手術だけじゃない?!脊柱管狭窄症の治療に漢方を活用しよう!

脊柱管狭窄症で保存療法を続けていても痛みや痺れの改善がみられず、手術しか方法がないと考えている方は多いのではないでしょうか。
発症は50歳代以降の中高年に多いため、手術を受ける場合は合併症など不安が大きいと思います。

脊柱管狭窄症のような長引く痛みや痺れについても、漢方では発症の根本がどこにあるのか追求し、体質から改善を図るのを得意としています。
今回は脊柱管狭窄症になぜ漢方治療が有効なのか、東洋医学からみた捉え方や症状に対する漢方薬の治し方を解説します。

ぜひ最後までご覧になってください。
脊柱管狭窄症のつらい痛みや痺れを改善するための参考になればうれしいです。

西洋医学からみた脊柱管狭窄症とは?

まず脊柱管狭窄症について一般的な西洋医学の視点から、原因やよく見られる症状、治療法などを確認していきましょう。

脊柱管狭窄症の原因と症状

脊柱管狭窄症は、背骨のなかにある脊柱管という神経の通り道が、何らかの圧迫により狭くなる病気です。
脊柱管を構成している骨や靱帯、椎間板が変形・変性して、脊柱管に飛び出したような形になり、神経を圧迫してしまうことで起こります。
また脊椎すべり症という、背骨がずれてしまうことも原因の一つです。

脊柱管を構成している骨・靱帯・椎間板の変形や変性は加齢により生じやすく、脊柱管狭窄症の発症は50歳代から増え始め、60~70歳代に一番多く見られます。特に脊柱管のなかでも頸椎や腰椎に症状が起こりやすいと言われています。

脊柱管狭窄症では以下の症状がよく見られます。

  • 初めは手足に痛みや痺れが出て、進行すると体が動かしにくくなるなどの症状が出てくる
  • お尻から太ももの裏、ふくらはぎにかけて痛みや痺れがある
  • シルバーカーを押すなど、前かがみの姿勢であればわりと楽に歩ける
  • 腰の痛みはそれほど出ないが、下肢の痛みや痺れがひどい
  • 痛みや痺れが出るため歩くのはつらいが、自転車は普通に乗れる
  • 直立していると痛みや痺れが出てつらい
  • 間欠跛行が見られる(歩くとお尻や足に痛みや痺れが出るが、休むと楽になる。
    再び歩き始めると、また痛みや痺れが出て歩けなくなる、この動作をくり返す。)

西洋医学における脊柱管狭窄症の治療方法と問題点

西洋医学では脊柱管狭窄症についてどのような治療が行われるのでしょうか。
また問題点についても見ていきましょう。

脊柱管狭窄症と診断されると初めは保存療法で経過観察します。
保存療法には、薬物療法やブロック注射などがあります。

薬物治療では、痛み止めや血管を広げて血流を改善する薬が使われます。
ブロック注射は、強い痛みを起こしている神経の周りに直接薬を注入します。
痛みや炎症を抑えるだけではなく、敏感になっている神経を落ち着かせて症状を起こりにくくする効果もブロック注射にはあります。
また腰部の脊柱管狭窄症であればコルセットが使われたり、リハビリテーションを行ったりします。

保存療法を行っていても強い痛みが増したり、運動機能障害がひどくなったりする場合は手術が提案されます。
脊柱管狭窄症で行われる手術は2つあります。
1つは脊柱管を圧迫している骨や靱帯などを切除し患部を広げて神経の圧迫を減らす手術、もう1つは脊柱管を広げた後にボルトなどで背骨を固定する手術です。

手術による改善率は一般的に7~8割程度と言われ、手術が成功しても生活習慣や体質により再発してしまうケースもあります。また神経を圧迫していた期間が長いと、術後も痺れの症状が残ってしまうこともあります。

脊柱管狭窄症における西洋医学の治療は「対症療法」が基本になっています。
例えば痛みであれば、薬や手術で直接症状を取り去る治療が行われます。
出ている症状のみに対処して、病気を引き起こす根本にはアプローチできていないため、時間が経つとぶり返したり、症状が治りきらなかったりするケースがよく見られます。

脊柱管狭窄症に漢方が効くのはなぜ?

