梅雨から夏にかけて、我慢できないかゆみに悩まされている人はいませんか?
普段は症状がないのにこの時期だけはかゆみが出る……良い状態だったアトピーが悪化してジュクジュクする……
そうなると仕事に集中できなかったり、よく眠れず睡眠不足で日常生活に支障が出て困ったりしてしまいますよね。
今回は梅雨から夏にかけて悪化する皮膚炎に悩まされている方に、悪化する原因や対策についてお話していきます。
夏に向けて憂鬱な気持ちを晴らしましょう!
アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎とは?
皮膚の腫れやかゆみなど、似たような症状が出るアトピー性皮膚炎と接触性皮膚炎ですが、どういった違いがあるのかご存じですか?
アトピー性皮膚炎とは、かゆみの原因である皮膚炎が良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性的な皮膚炎のことをいいます。
肌のバリア機能がうまく働いていない人が多く、細菌に感染しやすくなっているので症状が酷くなりがちです。
患者の多くが乳幼児期に発症し、大人になるにつれて症状がおさまる傾向にありますが、個人差があります。
アトピー性皮膚炎は、原因が複雑で特定することが難しく、原因を排除することがなかなか難しいため症状が長引くようです。
さらにアトピー性皮膚炎の患者は、アレルギーの原因物質に働きかけ体を守るIgE値が高く、血液中の好酸球の数も多い傾向にあります。
遺伝的要因も関係していると考えられていますが、そういった傾向の人すべてに症状が現れるというわけではなく、なぜ症状が現れるのか解明されていないのが現状です。
一方、接触性皮膚炎は、通称「かぶれ」といわれている湿疹のことです。
皮膚に刺激物質が触れることにより、触れた部分に水泡や腫れ、赤いブツブツができ、多くは痛みやかゆみを伴います。
しかし接触性皮膚炎の場合は、皮膚炎ができる原因物質を排除することによって比較的早く治ります。
このように、アトピー性皮膚炎は発症時期や完治のしにくさから接触性皮膚炎と区別されますが、実は両者の線引きは曖昧で、医師によって診断が違うこともあるようです。
我慢できないかゆみ!梅雨から夏にかけて悪化するのはなぜ?
なぜ梅雨から夏にかけて炎症が酷くなるのでしょうか?
多くは日差しが強くなり気温と湿度が高くなることによって増加する、汗と紫外線のせいだといわれています。
汗はなるべくかかないにようにすれば良いのかというと、そうでもなく、汗をかくこと自体は肌荒れ解消のためにも推奨されます。
汗をかくことで代謝が高まり、皮脂形成が活発になって健康な肌へと導いてくれるのです。
問題はかいた汗をそのままにしておくことです。
汗をかいたまま放置していると、雑菌が増え、炎症が酷くなりかゆみも増してしまいます。
そのため汗をかいた後はすぐにふき取り、皮膚を清潔な状態にしておくことが大切です。
夏の強い紫外線も皮膚炎悪化の原因になります。
アトピー性皮膚炎の治療法の中には、紫外線を当てて症状の改善を図る「紫外線治療」というものがあります。
過剰な免疫反応を起こす細胞の増殖を紫外線で抑える、効果的な治療法です。
このことからわかるように、適度な紫外線はよいのですが、夏の日差しは強すぎるため注意が必要です。
夏の強い紫外線は、皮膚のバリア機能を破壊し炎症をおこしてしまうので、皮膚に悪影響を及ぼしてしまいます。
そのため日々の生活ではもちろんのこと、日差しが強い日には日焼け対策をすることが大切です。
原因は「湿熱」:漢方からみる夏の皮膚炎
前述したとおり、一般的に梅雨から夏にかけて皮膚炎が悪化する原因は、汗と紫外線にあると考えられています。
しかし、漢方理論から考えられる皮膚炎悪化の原因はそれだけではありません。
