札幌の漢方専門 なつめ薬局です。
スギ・ブタクサ・ヨモギ・シラカバなどなど… 花粉症の方は毎年毎年「ああ、今年もこの時期が来たか～」と憂欝になるかと思います。鼻水・鼻づまりに目のかゆみ、涙、くしゃみ… 晴れていても洗濯物は外には干せず、外出時にはマスクが手放せないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、花粉症に影響を与える要因と漢方で考える花粉症についてお伝えします。
花粉症を悪化する要因
昔は今ほど花粉症の患者さんは多くはありませんでした。しかし最近は
- 生活環境の変化
- 食生活の乱れ
- 過剰なストレス
- 慢性疲労や睡眠不足
- 大気汚染や食品添加物
などの要因が人々の体質を変化させ、花粉症を発症してしまう方が増えたようです。
漢方・東洋医学で考える花粉症とは
花粉症は東洋医学では、「水分の循環が悪くなり身体にたまってしまった状態」 と考えます。この状況を漢方では「水滞（すいたい）」や「水毒（すいどく）」などと表現します。
ではなぜ水分が溜まってしまうのか？というと… まず日本は湿気の多い気候なので皮膚からの水分の蒸発が少なく、もともと人々の身体に水が溜まりやすい傾向にあります。そのうえ、最近は「代謝を良くするため！ダイエットに！」と大量の水分を摂取する傾向が見られます。過剰な水分は身体を冷やし、代謝を悪くしてしまう場合があります。代謝が悪くなり、水分排出の機能が低下したところにまた大量の水分を入れると…当然排出が間に合わなくなってどんどんたまっていきます。必要な水分摂取量は個人個人によって違うこと、水代謝が悪い方にとっては、水分摂取が花粉症やダイエットを悪化させることを覚えておきましょう。
そのほかに水分代謝低下の要因として、
- 日々の生活の中でストレスを抱え、うまく発散できない
- クーラーの影響や毎日身体を冷やす食べ物・飲み物を摂取し続けた結果、内臓が冷えてしまっている
- 食事が悪くエネルギーが食事はシッカリとっても不足してしまっている
- 食事はしっかり摂っても胃腸の状態が良好ではなく、消化吸収がうまくいかない為エネルギー不足に陥っている
などなど色々あって、結果身体の正常なバランスが保てなくなってしまい「水分代謝の悪い水の溜まった身体」が作られてしまうわけです。
生活習慣が水滞・水毒に与える影響
改めて先ほど述べた花粉症発症悪化の要因をちょっと振り返りましょう。例えば「食生活の乱れ、添加物の摂取」を例に挙げると、
- お手軽だけれど添加物がいっぱい入ったお惣菜やファーストフード、コンビニ弁当、冷凍食品、インスタント食品などを毎日食べている
- アイスやジュースなど冷たくて甘いものが大好き
このような食生活を続けている方は免疫システムにも狂いが生じてきますので次のようなメカニズムで花粉症を悪化させていきます。
食生活の乱れなどで免疫システムのバランスが崩れ、更に身体に水分が溜まってしまっている人の粘膜に花粉が付着
↓
免疫システムが過剰反応を起こし、本来無害な花粉を「これは有害。排除しなければいけない」と判断
↓
身体にたまった水分を使って押し流したり、体内への侵入を防ごうとしたりする。
その結果が鼻水や涙、鼻づまりなどの辛い症状となって現れてしまうわけなんですね。
抗アレルギー薬などの効果と問題点
日常生活に大きな影響を及ぼす鼻水や涙、これら花粉症の症状は、抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬などで抑えている方も多いと思います。花粉症の症状が抑えられて楽になりますが、
- 一日中眠い
- ボーっとして集中できない
- 口が乾く
- 便秘になる
などの副作用に悩まされている方もたくさんいらっしゃいます。特に眠気に関しては突如発生すると恐れもあり、お仕事で車や電車などの運転をする方にとっては重大事になる恐れがあり、服用自体を制限しなければいけません。眠気以外でも、集中力の低下は仕事や勉強のクオリティも下がりますし、周りからの評価も気になるところです。西洋医学の薬では、鼻水やかゆみなどを引き起こすヒスタミンなど化学伝達物質をブロックすることで辛い症状を抑えています。しかしこのヒスタミン、脳を活性化させる働きもあるので、これをブロックすることで眠気が出たりするのです。
漢方薬と花粉症の根本治療
一方、漢方薬はというと、先ほどの水滞・水毒の状態が、あなたの体の中で、どのように発生するかを分析し、それに応じた漢方薬を服用すると、
- 身体にたまった水分を体外に出す
- 体内の水分の流れを良くする
- 水分が溜まる要因となった身体のバランスの乱れを整える
ように自分自身の力で行えるようになっていけるように体質改善がすすみます。結果として漢方で花粉症の症状を根本から軽減・改善することができるのです。 もちろん、ヒスタミンをブロックするわけではありませんので、眠気や集中力の低下は現れませんので、運転がお仕事の方たちも安心して使用できますし、不要な水分を排出するだけなので乾燥などの症状も無いというのが嬉しい反応です。
花粉症でお悩みならしっかりとした改善を目指すのも選択肢の一つです。その選択肢として漢方薬はお役に立てるでしょう。漢方治療をお考えの方は、他の記事も参考にしながらご検討ください。
