子宮頸がんの再発予防に漢方薬を活用しよう!

子宮頸がんの罹患は、近年20歳代前半から急激に増えています。
早期発見・早期治療で治せる疾患ですが、再発や転移に対する不安がいつまでも残ってしまう方は多いのではないでしょうか。

今回は子宮頸がんの再発予防について、東洋医学の考え方や漢方薬を使った治療方法などをご紹介します。

ぜひ最後までご覧になって、子宮頸がん療養中の参考にしていただければうれしいです。

子宮頸がんの5年生存率と再発について解説

子宮頸がんについて、ステージ別5年生存率と再発したときの注意点について解説します。

子宮頸がんの5年生存率と再発リスク

子宮頸がんのステージごとの5年生存率は以下の通りです。

  • Ⅰ期(がんが子宮頸部にとどまっている状況):95.6%
  • Ⅱ期(がんが子宮頸部をこえて広がっているが、腟壁の下1/3または骨盤域には達していないもの):79.6%
  • Ⅲ期(がんの浸潤が腟壁の下1/3に達するもの、または骨盤壁に達するもの):64.7%
  • Ⅳ期(がんが膀胱や直腸の粘膜を侵すか、小骨盤腔をこえて広がっているもの):26.0%

ただし再発後の5年生存率は上記の値より大幅に低くなり、全体で5%以下とされています。
特に根治させるための手術や放射線治療が行えないケースでは予後不良となります。

そのため、初発の手術後の再発リスク因子(がんの大きさ・組織への浸潤の深さ・骨盤リンパ節転移の有無など)によって、術後の治療方針が決められます。
採取したがん組織を検査してリスクが高いと判断された場合、再発を防ぐ目的で放射線治療や同時化学放射線療法が行われます。

子宮頸がんの再発と注意点

子宮頸がんは一通りの治療が済んでから2~3年以内の再発が多いため、経過観察は頻回で行われます。
通常は手術後1~2年間は1~3ヶ月に1度、3年目は3~6ヶ月、4~5年目は6ヶ月、それ以降は1年ごとに通院の指示があります。
経過観察中には、細胞診検査・腫瘍マーカー検査・胸部X線検査などが実施されます。

子宮頸がんが再発した場合、治療から2~3年後に発症するケースが約75%ですが、なかには5年以上経過してから再発することもあります。
特にがんが進行しているほど再発率が高くなることが分かっています。
骨盤内で再発した場合、以前の治療時に放射線治療を行ったケースでは難治性となります。

子宮頸がん再発時の西洋医学の治療方法

子宮頸がんが再発したときに西洋医学で行われる治療方法について解説します。
再発した部位や状況によって治療方法は大きく異なります。

骨盤内で再発した場合

以前に骨盤内の放射線治療歴があるかどうかで選択できる治療方法が異なります。

これまでの治療で放射線治療を行っていない場合は、放射線治療が推奨されています。
病状によっては放射線治療と一緒に化学療法も行う、同時化学放射線療法が実施されることもあります。

過去に放射線治療歴がある場合は、症状緩和を目的とした化学療法が推奨されます。
病状や患者さんの全身状態などによっては、合併症のリスクを考慮しつつ、放射線治療や手術療法が行われることもあります。

遠隔再発した場合

骨盤外の遠隔再発で多い場所は、傍大動脈リンパ節・脳・骨・肺が挙げられます。
各部位での治療方法は次の通りです。

  • 傍大動脈リンパ節:放射線治療または同時化学放射線療法
  • 脳:放射線治療
  • 骨:痛みをやわらげる目的で放射線治療、症状緩和でビスフォスフォネート製剤または塩化ストロンチウム
  • 肺:1~3個の病巣であれば手術または放射線治療

再発したがんが手術や放射線治療でコントロールできない場合、全身状態が良く臓器の機能に問題がなければ、症状緩和を目的に全身化学療法が行われることがあります。

子宮頸がんの再発を防ぐ東洋医学の考え方

東洋医学の治療原則に「扶正祛邪」があります。
扶正とは、人間が本来持っている自然治癒力があるため、その力を補うことを言います。
祛邪とは、人間にとって害になるものを排除することです。
漢方薬のがんに対する治療は「扶正」を得意としています。

療養中と漢方治療

西洋医学ではあまり重要視されていませんが、東洋医学では本来体に備わっている力を回復させることを一番に考えています。
手術や抗がん剤によって体力が低下してしまい、免疫力や自然治癒力まで弱まることが多く見られます。
以下に療養中に行われる漢方薬の具体的な治療例をご紹介します。

