鎮痛剤・ピルに頼らない!漢方の力でつらい生理痛から解放されよう

生理(月経)の周期が乱れる(遅くなる・早くなる)、経血が多い(少ない)、PMSがある...生理のトラブルはいろいろありますが、生理痛に悩まされているという方は少なくないのではないでしょうか?

下腹がちょっと重だるいなぁというくらいであれば心配ありませんが、学校や仕事を休むなど生活に支障をきたすような生理痛は、月経困難症という病気の分類になります。

強い痛みのある生理痛は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気の症状である可能性もありますので、まずは病院を受診することが大切です。

ですが病院で検査しても、これといった原因が見つからないことがあるかもしれません。

そんなときは、東洋医学を解決の選択肢に加えてみませんか?
原因がわからない不調の改善は漢方の得意分野です。

一人ひとりの体質や体調に合わせた漢方の養生法で、生理痛のない生活を送れるようになりますよ。
漢方を生活に取り入れて、毎月の生理を少しでも快適に過ごしましょう。

この記事では、西洋医学と東洋医学それぞれの生理痛の考え方や漢方的セルフケアについてお伝えします。

生理痛はなぜ起こる?

そもそも生理痛はなぜ起こるのでしょうか。

子宮の内部には子宮内膜という赤ちゃんを育てるベッドがあります。
妊娠しなかった場合には、これが剥がれ、血液と一緒に体の外へ出されます。
これが生理です。

経血を押し出すために子宮がギューッと収縮しますが、これはプロスタグランジンという物質によるものです。
このプロスタグランジンは発痛物質でもあり、過剰に分泌されると生理痛を引き起こします。

また、子宮口の出口が狭く経血がスムーズに出ていかなかったり、子宮が冷えて血流が滞るとプロスタグランジンが胎盤内で停滞したり、ストレスによって自律神経のバランスを崩し血行が悪化したりすることも生理痛の原因になります。

西洋医学における生理痛の治療法

現代医学では、生理痛は我慢する必要のないものと考えられており、病院での治療は痛みのコントロールが主となります。

治療としては、鎮痛剤、低用量ピルを含めたホルモン療法、子宮の収縮を抑える薬などが検討されます。

しかしこれらはすべて対処療法になりますので、「生理痛がない」という状態に至る根本的な解決にはつながりません。

痛みがあるときは鎮痛剤に頼ることも有効な手段のひとつです。
いま痛みをなんとかしたいですし、なんとかしないと生活がままならず辛いですよね。

ですが、ずっと薬を飲み続けなければならないとなると...うんざりします。

漢方で考える生理痛と養生法

一方、漢方ではそもそも「生理痛はないのが正常である」と考えられています。
そのため、生理痛がないという状態にするために、根本から体質を改善する治療をおこないます。

東洋医学では、「気・血・水」という身体を構成する3つの要素があります。
「気」は身体を動かすエネルギーのこと、「血」は血液を含む栄養たっぷりの液体のこと、「水」は身体を潤わせる血液以外の体液のことです。

これらがたっぷりとあってよく巡っていることが身体のよい状態、つまり健康であるとされています。
これらが足りなかったり巡りが滞っていたりすると、身体になんらかの不調が現れてくるのです。

漢方には、「流れが悪くなると痛みが発生する」という意味の「不通則痛(ふつうそくつう)」、「栄養が不足すると痛む」という意味の「不栄則痛(ふえいそくつう)」という言葉があります。

生理痛があるということは、気・血・水の状態にトラブルがあることが考えられます。
反対に、これらのバランスが整っていれば、生理痛は起きないのです。

漢方における生理痛の原因は、冷え・ストレス・エネルギー不足

漢方では、生理痛の原因は3つあると考えます。

①温める力が弱い、または寒いところにいたなどの理由で子宮が冷えて血流が滞り痛む

②ストレスで気の巡りが悪くなり痛む

③気血が不足して痛む

生理痛では、①の冷えタイプが最も多いといわれています。

なんらかの理由で身体が冷えると、子宮を温められず血流が滞り、痛みが発生します。
生理前から生理の前半に下腹に刺すような痛みがあり、温めるとよくなります。
また経血の色が黒っぽく、塊が出るのが特徴です。

②のストレスタイプは、ストレスで気が滞って生理痛の原因となります。

生理前に胸が張ったり、さすっても痛みが和らがなかったりするのは気の巡りが悪くなっているからです。
PMSのある方はこちらのタイプであることが多いです。

③のエネルギー不足タイプは、気や血が足りず痛みが起きます。

生理中や生理後に痛む、疲れやすい、眠気が強い、頭痛を伴うといった症状があります。

厄介なのは、原因はどれかひとつというわけではなく、これらが組み合わさっていることも少なくないということです。

すぐできる!タイプ別・漢方的セルフケア

次に、思い立ったらすぐに実践できる漢方的セルフケアを、タイプ別にご紹介します。

①冷えタイプ

温かいものを摂る、入浴して温まるなど、身体を中からも外からも温めて過ごしましょう。

おすすめの温め食材は、温め力アップの胡桃、羊肉、エビ、ニラ、唐辛子、血流を促して温める、葱、生姜、紫蘇、蓬やシナモンなどです。

②ストレスタイプ

このタイプの方は何よりも気を巡らせることが重要です。
気の巡りをよくするには、好きなことをしてリラックスしたり、ストレッチやヨガ、ウォーキングなどの軽い運動で身体を動かしたりすることが効果的です。

食事では、玉ねぎ、らっきょう、青梗菜、えんどうや、香味野菜、柑橘類のように香りのよいものを摂りましょう。

③エネルギー不足タイプ

米、芋類、キャベツ、鶏肉、にんじん、ほうれん草、ぶどう、レバーなどを摂って気血を補いましょう。

そして、しっかりと寝て気血をためることが重要です。睡眠にまさる養生はありません。

生理痛の改善に漢方をおすすめする理由

まずはひとつでも大丈夫。できる養生から始めてみましょう。
セルフケアを続けることで、生理痛が改善する方もいます。

しかしながら、養生を実践していても改善が難しかったり、長い時間がかかったりするかもしれません。

そのようなあなたには、漢方の力を借りることをおすすめします。

漢方は、例えば「身体を温める」など、目的をもって生薬の配合がされているので、不調の改善をより強くサポートします。
さらに、個々の体質に合わせて不調の原因に根本からアプローチするので、生理痛だけではなく、生理痛にともなう頭痛など他の不快な症状も合わせて改善し、あなたの健康をぐっと底上げします。

また漢方の養生を実践するには、自分の原因を見極めて自分に合った方法を見つけることが大切です。
しかし先に述べたとおり、原因は複雑に絡み合っていることも多いので、自分で判断するのはなかなか難しいかもしれません。

そこで、しっかりと時間をかけてカウンセリングして「ひとり一人の体質に合わせて生活養生まで提案してくれる」、顆粒・錠剤・シロップタイプよりも改善の力がある「生薬を煮出すタイプの漢方を自社製造で扱う」漢方薬局やクリニックに相談することをおすすめします。

お近くに相談できる薬局がないときは、厳選した生薬を自社で煎じて漢方を製造する、「なつめ薬局」にご相談ください。
当薬局では電話やオンラインによる相談も受け付けており、対面と変わらない丁寧なカウンセリングを行います。

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