「人は見た目が9割」という本が100万部以上を売り上げロングセラーとなっています。
それ程までに外見は第一印象に与える影響があるのでしょう。
ある調査によれば「女性のどの部分を見てその人の見た目年齢を判断することが多いですか?」という質問を約1000人にしたところ、男女共に1位は「肌」次いで2位は「髪」という結果になりました。
肌とともにやつれた印象や老けた印象を与えてしまう髪のダメージ。髪のパサツキやうねり、艶が無い、切れやすいなど、年齢を重ねるごとに髪の悩みは増えていきます。
ダメージのある髪は、実は内部がスカスカの空洞化状態になっていることをご存知でしたか?
美髪になるためには空洞化を防ぐことが必要ですが、もしかすると今抱えている髪のトラブルは体の中の問題から来ているのかもしれません。
今回は髪の空洞化と予防方法、東洋医学からみる髪のトラブルとその改善に漢方薬が役立つことについて解説します。
‘髪の空洞化’とはどんな状態?
髪の表面を覆っているキューティクルが傷つくと、内部のタンパク質などの成分が流れ出てしまい髪の中の空洞が多くなります。この髪の内部がスカスカになった状態を‘髪の空洞化’と呼びます。
これまで髪のダメージは表面にあるキューティクルが傷つくことが原因とされてきました。
しかし最近、キューティクルの損傷が原因で起こる髪の空洞化こそがパサつき、うねり、切れ毛といった髪のトラブルの元凶だということがわかってきました。
髪が空洞化する原因
髪が空洞化する一番の原因は摩擦による刺激です。キューティクルが剥がれ、シャンプーのときなどに栄養成分が流れ出てしまいます。
ひとつずつみていきましょう。
シャンプーやタオルなどの摩擦
髪が濡れるとキューティクルが開いた状態となり、その状態で髪をこすり合わせるとキューティクルは簡単に剥がれてしまいます。
シャンプーやシャンプー後のタオルドライは、やり方によっては髪が一気に痛む原因となってしまうため注意が必要です。
髪を乾かさずに寝る
これも上記と同じように、濡れた状態での摩擦が髪にダメージを与えてしまいます。濡れ髪が頭と枕に挟まれた状態で寝返りを打つことで摩擦が生まれ、キューティクルが剥がれてしまいます。
また濡れたまま長時間放置することで雑菌が湧きやすくなり、臭いや頭皮のトラブルの元にもなります。
ドライヤーやヘアアイロンなどの熱
健康な髪でも耐えられる熱は70℃といわれています。ドライヤーの熱は100℃以上あり、ヘアアイロンも160℃以上で使用している方が多いのではないでしょうか。
100℃以上の熱を繰り返し髪に当てることで、髪の内部のタンパク質の性質を変えてしまう現象が起き、髪の空洞化につながります。
特に髪のセットにヘアアイロンを毎日使用している人は要注意です。
その他にも太陽光による紫外線や、カラーやパーマ等の薬剤もキューティクルが痛む原因となります。
髪の空洞化は直せる?
一度空洞化してしまうと元には戻せない
最新の技術では空洞を補修することが少しずつ可能になってきた様です。しかしそれはあくまで補修。栄養成分が失われ空洞化してしまった髪は完全には元に戻すことはできません。
空洞化を防ぐためには
日常生活において髪の空洞化を予防することはできるのでしょうか。
一番はとにかく髪が濡れている時間を少しでも短くすること、そして髪の摩擦を少なくすることが大切です。
タオルドライでは髪をゴシゴシとこすらず、タオルで包み込み上から抑えて水分をとりましょう。
高温のドライヤーを髪に当て続けることは避け、冷風を活用したり60℃以下の低温・大風量の機能があるドライヤーを使用したりすると良いでしょう。
シャンプーは良く泡立てることで、泡がクッションの働きをして摩擦を防ぐことができます。
新しく生えてくる髪は健康な毛髪であるため、以上に注意しこまめにお手入れをしていきましょう。
一方、髪の毛は肌同様に健康状態を反映する要素も持ち合わせており、髪の痛みやトラブルは体質や健康状態が原因であることも考えられます。
年齢に伴う髪のトラブルは、髪への直接的な原因の他に体の内側からくる原因にも着目してみると良いでしょう。
漢方薬の力で髪の健康対策を
