけれどなかなか妊娠しない方は、睡眠の質や時間に満足していますか?

実は女性の年齢が30歳以上になると、睡眠時間や睡眠の質、睡眠の時間帯は不妊治療成績に影響を及ぼすという研究結果が出ています。

睡眠不足が心身の健康に影響することはよく知られています。妊娠も赤ちゃんを育てる力のある心身があって成り立ちます。

今の心と体の調子はどうですか?赤ちゃんを迎える前に自分の体の声を聞いてみましょう。

この記事では妊活中のご夫婦に参考になる内容として、以下の4つについて解説します。

  • 睡眠の時間・質と妊娠率の関係の研究結果
  • 睡眠の質は卵巣機能に影響する
  • 漢方理論の不妊と睡眠の関係
  • 漢方的妊活で子宝に恵まれる体へ

 

睡眠の時間・質と妊娠率の関係の研究結果

武漢市の華中科技大学の研究グループは、2018年12月から2019年9月までの間に体外受精や顕微授精を受けた1,276名の女性患者を対象として、睡眠の状況と最初の周期の治療成績の関係を調べました。

採卵の日に以下の内容を回答してもらい、その後の培養成績や治療成績との関連が解析されています。

  • 睡眠時間(長さ)
  • 入眠時刻、起床時刻(睡眠の時間帯)
  • 睡眠の質

睡眠時間と妊娠率

睡眠時間は、短くても長くてもよくないようで、7〜8時間程度がよいという結果でした。睡眠時間と臨床妊娠率の相関関係は、30歳以上の女性においてのみ見られたそうです。

7〜8時間の女性を100%とした場合の比較は以下のとおりです。

睡眠時間採卵数成熟卵数
7時間未満88.5%(-11.5%)88.1%(-11.9%)
7〜8時間100%100%

睡眠時間と採卵数・成熟卵数の比較

 

睡眠時間妊娠率
7〜8時間未満100%
9〜10時間未満65%(-35%)

睡眠時間と妊娠率の比較

睡眠の時間帯

睡眠の時間帯も受精率と関係していました。寝ている時間帯のちょうど真ん中の時刻が午前2時21分よりも早いか、あるいは午前3時よりも遅いと、受精率が低くなるという結果でした。

これらの結果を合わせて考えると、夜は10時45分に寝て、朝は6時15分に起きるのがよいということになります。

睡眠の質と妊娠率

睡眠時間と良好胚数や受精率の関連は、睡眠の質が低いと感じている女性だけに相関が見られました。

週に3回以上の寝つきが悪い女性は、成熟卵数が10.5%、受精卵数が14.8%、良好胚数が15.1%少ないという結果も出ています。

 

この研究は同じ東アジアの中国で実施されたものなので、日本人にも参考になる結果ではないでしょうか。

以下は日本女性の睡眠時間に関する調査の結果です。妊活世代の3分の1から半分くらいの人がよい睡眠習慣とは言えない状況です。

年代平均睡眠時間6時間未満睡眠の質がよくないと感じている
30代女性37.7%27.6%
40代女性52.4%30.9%

日本の厚生労働省の国民健康・栄養調査の最新版より

 

研究結果からわかったこと

30代はバリバリ働き、体力もあるので睡眠を削りがちですが、知らぬ間に不妊の可能性が高くなっている女性が多く存在することがわかります。

睡眠時間や入眠時間も大切ですが、妊活に大きな影響を与えるのは睡眠の質です。

注目因子としてメラトニンがあげられます。メラトニンは卵巣機能と関係があり、また睡眠はメラトニンの分泌にも影響するため、睡眠の習慣は卵巣機能に影響があると考えられています。

 

睡眠の質は卵巣機能に影響する

卵巣機能は他の臓器に比べて老化が早く、30代後半からはじまります。さらに、卵巣の老化は体内時計の機能の低下が関わっているという研究結果も報告されました。これはメラトニンの作用が関係します。

メラトニンとは

脳の松果体から分泌されるホルモンで以下のようなはたらきをします。

  • 覚醒と睡眠を切り替えて体内時計を調節する。
  • 抗酸化作用で細胞の新陳代謝を促す。
  • 卵胞内で卵子を保護し、質を改善する。

メラトニンは強い光を浴びると抑制され目が覚めます。目覚めてから約14〜16時間後にまた分泌し始め、眠りを誘う作用があります。

寝る直前のスマホが睡眠の質に悪影響だというのは、ブルーライトの強い光がメラトニンを抑制してしまうからなのです。

さらにメラトニンは加齢とともに減少してきます。朝早く目が覚める、夜中に何度も目覚めるなど、睡眠の質が落ちてしまうのもメラトニンが影響しています。

年齢が高くなるほど睡眠のケアが重要になってくることがわかります。30代からは体内時計を意識して睡眠の質を上げることが大切です。メラトニンの分泌をスムーズにすることは卵巣機能の低下を遅らせることになるでしょう。

