女性にとって冷えは大敵。
妊娠を望んでいるなら、なおさらです。
夏でも体は冷えている、という話を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
それでも、暑く感じているから自分は冷えていない!と思っている人もいるかもしれません。
ところが、現代的な生活をしていると、知らず知らずに夏は体を冷やしています。
冷えにくい体をつくる6つの生活習慣を取り入れて、冷え知らずの夏を過ごしましょう。
暑い夏でも冷えている
昔から、私たちは「寒い時期には体を温める」「暑い時期には体を冷やす」ような生活習慣をしてきました。
暑いときには薄着になって、そうめんやスイカなど冷たいものを食べたり、冷えた麦茶を飲んだりしてきたものです。これらは、先祖から受け継がれてきた私たちの知恵でした。
けれども、冷房や冷凍・冷蔵庫が完備された現代では、涼しい室内でキンキンに冷えたものを食べたり飲んだりしていたら、体は冷えていく一方です。
一晩中エアコンをつけ、食べるものといえばサッパリとした冷たい麺類やアイス、アイスコーヒーやビールを毎日のように飲み、お風呂はシャワーでさっと済ます。
そんな夏の生活に心当たりのある人もいるでしょう。
夏の冷えの特徴は、内臓の冷えです。
私たちの体の中の体温は37℃くらい。
そこに、ひっきりなしに入ってくる10℃以下の食べ物たち……。
体の中が冷たくなるのは当然のことです。
体の中で熱を作るのは筋肉です。
子宮や卵巣などの臓器は、自分で熱を作りにくいので冷えやすくなってしまいます。
冷えると体の機能がうまく働きません。
さらに、蒸し暑く照りつける陽ざしの屋外としっかりと冷えた室内の移動で、自律神経も乱れ冷え体質になってしまいます。
体温調節機能が働かなく、体の不調が続くということにもなりかねません。
一度崩れてしまったバランスは、戻すのには時間がかかります。
崩れる前に、夏の冷えを予防する日々の習慣を取り入れましょう。
夏冷えに負けない5つの習慣
知らず知らずに忍びよる夏の冷えを未然に防ぐ、5つの生活習慣をご紹介します。
ファッション編
夏は薄着で、素足にサンダルという方も多いでしょう。
オフィスやお店、電車の中など冷房が効いている場所では、体が表面から冷えていきます。
カーディガンやストールなど、さっとはおれるものは持ち歩くようにしましょう。
オフィスではひざかけを準備しておくのもおすすめです。
夏は汗をかきやすい、というのも冬の冷えとの違いです。
水分は空気よりも熱を伝えやすく、かいた汗をそのままにしておくと、どんどん体温がうばわれ冷えてしまいます。
外は蒸し暑く屋内は涼しいという夏の環境は、この汗冷えがひんぱんに起こります。
汗冷えを防ぐためにおすすめなのが、絹(シルク)の衣類。
直接肌にふれるものは、シルクにすると効果があります。
シルクは吸湿性と放湿性にすぐれているため、かいた汗を吸い取ってそれを空気中に逃がしてくれます。
そのため、汗をかいてもサラっとした肌ざわり。夏の肌着にぴったりです。
なにより子宮や卵巣のあるお腹を温めておきたい妊活中の人は、シルクの腹巻が重宝します。
薄手なので夏の洋服でも外から目立ちません。
また、冷気は下にたまるので、足元も温かくしておきたいもの。
健康に良い頭寒足熱を心がけましょう。
靴下は、シルクと綿の重ねばきがおすすめです。
シルクが吸い取った汗を綿がしっかり吸収してくれるので、いつでもシルクはサラサラです。
1枚目にシルクの5本指靴下、2枚目に綿の靴下をはきます。
3枚、4枚とさらに重ねると、より温かく汗も吸い取ります。
食事編
夏だからといって、冷たいものを食べるのはやめましょう。
電気が発達していなかった時代とは、冷たさの度合いが違います。
氷や冷蔵庫で冷たくしすぎたものは避け、温かい食べ物や常温の飲み物を飲むようにしましょう。
温かい汁物は、体の中からじっくりと温めくれます。
おみそ汁やスープなど、毎食の献立に取り入れるといいですね。
冷たい飲み物の代わりに、体を温めてくれるドリンクもお茶の時間には良いものです。
2つご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
- 梅醤番茶…つぶした梅干し1個としょう油大さじ1を湯飲みの中でよく合わせて、番茶をそそぎます。
梅干しは、汗で失われやすいミネラル補給にもなります。 - 大根湯…大根おろし大さじ1.5、ショウガのすりおろし少々(たくさん入れないのがポイントです)、しょう油大さじ0.5をカップに入れて、番茶1カップを加えます。
胃にも優しく体の温まるドリンクです。
そもそも夏が旬の野菜は、体の熱を取ってくれる働きがあります。キンキンに冷えた部屋で冷たいものを食べるではなく、適度な室温の部屋でキュウリやトマト、スイカなど、自然に熱を取ってくれる食材を使った食事を楽しみましょう。
お風呂編
シャワーだけでは冷房で冷えた体の芯までは温まりません。
ぬるめのお湯でじっくりと半身浴をしましょう。
37~38℃のお湯に20分から30分、胸のあたりまでつかります。
半身浴は温まるだけでなく、リラックス効果も期待できます。
熱いお湯は、入っているときは温まっている感じがするかもしれません。
けれども、長時間入っていられないため、体の芯まで温まらないのです。
運動編
自分で体を温めるには、運動がなにより大切です。とはいえ、激しい運動が必要なわけではありません。
こまめに体を動かすようにしましょう。
炎天下のなかでの運動はもちろんおすすめできません。
早朝や日没後の涼しい時間にウォーキングをしたり、エスカレーターではなく階段を使ったりと、歩くことから始めましょう。
家の掃除もしっかりすると、かなりの運動量になります。
外が暑すぎて出られないときは、拭き掃除などをすると、家のなかもきれいになり一石二鳥です。
体をぶらぶらとゆするだけでも、血流はよくなります。
朝起きたときやずっと座っていた後などに、気づいたときに立ち上がって全身を数分間ぶらぶらゆすりましょう。
血行がよくなり冷えを防ぎます。
漢方でアシストする
全身のバランスを整え体の不調の改善をはかる漢方にとって、冷えの改善は得意とするところです。
冷えに悩んでいる人それぞれの原因となる体質を探り、そこを漢方で補い整えていきます。
漢方で自分の体本来がもっている力を底上げすることで、体を温める生活習慣もより効果的になるでしょう。
今年の夏こそ崩れない体をつくりましょう
夏の間に冷えを感じるだけでなく、秋風が吹くころに体がだるく調子が悪くなるのは夏の冷えが原因です。
冷えがあると、生理不順も置きやすいことが分かっています。
毎日の生活習慣を少しずつ変えて続けていけば、体は温まり健康になっていきます。
冷えは万病のもと、ともいわれます。
暑い夏だからと油断をしないで、冷え体質の改善につとめましょう。