東洋医学では西洋医学と異なり、脊柱管狭窄症の痛みや痺れが起こる原因を追求し、根本から体質を改善していく治療が行われています。
次は東洋医学からみた脊柱管狭窄症の考え方や漢方薬の治療について見ていきましょう。

東洋医学からみた脊柱管狭窄症の捉え方

脊柱管狭窄症による痛みや痺れの原因は、東洋医学では気(エネルギー)・血(血液や養分)・水(生命を維持する液体)の流れや量によるものと捉えられています。

「不通則痛(通ざれば則ち痛む)」という理論があり、気・血・水のどれかに滞りがあると痛みが生じると言われています。
また「不栄則痛(栄えざれば、すなわち痛む)」という説では、気・血・水が十分に届かないと、組織の働きが衰えて痛みや痺れが生じると考えられています。

さらに気・血・水の不調が長引くと「久病及腎(久病が腎に及ぶ)」という状態になり、五臓の「腎」にも不調が現れます。腎には「骨をつかさどる」という特徴があるため、腎が不調になると骨が変形したり、もろくなったりして、痛みが出ると言われています。

脊柱管狭窄症に対する漢方薬の治し方

脊柱管狭窄症でよく見られる証と漢方薬での治し方について解説します。

  • 血瘀(けつお)
    血の流れが滞っている状態です。
    神経や筋肉へ血液や栄養が行き届かないため、痺れや痛みが出ています。
    血の流れを改善する漢方薬を用いて治療していきます。
  • 腎虚(じんきょ)
    気・血・水の不調が長引いたことで、腎が失調を起こした状態です。
    腎は骨の維持に関係しているため、失調すると骨の変形や痛みが生じます。
    漢方薬は腎を補うものを使います。
  • 寒痺(かんぴ)
    寒邪により気・血が滞った状態です。
    体の同じ部位に激痛が起こります。
    気温の寒い日や冷房が効いている冷えた場所で症状が悪化し、お風呂に入るなど温まると楽になるのが特徴です。
    寒邪を取り除く漢方薬が使われます。
  • 湿痺(しっぴ)
    水が滞った状態です。
    鈍い痛みが体の同じ箇所に現れ、重だるさや動かしにくさも伴います。
    湿度の高い季節や気圧の変化で症状が悪化しやすく、動き始めに痛みが出るのが特徴です。湿邪を取り除く漢方薬を用いていきます。

脊柱管狭窄症のつらい痺れや痛みには漢方薬が役に立つ!

脊柱管狭窄症は、脊椎の骨・靱帯・椎間板が変形や変性を起こして脊柱管の通り道が狭くなるため、神経を圧迫してしまい、痛みや痺れが生じる病気です。
痛みや痺れを取り除くために、薬・注射・手術などの一般的な治療を行っても、症状の改善が見られないケースはたびたびあります。

東洋医学では、脊柱管狭窄症の痛みや痺れは何が原因で生じているのかを突き詰めて、失調した部分を整える治療が行われます。
同じ脊柱管狭窄症と診断された人でも発症した原因はそれぞれ異なるため、漢方薬は一人ひとりの状態に合わせて選びます。
病気の根本から改善を図るため、漢方薬の治療は効果を実感しやすいのです。

脊柱管狭窄症で漢方薬を希望する場合は、原因の見極めがとても重要なので、カウンセリングに力を入れている医療施設を選びましょう。
病名や見た目の症状のみで判断してしまうと、体質にあった漢方薬が処方されない可能性があるので注意が必要です。
また脊柱管狭窄症の痛みや痺れはしぶといため、薬効成分が十分に含まれた自社製造の煎じタイプの漢方薬を用意できる医療施設が良いでしょう。

お近くにそのような医療施設がなければ、ぜひ漢方専門なつめ薬局へご相談ください。

当薬局では対面のほかに電話やオンラインによるご相談も受け付けております。
どのような相談方法でも時間をしっかりかけて丁寧なカウンセリングを行いますのでご安心ください。
またご希望に応じて煎じの作業を薬局で行い、お薬を一回分ずつパックしてお渡しするため、本格的な煎じの漢方薬を手軽に飲むことができます。

脊柱管狭窄症で保存療法を続けていても痛みや痺れでお困りのときは、漢方専門なつめ薬局までご連絡ください。
症状の改善へ向けてお手伝いいたします。

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