具体的なケアの方法は以下のとおりです。

  • 睡眠時間は7時間から8時間、夜は11時前には寝て、朝は6時頃に起床する。
  • 睡眠の質を向上するように寝る前にスマホやP Cを見ず、ゆったり過ごす。
  • メラトニンの生成を促すため、起床後は太陽光を浴びる。

ご自身の生活と照らし合わせてみて、できることから取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

漢方理論の不妊と睡眠の関係

漢方理論では、不妊は発育や生殖に関わる生命力の源と言われる「腎」と、気・血・水をめぐらせる「肝」のはたらきが影響していると考えられています。

また睡眠不足は「気・血・水」のバランスの乱れでも起こると言われています。睡眠不足は腎や肝のはたらきを弱めるので悪循環となってしまいます。

眠るにも体力が必要と聞いたことはありませんか?睡眠には休むための栄養となる「血」とエネルギーとなる「気」が必要です。「気・血」が不足すると疲れているのに眠れない状態になることもあります。

ですので、睡眠習慣の改善と漢方でアプローチすることは妊活に有効なのです。

腎と肝のはたらきと睡眠の影響を詳しく見てみましょう。

腎のはたらきが低下(腎虚)

腎は成長やホルモン分泌、生殖のはたらきをするところで、「精」という生命エネルギーを持っています。

精は生まれたときから持っている先天の精と、食べ物から得られる後天の精があります。ダイエットで栄養不足になってしまったり、忙しい毎日で規則正しい食生活ができていなかったりすると、後天の精が補充できず消耗してしまうのです。その結果、腎のはたらきが弱くなってしまいます。

睡眠不足も精を消耗する原因となります。精が不足すると生殖能力の低下、ホルモンバランスの乱れが起こりやすくなります。

肝のはたらきが低下(肝気鬱滞)

肝には「気・血・水」をめぐらせ、血を貯めるはたらきがあります。ストレスや睡眠不足でイライラすると肝のはたらきを弱めてしまいます。

気・血の巡りが悪くなるため、不眠や月経不順も起こりやすくなります。

漢方薬で「気・血・水」をめぐらせると、睡眠も改善する?

漢方薬は複雑な不調であっても「気・血・水」のバランスを整えて、体調を改善します。そのため漢方薬は睡眠の改善にも効果があります。

睡眠不足が原因なのか腎や肝が弱っているのか、他にも不妊の原因があるかもしれません。そのような場合でも漢方薬で「気・血・水」のバランスが整えば、妊娠できる体の土台ができます。

睡眠習慣の見直しに漢方薬を併用して、妊活の最短ルートを目指してみませんか。

 

漢方的妊活で子宝に恵まれる体へ

妊活における睡眠の重要性と、漢方薬で妊活が効果的な理由を紹介しました。

漢方薬と良質の睡眠でじっくりと体質改善を行うことで、病院の不妊治療で疲れ切った心と体を癒しながら、妊娠力を上げることができそうだと感じていただけたと思います。

最後に漢方的妊活のメリットをまとめました。

  • 病院の治療がつらくお休みしている期間でも妊活できる。
  • 漢方薬を飲むだけなので生活に取り入れやすい。
  • 西洋医学では原因不明の不妊症でも、漢方医学ではいろいろな角度から判断しアプローチできる。
  • 天然の生薬なので妊娠してからも安心で、変化する体に対応できる。

漢方医学は、「気・血・水」のバランスを整え、心身を健康にしようという治療法です。体は常に変化するものとして捉えており、その時の状態に応じて合う漢方を選ぶので、妊娠前はもちろんのこと、妊娠中から産後も続けやすく、健康の維持、増進に役立ちます。

出産後は自分の体を労わる暇はありません。妊活中のうちに自分の体をよく知って整える方法を身につけていきましょう。

漢方治療で気をつけたいこと

漢方治療で妊活しようと思ったら、漢方専門家がいるクリニックや薬局に行きましょう。

その理由は、体の状態を見極めることは複雑な漢方理論の知識の持った専門家しかできないからです。今ある不調や生活習慣、睡眠習慣を聞き取って体質を見極めます。そして体質に合った漢方薬と養生法をアドバイスしてもらえます。

