不育症になりやすい人ってどんな体質?漢方で体質改善して出産できる身体に!

不育症という言葉は聞いたことがありますか?
習慣性流産とも言います。

不育症とは、妊娠はするけれど継続できずに流産や死産をくり返し、出産に至らない状態のことです。

「妊婦さんのうち6〜7人に1人は起こるくらい流産は珍しいことではない」
「若いからまたすぐ妊娠できるはず」
と言われたのに、続けて流産しているという方もいるのではないでしょうか。

出産年齢の高齢化により、何周期も様子を見ていられない、今すぐ何かできることはないのかと思っている方もいるはずです。

不育症は原因が判明し適切な治療を受けると70〜80%の方が出産していると報告されています。
しかし、不育症の検査を行なっても60%以上の方は原因不明となるそうです。

原因不明の不調の改善には漢方の出番です。

西洋医学は検査結果から原因を特定できた病気の治療には向いていますが、対症療法なので原因がわからないものにアプローチするのは難しいのです。

一方、漢方をはじめとする東洋医学は、人の体を自然の一部と考え、「自然界で起こること」と「人の体の中で起こること」は同じ原理や法則だと考えます。
自然界のバランスが崩れると異常気象が起こるように、体内の熱や血液、水分のバランスが崩れるとからだに不調が現れます。

治療では乱れた体内のバランスを根本から整えるので、原因や症状に関わらず不調の改善に漢方が有効なのです。

この記事では、不育症にお悩みのご夫婦の参考に、以下の4つを解説します。

  • 不育症になりやすい人とは?(西洋医学的な原因・東洋医学的な体質)
  • 不育症に対する漢方薬の効果
  • 不育症治療に漢方薬をおすすめする理由
  • 効果を実感できる漢方薬局の選び方

東洋医学の視点で自分の体質を知り、漢方薬で体質改善すれば、赤ちゃんが元気に育つ体になりますよ。

不育症になりやすい人とは?

不育症になる人のタイプについて、西洋医学と東洋医学それぞれの目線で解説します。

西洋医学的な原因

不育症の原因は大きく分けて4種類あります。
これらの異常があると受精卵が着床しても成長できずに流産してしまいます。

  1. 子宮の異常

子宮奇形、子宮筋腫、頚管無力症といった子宮自体の異常で血流障害が起こりやすく、妊娠の継続が難しくなります。

  1. ホルモン異常

ホルモンは生命維持や成長のためにはたらく重要な物質ですが、妊娠の継続にも大きく影響します。
ストレスフルな生活でホルモンバランスが乱れている人が多く、特に甲状腺機能異常、高プロラクチン血症、黄体機能不全、糖尿病は流産のリスクを高めます。

  1. 血液の凝固異常

抗リン脂質抗体症候群が代表的で、血液が固まりやすくなり血流が低下する病気です。
血流が低下すると赤ちゃんに栄養が届かなくなり、発育不全や胎盤の異常につながり、流産・死産を繰り返します。不育症治療では治療法が確立されている病気です。

  1. 染色体異常

流産の原因で最も多いのが染色体異常で、一定の確率で起こります。
受精卵の染色体異常によりうまく成長できず流産してしまいます。
また両親に染色体異常があることや、妊娠年齢の高齢化による卵子の老化も影響することがあります。

東洋医学的な体質

東洋医学で不育症は「腎」のはたらきが大きく影響すると考えられています。
西洋医学の臓器の考え方とは異なり、腎臓の排泄機能だけでなく、成長、発育、生殖に関わる機能も含めて「腎」と呼びます。
気・血の元となる「精」の貯蔵庫で、生命力を作り出す場所です。

妊娠・出産に必要なのは腎の他にも肝・脾の力も重要です。

「肝」は血の貯蔵と浄化をして、全身をめぐる気・血のバランスを調節します。
血が充実していないと肝はしっかりと働くことができません。

「脾」は消化器系のことを言います。食物から精を取り出す場所で、腎に精を補い、気・血・水を作ります。

腎・肝・脾のはたらきが弱くなると、気・血が不足したり体を巡ったりすることができません。
十分な気・血が行き届いていない母体には、妊娠は大きな負担がかかり、継続が難しくなります。

不育症になりやすい体質を東洋医学的に捉えると以下のようになります。

  1. 腎虚(じんきょ)
    腎のエネルギーには、腎陽(体を温める熱源)と腎陰(体を潤す水分のもと)があります。
    腎陽虚は体の熱不足の状態です。体力がない、冷えが強いタイプで、性機能や内分泌機能の衰えにつながります。
    腎陰虚は体内の水分不足になります。のぼせやほてりが出るタイプで、精が消耗します。
  2. 血瘀(けつお)
    血流が滞っているタイプです。冷えや水の停滞で体内の血流が低下したり、血液が固まり血栓ができたりします。
    そのため、胎児へ栄養が行き届きにくくなります。
  3. 血虚(けっきょ)
    血が不足している状態です。血液や栄養が不足しているので、子宮内膜も十分に厚くならず、流産につながります。
  4. 肝鬱気滞(かんうつきたい)
    ストレスが影響するタイプです。緊張状態が続くことやストレスは肝のはたらきを弱めてしまいます。
    肝は気・血・水を全身にめぐらせ、必要なところに適切な分量を配分する働きをしています。
    気・血・水のバランスが崩れることで、ホルモンバランスに影響します。

