「下痢が続いていてなかなか治らない」
「急な腹痛と下痢を繰り返している」
「慢性的な下痢に良い薬があったら知りたい」
など、長引く下痢で悩んでいらっしゃいませんか?
下痢が続くと家事や仕事など日常生活に支障が出て困りますよね。
慢性的な下痢の治療は漢方の得意分野のひとつです。
今回は慢性的な下痢を起こす原因や、東洋医学における治療・養生法を解説します。
お悩み解決の参考になればうれしいです。
慢性的な下痢を起こす原因
慢性的な下痢を引き起こす原因でよくみられるものは次の通りです。
- ストレス
過剰にストレスがかかると、腸の動きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れ、下痢が引き起こされます。
- 過敏性腸症候群
腸に異常はないものの、腹痛をともなった下痢・便秘などお通じの不調が長期間続く疾患です。
原因は特定されていませんが、ストレスや神経の過緊張が関係していると言われています。
- 潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こり、びらんや潰瘍ができる疾患で、国の難病に指定されています。
症状が強く出る活動期と、症状が落ち着いている寛解期を繰り返します。
原因ははっきりしていませんが、ストレスや免疫異常、遺伝的要素が関係していると考えられています。
- クローン病
口から肛門まで消化管のあらゆるところに慢性の炎症が起こり、びらんや潰瘍ができる疾患です。
国の難病に指定されている点や、活動期と寛解期がある点は潰瘍性大腸炎と似ています。
原因はまだ分かっていませんが、遺伝的素因をバックグラウンドとして、食事や腸内細菌に対する腸の免疫異常が関与していると考えられています。
- 大腸がん
大きくなった腫瘍の影響で便が通過しにくくなり、便秘や下痢が現れます。
なかには便秘と下痢を交互に繰り返す場合もあります。
慢性的な下痢に漢方治療をすすめる理由
慢性的な下痢に対し、西洋医学と東洋医学で治療方針の違いを解説します。
それに基づいて、漢方治療を行うメリットについてみていきましょう。
西洋医学の治療方針
西洋医学では科学的な分析に基づいて、現れている症状に直接働きかける治療を行います。
例えば検査で異常の見られない下痢症状に対しては下痢止め薬が用いられ、潰瘍性大腸炎では下痢の引き金となる腸内の炎症を抑える薬が用いられます。
東洋医学の治療方針
東洋医学では、病気は体のバランスの乱れによって起こると考えられ、四診と呼ばれる方法を用いてどのようにバランスが崩れているのかを見極めていきます。
同じ病名でも、バランスが崩れる引き金は様々です。
治療では主に漢方薬を使って崩れたバランスを整えていきます。
漢方薬で慢性の下痢を治療するメリット
西洋医学と東洋医学の治療方針の違いから、慢性の下痢に対して漢方治療を行うメリットは次の3つです。
1.原因が特定できない慢性的な下痢に対しても治療が行える
西洋薬は病因が科学的に解明されているものにしか対応できません。
漢方薬は身体のバランスの乱れを整えることが目的なので、慢性的な下痢がどこから来ているのかわからない場合でも治療できます。
2.漢方薬は一人ひとりに合わせて調整できるため、西洋薬のような強い副作用が生じにくい
西洋薬は単味の成分で構成され病因に直接作用するので、鋭い効き目があります。
しかし効果が強い分、副作用も現れやすくなります。
漢方薬は、バランスを整えて全体的に作用をもたらします。
なかでも煎じの漢方薬であれば、患者個人の体質に合わせて加減できるため、西洋薬と比べて副作用は起こりにくくなっています。
3.ほとんどのケースで西洋薬と併用できるため、相乗効果によって効き目の鋭い薬を減らせる可能性がある。
漢方薬はたいていの西洋薬と相互作用がないので一緒に使用できます。
それぞれの効果がかけ合わさって、改善がより期待できます。
そのため西洋薬の強力な薬の量を減らせる可能性が大いに見込まれます。
東洋医学からみた慢性的な下痢の治し方
東洋医学で慢性的な下痢をどのように治していくか、よくみられる証とともに確認していきましょう。
慢性的な下痢でみられる証と漢方薬
慢性的な下痢でよくみられる証と使われる漢方薬について解説します。
- 脾気虚
脾に与えられる気が足りなくなった状態で、消化器系の働きが弱い体質です。
下痢のほかに、食欲不振や食後の眠気、お腹の張りなどもみられます。
治療は胃腸の働きを強化する漢方薬を用います。
- 脾陽虚
先ほどの脾気虚よりもさらに気が不足し、体を温める力が衰えているため、下痢をしやすい体質です。
お腹や手足が冷えやすく、むくみ症状もあります。
腹部を温めて消化吸収を改善する漢方薬で治療していきます。
- 肝気横逆
精神的なストレスが気の巡りを滞らせ、胃腸の働きが悪くなり、下痢が起こりやすくなっています。
自律神経の不調を起こしやすく、吐き気や胃痛、食欲低下もみられます。
気の流れを整える漢方薬が使われます。
- 脾虚肝乗
脾胃がもともと弱いため、肝気の高まりを抑えきれず、ちょっとしたストレスでお腹の調子が悪くなる体質です。
腹部膨満感や疲れやすさもみられます。
治療は消化器系の働きを強めながら、ストレスを緩和させる漢方薬を使っていきます。
- 脾胃不和
滋養成分を体に巡らせる脾の働きと、体に不要なものを下ろす胃の働きがかみ合わず、下痢や吐き気が現れる体質です。
胃のつかえやげっぷもみられます。
漢方薬でストレスをやわらげ、胃と腸の働きを改善していきます。
以上に挙げたもの以外にも、慢性的な下痢の証があります。
東洋医学からみた慢性的な下痢の養生法
漢方薬治療のほかに、東洋医学では生活養生法も大切にしています。
慢性的な下痢では以下のことも気を配って過ごしましょう。
- 体を冷やさないようにする。
- 生ものや冷たい食べ物や飲み物を控えて、火の通った物を食べるように心がける。
- 刺激物や脂っこいものは控える。
- マッサージやストレッチをして、心身のリラックスをはかる。
慢性的な下痢は漢方薬で解決しよう!
慢性的な下痢は、疾患によるものから原因が特定できないものまで様々あります。
漢方薬はどのタイプの慢性的な下痢に対してもアプローチできて、西洋薬でみられるつらい副作用が起こりにくくなっています。
西洋医学の治療中でも、ほとんどのケースで漢方薬は併用できるため相乗効果が期待できます。
漢方薬で治療を希望する際は、体質に合った適切な薬が処方されるように、次の2点に注意を払ってください。
ひとつは、カウンセリングに十分な時間をかけている施設を見つけましょう。
慢性的な下痢を引き起こす体質を見定めることが肝心です。
もうひとつは、煎じの漢方薬を自社製造している施設を選びましょう。
同じ漢方薬でも一人ひとりに合わせて調整できる方がより改善が見込めます。
お近くにそのような医療施設がないときは、私たち「漢方専門なつめ薬局」にご相談ください。
なつめ薬局では対面のほかに電話やオンラインによるご相談も受け付けております。
どのような相談方法でも丁寧なカウンセリングを行いますのでご安心ください。
またお薬を一回分ずつパックしてお渡しするので、本格的な煎じの漢方薬を手軽に飲むことができます。
下痢が続いてつらく感じている方は、気兼ねなくなつめ薬局までご連絡ください。
慢性的な下痢の改善に向けてサポートいたします。