不妊と診断されても、漢方理論でみると思いがけない原因があることがあります。じっくり時間をかけて患者様の状況を把握し、オーダーメイドで煎じタイプの漢方薬を処方してもらえる薬局を見つけてください。

近所にそのようなところがない場合は、私たちなつめ薬局では遠隔相談も受け付けておりますので、ご相談ください。

詳しく聞き取りをして、体の持つ力を自然に引き出せる厳選した生薬から漢方薬を自社製造しています。1回分ずつをパックしてお届けするので、煎じる時間がないとためらっていた方でも続けやすい漢方薬を提供しております。

あなたの妊活を応援するパートナーとなることをお約束します。

【男性不妊】と食事から摂る脂肪の関係

以前、女性ではマグロやイワシなどの魚を食べると血液中にオメガ3系脂肪酸であるEPA・DHAが多く含まれ、結果体外受精での妊娠率が上昇したという研究結果についてのお話ししましたが、実は女性の不妊だけでなく、男性の不妊に関しても食事から摂取する脂肪酸が大きな影響を及ぼしているという海外の研究があるんです。

【妊娠報告】いただきました!

なつめ薬局の漢方を5か月続けてくれた30代の方より妊娠の報告をいただきました!毎度のことながら、妊娠報告は本当に嬉しいですね。体外受精などは実は身体に負担がかかり、かなり消耗してしまうんです。そうなってしまう前になつめ薬局の漢方を始めていただいた事が早い段階での妊娠につながりました!

【季節の変わり目】に弱い方は妊娠しづらいかも!?

「季節の変わり目には体調を崩すし、気分もあまり良くないの。」という方、妊娠しにくいかもしれません。季節の変わり目に体調を崩すのはいろいろな原因がありますが、影響力が大きいのが、ホルモンとも関係の深い【自律神経のバランスが悪い】ことです。

妊活の第一歩!漢方で基礎体温を改善する

妊娠を望んでいるのになかなか恵まれずに不妊に悩んでいる方にとって、基礎体温はとても大切なカラダの情報です。また、さまざまな症状や困りごとをカラダ全体から診る…

【不妊漢方相談】39歳女性の出産報告

40歳を目前にした女性が不妊症の漢方相談にきました。その方は、それまで病院の漢方や他局の漢方を服用し不妊治療していました。漢方服用歴はその時点で4年にのぼります。不妊相談ですが、今回用意したのは不妊に使う漢方ではありません。それでもその方は妊娠し、無事出産までたどり着きました。

一番妊娠しやすいタイミングは【排卵日】。というのは間違いです。

「排卵日」が妊娠できない日、というわけではありませんが、もっとよいタイミングがありますよ。

【症例報告/不妊】低温期なのに体温が高いあなたが不妊である理由。漢方薬でいう陰虚とは?

赤ちゃんを望んで病院で不妊治療もしているのに授からないのは何故なんだろう…?基礎体温は標準より高いけど病院では他に特に問題はないと言われているし…など、悪いところは特に見当たらないし色々頑張っているのに妊娠できないというその不妊体質、漢方薬だったら改善できる可能性があります!今回は漢方薬でいう【陰虚】が原因の不妊でお悩みだった女性のご相談例を一つご紹介します。

【妊活】基礎体温のグラフがガタガタになる!高温期と低温期がない!不妊につながる不安定な基礎体温の原因と改善方法

妊娠しづらい体調のときに現れる「基礎体温がギザギザになる」「高温期がなく、グラフが二相にならない」という基礎体温のグラフの原因や改善方法を知り、身体を妊娠に向けて整えていきましょう。

【不妊/漢方薬局】妊活中の甘いものが妊娠を遠ざける?知っておきたい甘いものとの付き合い方

妊活中に「妊娠するためにはコレがいい!」と言われるものがたくさんあり、さまざまな食品やサプリをとっている方がいるかもしれません。しかし、実は摂らない方が妊娠に近づくものがあり、「甘いもの」はその一つです。精製糖、人口甘味料、黒糖、甜菜糖などたくさんの種類がありますが、身体によいもの、よくないものを知っておくことは妊活にはとても大切です。

30代後半・40代からの【不妊治療】

最近の不妊漢方相談の方々が口をそろえて、「年齢の事があるので焦ってます。手遅れですか?もう無理ですか?何とかなりませんか?」とおっしゃいます。いろいろな情報を目にして、焦りを感じているようですね。妊娠出産は確かに年齢の影響を受けます。でも、何とかなります!が、、あることが必要です。

コメントは締め切りました