子宮頸がんで手術を受けた後は出血により血虚の証が多く見られ、漢方薬は補血剤を用いて貧血や栄養不良の状態を改善していきます。
また手術で切開した部分の修復を早めるため、駆瘀血剤を使って血液循環を改善し、手術創へ栄養分を届ける治療をしていきます。

体の浮腫など「水」の異常で見られる証は陰虚や水滞が考えられます。
水滞を改善するには利水剤が使われ、水分の偏りを改善したり、余分な水分を排出したりします。
手術後のだるさや気分の不安定は「気」の異常によるとされ、主に見られる証は気虚です。
漢方薬では補気剤を使い、気の量を増やすことで臓器の働きを活発化し気力を回復させます。

抗がん剤の副作用で造血機能障害や胃腸障害、粘膜障害など生じることがありますが、漢方的解釈では気血の消耗、脾胃の失調、肝腎の低下などと考えられています。
これらの治療は補気剤や健胃剤によって体力や自然治癒力の回復を図り、駆瘀血剤で傷ついた組織の修復を早めます。

再発予防と漢方治療

子宮頸がんの一通りの治療が終わっても、がんになりやすい体質は続いている可能性があります。

西洋医学では再発を防ぐために、放射線治療や化学療法など術後療法を行い、体に残っているごく小さながん細胞を排除していきます。

一方東洋医学では、万が一体にがん細胞が残っていたとしても、免疫力や自然治癒力がきちんとあれば再発を防げると考えられています。
そのため、がんになりやすい体質を漢方薬で整える治療を行っていきます。

体の免疫機能で特に関連するのは気・血の異常です。
免疫力の低下について漢方では気虚・血虚と捉えられています。
漢方薬は補気剤・補血剤を使って治療していきます。

がんになりやすい体質は、漢方的解釈で気滞や瘀血といった気血の滞りとされていて、「気血が滞ると百病生じる」とも言われています。
気滞や瘀血が長引くと、自律神経の働きが悪くなり、体の隅々まで栄養や酸素が届きにくくなります。
それにより免疫力や自然治癒力が低下してしまうため、さまざまな病気を発症しやすくなります。
漢方薬で気滞は理気剤、瘀血は駆瘀血剤などが用いられています。

漢方薬の力を活かして子宮頸がんの再発を防ごう

子宮頸がんは早期発見・早期治療で治せる病気です。
しかし一通りの治療が終わっても、ごくわずかながん細胞が体に残っていたり、がんになりやすい体質は続いていたりする可能性があるため、再発してしまうこともあります。

東洋医学では子宮頸がんの再発を防ぐために漢方薬を使って、手術や放射線治療で落ちてしまった体力を回復させて、がん細胞が増えないようにすることを考えていきます。
それに加えて人間が本来持っている免疫力や自然治癒力を高めて、がんになりやすい体質の改善も図っていきます。

がんになりやすい体質や子宮頸がんのステージは一人ひとり異なるため、漢方薬で治療を行いたい場合は以下の2つのポイントに着目してください。

ひとつは患者さんのおかれている状況を的確に把握するため、カウンセリングに十分な時間を取ってくれる医療施設を選びましょう。
その人に合った適切な漢方薬を選ぶために、患者さんの体質を見極めることはとても重要です。

もうひとつは自社製造の煎じの漢方薬を用意できる医療施設を選びましょう。
製品化された錠剤や顆粒剤と比べて有効成分をよりしっかり摂取できます。
また自社製造できる施設では健康保険を利用しないため、保険適用外の薬も多岐にわたって選べます。
そのため一般の医療施設では体に合う漢方薬が処方されなかったケースでも、一人ひとりにぴったり合った漢方薬に巡り会うことが大いに期待できます。

そのような医療施設がお近くにないときは、私たち「漢方専門なつめ薬局」へご相談ください。
なつめ薬局では対面のほかに電話やオンラインによるご相談も受け付けております。

どのような相談方法でも丁寧なカウンセリングを行いますのでご安心ください。
さらに手間のかかる煎じの作業をこちらで行い、一回分ずつパックしてお渡しするので、本格的な煎じの漢方薬をお手軽に飲むことができます。

子宮頸がんの再発予防で何かできることをお探しの方は、ぜひ漢方専門なつめ薬局までご連絡ください。
患者さんの不安な気持ちに寄り添って、体調管理のお手伝いをいたします。

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