【生理トラブルと漢方/札幌】月経随伴症状(月経困難症・PMS)を改善する方法とは

月経随伴症状って何?

みなさんは「月経随伴症状」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

月経中に発生する症状「月経困難症」と、月経前に発生する症状「月経前症候群(PMS)」を合わせて月経随伴症状と呼んでいます。

月経困難症とは

月経困難症とは、月経中に生じる病的な状態のことを指し、いわゆる”月経痛”や”生理痛”がこれにあたります。
症状の個人差は大きいものの、下腹部痛や腰痛、吐き気、頭痛、イライラ、疲労などが主な症状とされています。

月経前症候群(PMS)とは

月経前症候群(PMS)とは、月経3~10日前に生じる症状のことを指します。
こちらも人によって症状は大きく異なりますが、胸の張りやニキビ、頭痛、抑うつ、イライラなどの精神的・肉体的症状が代表的なものとして知られています。

月経困難症、月経前症候群(PMS)はどんな人に起こりやすい?

月経困難症、月経前症候群(PMS)を経験する女性は約90%

研究によると、月経を有する若年女性のうち、90%が何かしらの月経随伴症状を経験していることが明らかになっています(筑波大学 中田教授他)。
うち30%の女性は日常生活に影響があると感じており、月経随伴症状に悩む女性はかなり多いといえます。
月経困難症、月経前症候群(PMS)共にホルモンバランスの変化が原因であることはわかっているのですが、これらの症状が”どのような人”に起こりやすいのかについては、はっきりとはわかっていませんでした。

月経困難症、月経前症候群(PMS)の発生・重症化には生活習慣が影響?

最近の研究で、月経随伴症状の発生や、症状の重さに影響を与える要因が少しずつ明らかになってきました(筑波大学 中田教授他)。
その研究によると、月経困難症の発症に関わる要因として、以下が挙げられています。

  • 20歳以上
  • BMI(体格指数)が18.5未満
  • 月経期間が長い
  • 月経周期が不規則
  • 月経随伴症状の家族歴がある
  • ストレスレベルが高い
  • 睡眠時間が7時間未満
  • 就寝時間が23時01分以降

また、月経困難症を重くする要因として、

  • BMIが18.5未満
  • 喫煙習慣

が挙げられています。

月経前症候群(PMS)の発生については、

  • 喫煙習慣

が関連していることも明らかになっています。

月経困難症、月経前症候群(PMS)を改善するためには?

生活習慣の見直し

月経随伴症状の改善の第一歩としては、月経随伴症状を引き起こし、重くする要因となる日常の生活習慣を変えていくことが大事です。
生活習慣を変え定着させることはとても難しいですが、月経随伴症状を和らげるために最も手軽に取り組める方法でもありますので、是非チャレンジしてみてください。

まず、月経前症候群(PMS)の発生や月経困難症を重くさせてしまう要因として、「喫煙習慣」があります。
現在喫煙している方は禁煙に取り組んでみましょう。
1人で禁煙するのはなかなか難しいこともありますので、病院の禁煙外来などを利用することも検討してみてください。

次に睡眠の改善にも取り組んでみましょう。
睡眠時間は7時間以上確保できていますか?寝る時間は遅すぎていませんか?
7時間以上寝ることができていたとしても、夜更かしせず23時までには就寝できるように、生活のスケジュールを見直してみましょう。
23時というのは、社会人にとっては少し早いかもしれませんが、生活を朝型にシフトすることで余裕を持って一日を始めることができ、月経随伴症状の改善だけでなく生活全般の質の向上が期待できます。

そして最後に、過度なダイエットをしている方はいますぐに控えましょう。
BMI(Body Mass Index)は[体重(kg)]/[身長(m)の2乗]で算出できます。
この値が18.5以上25未満だと「標準型」で最も健康リスクが少ないといわれています。

18.5未満だと低体重(痩せ型)と判断されてしまい、健康に悪影響を与えるとことがあります。
極端に痩せてしまうと月経随伴症状の発生だけでなく、そもそも月経が止まってしまうリスクもありますので注意が必要です。

漢方の活用による体質改善

月経随伴症状の発生には生活習慣の他、月経期間や月経周期など体質に関わる要因も影響しています。
これらの要因については、医療の力を借りながら整えていくことが症状改善への近道となります。

体質改善には西洋薬(一般的な病院で処方される薬)ではなく、漢方薬が大きな効果を発揮します。
西洋薬は症状そのものの改善は得意ですが、その症状を引き起こす大元の原因となる体質を変えることは難しく、薬の服用をやめると症状が再発してしまうことがよくあります。

例えば、月経困難症の主要な症状である月経痛(腹痛や腰痛)を考えてみると、多くの場合は鎮痛剤が処方されます。
この場合、薬を服用している間、腹痛はおさまりますが、薬の効果が切れてくると腹痛も再発してしまいます。

一方漢方薬は一過性の症状の改善ではなく、その症状を発生させる原因を特定し根本から治療します。
症状が同じでも、その症状を引き起こす原因は患者さんによって違うことは多々あります。
漢方の世界では患者さんへのヒアリングをしっかり行い、現在の症状だけでなく過去の病気や現在の生活の様子など、患者さんに関する情報を総合的に聞き取ります。
勿論、舌診(舌をみて健康状態を測ること)などで体の状態も確認します。

再度月経困難症の例でいえば、漢方では血の異常が背景にあると捉えます。
血液が滞っている「瘀血(おけつ)」、血液が不足している「血虚」などの状態を問診や舌診で特定します。
同時に、患者さんの体質(病気に対する抵抗力の強弱、身体の熱の有無や水分循環の滞りの有無)なども診ながら、処方する薬を決めます。

自分の症状や体質に合った漢方薬を飲み続けることは、根本的な体質改善にもつながります。
漢方薬で徐々に身体の中の異常や体質を改善することで、根本的に身体を健康的な状態に導くことができるのです。月経困難症の月経痛でいえば、生活習慣の改善と併せて取り組むことで徐々に症状が軽くなり、やがて月経時に痛みが出なくなることが期待できます。

月経が来るごとに、長期間にわたって頭痛や吐き気、腹痛、イライラ、不安感があると、思うような日常生活を送ることが難しく、それがさらなるストレスを生んでしまっている可能性もあります。
漢方で症状を改善し、快適な日常生活を取り戻すことができる可能性がありますので、ぜひ一度、漢方を取り入れることを検討してみませんか。

月経困難症、月経前症候群(PMS)を改善する漢方はどこで相談・購入できる?

まずはお住まいの近くのクリニックや薬局にご相談を

お住まいの近くで、しっかりとカウンセリングを実施してくれるクリニックや漢方薬局で、お悩みをご相談ください。
最近では、婦人科の中に漢方外来を設けているところもありますので探してみてください。
できれば症状や体質に合った煎じの漢方薬を自社製造で提供しているところが望ましいです。

ない場合にはなつめ薬局にご相談を

そのようなクリニックや漢方薬局がお近くにない場合には、漢方専門なつめ薬局で遠隔相談も承っておりますので、是非私たちにご相談ください。

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