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【高齢者と漢方】親が小さい・痩せた・弱ってきたと感じたら|食欲・ふらつき・体力低下とフレイル

「最近、母があまり食べなくなった」

「父が以前よりふらつくようになった」

「病気は落ち着いているはずなのに、なんとなく元気が戻らない」

高齢のご家族について、このような相談を受けることがあります。

一つひとつを見ると、年齢による変化にも見えます。

ところが、食べる量が減った、体重が落ちた、歩くのが遅くなった、外出しなくなった、横になっている時間が増えた、といった変化が重なっている場合、身体全体の力が落ちてきている可能性も考えてみる必要があります。

そこで知っておきたいのが「フレイル」という考え方です。

フレイルとは「元気」と「介護が必要な状態」の間

フレイルは、加齢に伴って筋力や心身の活力が低下してきた状態を指します。

日本老年医学会では、健康な状態と要介護状態の間に位置する段階として捉えています。身体の問題に加えて、認知機能や気分などの心理面、人とのつながりなど社会面まで含む概念です。

そしてフレイルには、早い段階で状態を把握し、食事や運動、生活環境などを見直すことで、機能の維持や改善を目指せる余地があります。

「もう年だから仕方がない」と考える前に、今起きている変化を一度整理してみる意味があります。

家族だから気づける「以前との違い」

フレイルの評価には、体重減少、筋力低下、疲労感、歩行速度、身体活動といった項目が使われています。

2020年に改訂された日本版CHS基準では、これら5項目から身体的なフレイルを評価します。

ただ、ご家族が毎日握力や歩行速度を測る必要はないと思います。

私はむしろ、

「去年より食べなくなったな」

「歩くのが遅くなったな」

「以前なら出かけていたのに、最近は家にいることが増えたな」

「少し痩せたように見えるな」

という、以前との違いを見てほしいと思っています。

久しぶりに実家へ帰ったときに、「親が少し小さくなったように見えた」と感じることがあります。

こういう家族の感覚は、身体の変化を考える入口になります。

食べられないことから身体全体が弱っていくこともある

高齢になると食欲が落ちる理由も一つではありません。

噛む力や飲み込む力、味覚や嗅覚の変化、胃腸の働き、持病、薬の影響、活動量の低下など、さまざまな要素が関係します。国立長寿医療研究センターでも、高齢者の食欲低下には複数の身体的・機能的要因が関係すると説明されています。

食べる量が減れば、身体を維持するための栄養も不足しやすくなります。

体力が落ちて動かなくなる。

動かないから筋力も落ちる。

活動量が減れば、お腹も空きにくくなる。

さらに食べる量が減っていく。

高齢者では、こうした変化が互いに影響して循環していくことがあります。低栄養はフレイルにつながる要因の一つとして厚生労働省も注意を促しています。

ですから、「食欲がないから食欲だけを見る」という考え方では、身体で起きている変化を捉えきれないことがあります。

急に弱ったときには、まず原因を整理する

高齢者の食欲低下や体重減少、ふらつきには、病気や薬の影響が関係している場合もあります。

特に意図しない体重減少については、背景に病気が隠れている可能性もあるため、原因を確認することが必要です。

一方で、検査や治療を受けても、

「病気は落ち着いているのに元気が戻らない」

「食事量が以前まで戻らない」

「入院をきっかけに一気に弱った」

という方もいます。

私たち漢方専門薬局には、こうした段階でご家族から相談が来ることも少なくありません。

漢方では「何の症状か」より、今どれくらい身体の力があるかを見る

漢方では、高齢の方の食欲不振、ふらつき、疲労感をそれぞれ切り離して考えるより、身体全体で何が起きているのかを見ていきます。

食べたものを身体の力に変える働きはどうか。

身体を動かす力が残っているか。

冷えはないか。

水分の巡りはどうか。

睡眠は取れているか。

便通や排尿はどうか。

気力が落ちていないか。

それまでの病気や治療で、身体にどのくらい負担がかかってきたのか。

こうした情報を重ねながら、その方の今の状態を考えていきます。

なつめ薬局が本治を重視している理由もここにあります。

ふらつきがあるから「ふらつきの漢方」、食欲がないから「食欲の漢方」と決めるのではなく、なぜ複数の変化が同じ時期に起きているのかを考えます。

「まだ生活できている」時期に考えてほしい

高齢の方の相談を受けていて、私が最近よく感じることがあります。

もう少し早い段階で相談してもらえたら、ということです。

食べる量がかなり減り、体力も落ち、漢方薬を飲むこと自体が負担になっている方から相談を受けることもあります。

高齢になるほど、一度大きく体力を落としてから元の生活へ戻るには時間がかかります。

だから私は、

「まだ自分で生活できている」

「一応食事は取れている」

「病院にも自分で行けている」

という時期を大事にしてほしいと思っています。

以前より食事量が減った。

歩く速度が落ちた。

ふらつくようになった。

外出することが減った。

何となく元気がない。

一つだけなら小さな変化に見えても、いくつか重なってきたら、身体全体を一度見直してみるタイミングかもしれません。

高齢のご家族について気になっている方へ

「本人は大丈夫と言っているけれど、以前とは少し違う気がする」

高齢のご家族についてお問い合わせをいただくと、こうした話をよく伺います。

以前より食べなくなった。
少し痩せた。
疲れやすくなった。
ふらつくことが増えた。
外に出なくなった。

一つひとつは小さな変化に見えても、いくつか重なってきたときは、身体全体の力が落ちてきているサインかもしれません。

本人は「歳だからこんなもの」「いつもどおりだ」と考えていることもあります。そんなときこそ、ご家族から見て感じている変化を一度伝えて、これからの身体について話してみてください。体調にたいしては「大丈夫」と答えていても、「周りに迷惑をかけたくない」というお気持ちを持ってることがほとんどです。

周りに迷惑をかけないために、本人の感覚、今の状態、周りからはこう見える、何をどうしていくか。を話し合ってほしいんですね。

漢方では、食欲やふらつきといった一つの症状だけを見るのではなく、体力、胃腸の働き、睡眠、冷え、水分の巡り、これまでの病気や治療などを含めて、今の身体全体を見ていきます。

まだ食べられる。
まだ歩ける。
まだ自分のことができる。

その時期だからこそ、漢方で身体を支えていける余地があります。

「最近、親が少し弱ってきた気がする」

そう感じているなら、一度ご家族で話し合ってみてください。漢方でできることがあるのか気になる場合は、漢方専門 なつめ薬局へお問い合わせください。

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