病気に対して服用するイメージのある漢方薬ですが、実は髪に対しても良い効果をもたらします。漢方薬は髪のダメージに直接働きかけるのではなく、体の不調に着目して体の内側から整え美髪に導きます。
東洋医学からみた髪のトラブル
東洋医学には「血余」や「腎の華」という髪に関する言葉があります。
「血余」は字の如く血の余りを指します。
血液は全身の臓器に回り栄養分を届け、最後に余った血液の栄養分で髪が育つと考えられています。
言い換えれば、血が不足し全身の血流が悪い状態では、髪まで栄養が行き届かず髪が元気に育たないのです。
「腎の華」とは、髪の健康は腎の働きに左右され、腎の衰えは髪のトラブルとなってあらわれやすいという考え方を表した言葉です。
腎は体の生命力や潤い、エイジングに関わる働きをしており、腎の働きが低下すると抜け毛、白髪、はりやコシのない髪となってしまいます。
髪のトラブルに見られるタイプと漢方薬の作用
・血虚・肝虚タイプ
「血余」に関連したタイプで、全身の血行不良によって髪が細く艶が無い、脱毛、うねりなどがあらわれます。
月経過多やダイエット等によって血液そのものが不足していることが原因です。また血液を貯蔵し全身に送る役割をする「肝」はストレスに弱く、働きが低下すると血の流れが滞り髪にまで栄養が行き届かなくなります。
このタイプの髪のトラブルに対しては、血を増やす作用のある補血薬や、血液を循環させ血行を促進する駆瘀血剤を使用します。また肝の働きを向上させる補肝作用のある漢方薬を用いて全身の血の巡りを改善し、髪に栄養を行き届かせます。
・腎虚タイプ
抜け毛や白髪、髪のボリュームに関するトラブルと関係が深いのが腎虚タイプです。
東洋医学における「腎」は生命力の源であり、腎の働きは成長・発達・生殖をはじめ、肌や髪のエイジングにも深く関わっています。
先に述べたように「腎の華」は髪にあるといわれ、しなやかで弾力のある髪は腎の働きを良くすることで発現します。
しかし加齢により腎の働きが低下することで、健康な髪も衰えてしまいます。
このタイプに対しては、腎の働きを向上させる補腎薬を用いて健康な髪を取り戻します。髪だけでなく、肌の老化や耳の聴こえ、足腰の動きなど加齢に伴う不調を改善するのにも役立ちます。美容面だけでなく、加齢に伴う全身の不調に対しても腎を補うことは大切です。
体を整えることから始まるヘアケア
以上のように、漢方薬はまず健康的な体を作り上げ、その上で髪にアプローチしていきます。体が十分に健康であることで豊富な栄養が髪に届けられ、黒々とした艶やかな髪を生み出すのです。
市販のトリートメントやヘアパックでお手入れをするのも良いですが、それらのケアで効果を感じられないときには体を整えることにも目を向けてみましょう。
髪が抱えるトラブルを根本的に解決するためには、漢方薬の力で体の内側から改善していくことが大切です。
漢方薬は髪にはもちろん、全身のエイジングケアにも効果を発揮します。
内臓の機能や足腰、肌から髪の毛の先まで、年齢に負けない若々しい体を作り上げることができるでしょう。
美髪を作る漢方薬を購入するには
漢方薬が病気に対してだけでなく、美容面でも効果があることを知り驚かれた方もいるでしょう。普段の髪のお手入れに加えてぜひ漢方薬を取り入れてみてください。
髪の悩みに漢方薬を取り入れてみたいときはどうすれば良いのでしょうか。
まずは自宅の近くにある漢方薬局で相談することがおすすめです。
漢方薬局には漢方に精通している薬剤師がおり、一人ひとりの体質に合わせた漢方薬を選定します。その際、煎じ薬で処方してくれるかを確認しましょう。
煎じの漢方薬は生薬をじっくり煮出した液体で、体内に吸収されやすく効果効能が一段と高くなります。
もし自宅近くに煎じの漢方薬を処方できる漢方薬局がない場合は、ぜひ私たち「漢方専門なつめ薬局」にお問い合わせください。
なつめ薬局は全国でも数少ない煎じの漢方薬を自社製造している薬局です。時間をかけて患者さんの不調を聞き取り、体質に合わせて厳選された生薬を調合した漢方薬を処方します。もし来局が難しい場合は、電話やオンラインによる遠隔相談も可能です。完全予約制となっていますので焦らずゆっくりと相談していただけます。
いつまでも若々しい艶やかな髪。漢方薬によるサポートで実現してみませんか?