不育症に対する漢方薬の効果

漢方薬の治療は腎・肝・脾の力を強化して、妊娠力を高めていきます。

漢方薬の治療では、気・血・水のバランスを見て、不足しているものは補う、滞っていたら流す、過剰なものは排出することで、体本来の力を出せる状態に整えます。

不育症の検査を行なっても原因が見つからなかったり、検査結果は正常範囲と言われたりしても、腎虚や瘀血の状態になっていることがあります。

原因不明の症状には漢方が効果的であると言われる理由は、このように体質から不調を見つけ、改善のアプローチができるからです。

さらに東洋医学的な体質だけでなく西洋医学的な原因にも漢方薬は有効です。

頚管無力症の場合、虚弱体質で胃腸が弱く子宮の筋力も落ちている状態ならば、漢方薬で胃腸のはたらきを高めて内臓の筋力をつけることで効果があります。

ホルモン異常も腎のはたらきが弱っているので、腎を補う作用がある生薬を中心とした漢方薬が選択されます。

抗リン脂質抗体症候群などの血液凝固異常は血栓ができやすくなりますが、これを血瘀の状態と捉えて治療します。

染色体異常についても、漢方薬で卵巣の状態を本来の力を発揮できる状態にすれば、老化のスピードを緩やかにし卵子の質を上げることが可能です。

このように、不育症になりやすい体質が妊娠を維持できる体質に改善されていくのです。

不育症治療に漢方薬をおすすめする理由

不育症治療としてだけでなく流産後のダメージがある体を回復させるためにも漢方は効果的です。

漢方で大切な受精卵を守るのは「気(エネルギー)」で、受精卵にしっかりと栄養を与えるのは「血」だと考えています。
この気や血が充実し、しっかり巡っていることが着床とその後の妊娠維持に不可欠であるため、着床時期の前からしっかりと気・血を充実させておくことが大切です。

漢方薬の場合、複雑な体質だとしても生薬の配合を調節して体質に合わせることができ、西洋薬のように何種類も飲むこともありません。

内服薬はお腹の張りを抑える、血液が凝固しないようにするなど症状を抑えるためのもので副作用の心配もあります。
しかし漢方薬には安胎薬と言われる赤ちゃんを守り、妊娠中に起こるマイナートラブルを予防できるものもあります。

妊娠によって起こる体の変化にも、漢方薬なら気・血・水のバランスを整えることで対応できるので、健やかな妊娠期を過ごせる体になるでしょう。

効果を実感できる漢方薬局の選び方

不育症治療に漢方治療で効果を感じるために、以下のポイントに注意して専門家や薬局を選びましょう。

  • 弁証論治を行なっている漢方専門の医師、薬剤師に診てもらう
  • 体質に合った生薬を調合し、煎じ薬を提供できる漢方薬局を見つける

弁証論治とは、五感を使った診察方法で患者さんの情報収集し、分析して、証(病態や体質)を決定し治療法を決めることです。診断には豊富な経験と知識が必要なので、専門家に相談するのが不育症改善の近道となります。

生薬から調合している煎じ薬を提供できる薬局ということも大切です。
一般的に漢方というと顆粒のものを思い浮かべる方も多いと思います。
これはエキス剤と言って煎じ薬を加工し顆粒にしたものです。

メリットは手軽に飲みやすいことですが、デメリットとして加工途中で失われる薬効成分もあり、製剤化するときに添加物を加えているものもあります。
また既製品なので、一人一人に合わせた最適な分量ではないことがあげられます。

これから妊娠をするなら、添加物もできれば避けたいものですよね。

市販の漢方薬で効果が感じられず、専門家に相談して同じ名前の煎じ薬を飲んだら効き目が感じられたということもよくある話です。
これは煎じた漢方薬の力です。

流産を経験すると、妊娠するまでも妊娠してからも、無事に出産を終えるまで不安を感じながらの生活になるのは当然です。

少しでも安心した気持ちで過ごし、妊娠のためにも出産を迎えるためにも、しっかり体質を見極めてもらえる薬局で処方した、自分に合う漢方薬を飲むことをお勧めします。

近くでこのような信頼できる専門医や薬剤師に出会えることが理想ですが、このような薬局が見つけられない、体調が悪く外出が大変であるときには、私たちなつめ薬局にご相談ください。
電話やLINE、zoomを使った遠隔相談が可能です。

じっくり時間をかけた聞き取りで体質や状態を把握し、個人に合わせた漢方薬を処方します。

なつめ薬局では厳選した生薬から調合した煎じ薬を提供しています。
煎じた漢方薬を一回分ずつパックにしてお届けしますので、煎じる手間を負担に感じるときでも、手軽に煎じ薬を続けることができます。

漢方薬で大切な命を育むお手伝いをさせていただきます。

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