【子宮筋腫はどんな病気?その治療方法とは?】
漢方薬局勤務の薬剤師:藤本です。
妊娠を目指しているけど、中々うまくいかない…
立っていられないくらい生理痛が酷くて、仕事や日常生活にも支障が出ている
経血量が非常に多く、毎月毎月横もれ・後ろもれには気を使うし、本当に大変
貧血気味で眩暈や立ちくらみが多く、疲れやすさを感じている
腰痛があるため整体に行くけど全然改善しない
そんな症状で婦人科にかかった時や、普段は無症状で過ごしていたけど子宮がん検診を受けた際に指摘される事が多いのが【子宮筋腫】です。
今回の記事は、子宮筋腫の種類や症状及ぼす影響と、漢方・中医学の活用についての記事になります。
【子宮筋腫の原因と症状】
この子宮筋腫ですが、西洋医学的には残念ながらはっきりとした原因は未だ不明です。
子宮筋腫で起こり得る症状として、
- 子宮内膜の変形による不妊症、早産・流産
- ナプキンの交換が頻繁で、レバー状血の塊が多く出る過多月経
- 生理の期間が8日以上続く過長月経
- 動悸、息切れ、眩暈や疲れやすさを伴う貧血
- 子宮内部の圧迫によるひどい生理痛
- 骨盤神経の圧迫による腰痛、下腹部痛
- 直腸圧迫による便秘
- 膀胱やその周囲の圧迫による頻尿、排尿困難
- 多発筋腫で大きくなった子宮や、子宮筋腫がお腹を触ることによって感じられる腹部腫瘤蝕知
- 漿膜下筋腫が捻じれた場合の発熱・疼痛
などなど、日常生活に多大な影響を与える症状が出てきます。
【子宮筋腫とはそもそもどのような物でしょうか?】
女性特有の病気である【子宮筋腫】ですが、これは子宮の外側または内側、子宮の筋肉の中などに発生する良性の腫瘍です。
良性であるため、命に係わる事は殆どありませんが、不妊の原因の1~2%を占めています。
更に流産・早産の原因となる場合もあるので、妊娠・出産を望む女性にとっては無視できないものとなっています。
子宮筋腫は卵巣から分泌される女性ホルモン・エストロゲン(卵胞ホルモン)により大きくなり、エストロゲンの分泌が減少する閉経後は小さくなる傾向にあります。
エストロゲン分泌が盛んな30代以降に増加し、小さいものも含めると30代以上の女性の20~30%、月経のある女性の4人に1人が発症すると言われています。
発症頻度の非常に高い病気です。
【子宮筋腫の種類による症状の違いは?】
子宮筋腫は以下の3種類が混在することがあります。
発生部位によって現れる症状や、妊娠への影響が異なります。
【粘膜下筋腫】
- 子宮の内側にあって、不正出血や不妊症の原因となる(子宮内に突出しているため内膜がボコボコとしてしまい、受精卵が子宮に着床しにくくなる。
その為、粘膜下筋腫を切除すると妊娠率が改善する) - 他の部位の筋腫と比べ、大きさが小さくとも月経痛や過多月経、過長月経などの症状が強度となり、貧血になりやすい
【漿膜下筋腫】
- 子宮壁の最も外側にあって、大きくなるまで症状が乏しい
- 大きくなって子宮から突出し、茎部がねじれると激痛を起こす可能性がある
- 妊娠への影響は少ない
【筋層内筋腫】
- 子宮の筋肉の中にあって、小さければ無症状
- 子宮筋腫のうち大きな割合を占める
- 大きくなると不正出血や早・流産の原因となる
【瘀血や子宮筋腫に対する漢方・東洋医学的な捉え方】
漢方理論・中医学・東洋医学において子宮筋腫は「瘀血」と呼ばれる状況が関与しています。
ですので、瘀血と、それに付随する状況を改善することで、子宮筋腫も改善できると考えています。
子宮筋腫は、
エストロゲンの分泌自体は20代から既に盛んになっています。
ですが、子宮筋腫と診断される方は30代以降に増加しています。
では、なぜ30代から増えるのか?
それは、子宮がん検診を受けられる方が多くなり、その際に発見されるケースが多いというのもあるでしょう。
例えば
ケーキやクッキー、ジュースにアイス…種類も豊富で、それぞれが非常に美味しい。
でも、実はこれらには身体を冷やしてしまう性質があるのです。
SNSの普及で、より情報と言う名の誘惑が身近になり、更に自分も情報を投稿し、発信するために積極的に身体を冷やすお菓子や飲料水を摂り続ける。
そのような状態で社会に出て、仕事でのストレスを抱えるようになり、じわじわじわじわとダメージが蓄積し身体に影響を及ぼし始める。
内臓が冷え、血流は徐々に悪化し(瘀血)、30代になって子宮筋腫を発症する。
またはその症状が強く現れてくる…。
甘くて美味しいものが持っているのは、残念ながら将来発動する大きな罠です。
美味しい思いをして楽しんでいた当時には影響は現れなかったけれども、年齢を重ねる毎にじわりじわりと密かにダメージは蓄積していきます。
そして出来上がったのが、“瘀血の状態を抱えた子宮筋腫のできやすい身体”です。
そして更に、その瘀血と呼ばれる血行障害で子宮や卵巣の血流が悪くなれば、栄養が行き渡らず卵の質が悪くなったり、卵胞の育ちが遅くなって無排卵になる可能性もあります。
その為、瘀血の状態が続くことは、これから妊娠・出産を目指す方の身体にとって非常に好ましくない状況なのです。
如何でしょうか?
勿論、他にも様々な要因で瘀血は発生しますし、上記は一例ですが、身に覚えのある方は多いのではないでしょうか。
既に出来てしまった子宮筋腫を手術にて外科的に排除したとしても、筋腫のできやすい瘀血の状態が改善するわけではないので、再発の可能性は大きいです。
それで手術に踏み切れないという方もいらっしゃいますが、貧血や激しい生理痛を、鉄剤や鎮痛剤で閉経までごまかして生活を続けるのは大変です。
手術を選択した方にとっても、そうでない方にとっても、大切なのは子宮筋腫のできやすい体質を変える事、です。
瘀血を改善しないことには手術で根治させたとしても、再発の危険性は閉経まで付きまといます。
食生活を改善する、運動を習慣づけることでも体質は変わっていきますが、それだけではやはり長い時間が掛かります。
新しい子宮筋腫を生じさせない為の身体作り、今ある子宮筋腫をこれ以上大きくしない為の身体作りは漢方薬を服用することで可能となります。
漢方薬で瘀血と、それに関係する状況を改善し、
- 妊娠・出産の可能性を高めたい
- 生理痛や腰痛など痛みに悩まされず生活したい
- 貧血・疲れやすい身体とお別れして元気に活動したい
そんな思いを抱えている方は、煎じタイプの漢方薬、特に自社製造で煎じ漢方薬を提供している専門施設にご相談されるといいでしょう。
漢方薬の特徴は、下記のリンク先の記事でも詳しく紹介しています。参考になさってください。