漢方では汗や紫外線などの「外的要因」にプラスして、体の中の状態が悪くなっているという「内的要因」も原因のひとつであると考えます。
梅雨や夏などの気温が高くジメジメした季節は、体内に「湿」がたまりやすくなっています。
「湿」とは本来排出されるべき水分が排出されずに、体の中で滞ってしまったもののことをいいます。
「湿」がたまることで出てくる症状として
- 体がだるくて重い
- むくみやすい
- 目ヤニが多い
- 下痢
- おりものが多い
などがあげられます。
また「湿」は粘質で重く、下の方で滞り、取り除くことが難しいので、症状が長引くことも特徴です。
そしてもうひとつ、問題となるのが「熱」です。
梅雨から夏にかけては暑くなってくる季節ですので、体の中に「熱」もたまりやすくなっています。
「熱」がたまることで出てくる症状として
- 発熱
- 乾燥
- 黄色で濃く、粘り気のある分泌物が出る
- 短気
- 高血圧
などがあります。
一見「熱」があれば「湿」を排除してくれそうに思えますよね。
しかし実際は、体の中で水分が熱されてサウナのような状態になってしまっています。
そのため内臓がダメージを受け、気の流れや血流が滞り、ドロドロと停留してしまうのです。
このような状態を漢方では「湿熱」といいます。
「湿熱」状態になると、前述した「湿」と「熱」の症状が混ざり合って出てくるので、より治療が困難になります。
長引く皮膚トラブルにはうんざり…対策には漢方がオススメ!
「湿熱」を取り除くにはどうすれば良いのでしょうか?
湿熱をとるには
- 脂肪分の多い食事や香辛料などの刺激物を控える
- キュウリやトマトなど、体の熱を下げる食材を意識してとる
- 体を動かして汗をかく
- お酒を控える
- 夜更かしをしない
など、生活習慣を改善する方法があります。
しかしこれらは、効果が出るのにとても時間がかかってしまいます。
そこで、不快な症状から早く解放されたい方にお勧めなのが漢方薬です。
余分な水分を排出する生薬や、過剰な熱を取り除き炎症を抑える生薬を組み合わせた漢方を使うことによって、湿熱症状を早く改善することができるようになります。
早速、市販の漢方を買いに行こうと思った方、ちょっと待ってください。
漢方薬は奥が深く、湿熱に効く漢方といっても
- 竜胆瀉肝湯
- 五淋散
- 黄連解毒湯
など、他にもいくつも種類があります。
体力があるか虚弱体質か、どのような症状が強く出ているかで、処方する漢方が違います。
自分に合う漢方薬を判断するには漢方理論を学んでいないと難しいため、自己判断で市販の漢方薬を使っても、思ったように効果が出なかったりしてしまいます。
漢方薬は正しい使い方をすれば素晴らしい効果を発揮できますので、漢方薬を購入するときには一人ひとりの話をしっかりと聞き取り、漢方理論をもとにその方にあった漢方薬を処方してくれる薬局やクリニックに相談することをお勧めします。
そして処方の際には煎じタイプの漢方薬を自社製造で提供してくれるクリニック・薬局であればさらに良いでしょう。
煎じタイプの漢方薬は用意するのに手間がかかるし、人によっては飲みにくいと感じるかもしれません。
しかし顆粒や錠剤・シロップタイプの漢方薬と比べると余計な加工がされていない分、有効成分がしっかり抽出されており、高い効果が期待できます。
漢方薬の効果をしっかりと実感していただくためにも、この2点を基準にご近所で薬局やクリニックをお探しください。
もしご近所にそのようなところが無いという場合には私たち漢方専門なつめ薬局で遠隔相談をしているので、ぜひご相談ください。
当局は患者様一人一人の状況を漢方理論で把握・分析し、その方に必要な漢方薬を自社製造して提供する薬局です。
もちろん漢方薬は厳選した生薬を使った煎じタイプの漢方薬を処方しておりますのでご安心ください。
患者様の悩みに寄り添い、対処療法ではない、ご自身の持っているチカラを引き出す本治療法をすることをお約束いたします。