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女性の20人に1人はなっているといわれる多嚢胞性卵巣(たのうほうせいらんそう)。
排卵がうまくいかないため、不妊の原因の一つです。
また、子宮体がんのリスクが高まることも知られています。
超音波検査をして、多嚢胞性卵巣だといわれた方もいるのではないでしょうか。
多嚢胞性卵巣とはどういう状態なのか、治療にはどういったものがあるのかについてご紹介します。
【多嚢胞性卵巣とは】
ホルモンの乱れが原因で、卵胞が発育するのに時間がかかり、なかなか排卵しない疾患を多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)といいます。
通常は、卵巣のなかで1つの卵胞が大きくなり、約28日に1つずつ卵巣の外に出ていきます(排卵)。
しかし多嚢胞性卵巣の場合、すべての卵胞が1センチメートルくらいまでしか成長せず、排卵しないで卵巣中に残ります。
このとき同じくらいの大きさのたくさんの卵胞が、卵巣の壁にそって一列に並んでいます。
一列に並んだ状態がネックレスのように見えることからネックレスサインと呼ばれ、多嚢胞性卵巣の特徴として知られています。
また、卵巣の表皮が硬く厚くなってしまうのも特徴です。
皮が厚いと卵胞が外に出づらく、排卵障害となります。
卵巣内がこういった状態になっていることを多嚢胞性卵巣といい、さらに下記のような自覚症状がある場合を多嚢胞性卵巣症候群と呼んで区別しています。
- 月経周期が35日以上
- 以前は順調だった月経が不規則になる
- ニキビが多い
- やや毛深い
- 肥満
など
すべての自覚症状があるわけでなく、患者によって異なります。
排卵がうまくいかない原因は、卵巣内の男性ホルモンが多いためです。
なぜ男性ホルモンが多くなってしまうのかというと、脳から出ている黄体形成ホルモンや、すい臓から分泌されるインスリンが増大することで、男性ホルモンが増えると考えられています。
自覚症状のニキビや毛深さは、男性ホルモンが原因です。
また、インスリンの出すぎで肥満になっている方も少なくありません。
【多嚢胞性卵巣症候群の治療】
多嚢胞性卵巣の方の悩みの多くは、不妊です。
そのため、治療は妊娠することを目的に行うケースがほとんどです。
若いうちであれば、食事や運動などの生活習慣を変え、体重コントロールをするだけで妊娠にいたる方もいます。
しかし、そもそもホルモンバランスが崩れているため、ダイエットがうまくいかない方も少なくありません。
一般的な治療としては、まずは飲み薬の排卵誘発剤を使い、排卵のチャンスを増やします。
排卵誘発剤だけでうまくいかない場合は、ステロイドや漢方薬を一緒に使うこともあります。
また最近では、糖尿病の薬がインスリンの過剰分泌を抑制し、男性ホルモンの量を抑えることもわかってきました。
飲み薬だけでは排卵しない場合、注射により排卵誘発をうながすという手もあります。
しかし多嚢胞性卵巣の方は、排卵誘発剤に過剰に反応、卵巣に水がたまったり、血液が濃縮してしまったりすることも多いと知られています。
排卵誘発剤の過剰反応や多胎妊娠の可能性から、注射による排卵誘発が必要な場合は、体外受精をすすめる病院もあります。
外科的な治療としては、硬くなった卵巣の表面にポツポツと多数の穴をあけて排卵しやすくする腹腔鏡下卵巣多孔術という方法があります。
この手術をすると、排卵誘発剤の効果が上がったり自然に排卵したりするようになります。
しかし、徐々に穴はふさがってしまうため効果は半年から1年半ほどといわれています。
このように、多嚢胞性卵巣の方の治療というと、妊娠を目的とするケースが多くなっています。
そのため、卵巣の中の状態をよくするというよりは、不妊に対する治療がメインです。
しかし、多嚢胞性卵巣による月経不順を放置していると、子宮体がんのリスクが高まることも知られています。
「妊娠の予定はないから」とそのままにしているのは危険です。
ピルを飲んで排卵を止め卵巣を休ませるという方法もありますが、カラダのことを考えると自然なこととはいえないでしょう。
卵胞の成長を正常化し卵巣の壁を柔らかくするなど、卵巣を本来の状態に戻していくには漢方を使うという方法があります。
【漢方と多嚢胞性卵巣】
多嚢胞性卵巣の一般的な病院治療でも、漢方薬は使われています。
病院で治療している方のなかには、粉薬や錠剤の漢方薬を処方されたことのある方もいるのはないでしょうか。
西洋医学の病院では、漢方薬も病名に合わせて処方されることがほとんどです。
しかし、本来の漢方の考えでは、卵巣が硬くなり排卵しづらいという症状(西洋医学の病名)は結果でしかなく、その結果になった根本の原因はカラダ全体のバランスです。
多嚢胞性卵巣の状態を漢方的に考えると、漢方理論「気・血・水」のうち、血を中心にした病変であると考えます。
血の力をつけカラダ全体のバランスを整えることで、卵巣内の状態の改善を目指します。
そのためには、お一人お一人のカラダの状態をよく確認して、それぞれにあった漢方を処方することが大切です。
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一般的に病院で処方される漢方薬は、工場で粉薬や錠剤として製造されています。
しかし漢方は本来、生薬を煎じてエキスをそのままカラダに取り入れるものです。
粉薬などの漢方薬で結果が出ているのならよいのですが、「これまでに漢方薬をのんだことはあるけど効果がなかった」という方は、生薬のエキスをそのまま取り出した自社製造の漢方を試してみてはいかがでしょうか。