44才の生殖補助医療の生産率は1.8%
「いろいろな方法を試したけれど、なかなか妊娠できない。」と悩んでいる方が年々増えています。
厚生労働省の調査では、夫婦全体の5.5組に1組の確率で不妊の検査や治療を受けたことがあるそうです。
現代社会において不妊は深刻な問題で、妊活の手段として病院を受診し生殖補助医療(ART)を受けている方も多いです。
日本生殖医学会はARTの治療成績について、日本産科婦人科学会の調査を元に次のように見解を示しています。
生殖補助医療(ART)を用いた治療は、2017年には全国で586施設、448,210治療周期が行われました。このうち生産分娩にまで至った治療周期は52,997周期(11.8%)
治療あたりの生産率でみると、32歳ぐらいまではほぼ一定で、約20%の生産率がありますが、33歳より高齢になると徐々に下降し(約1%/歳)、37歳からは下降率も急激(約2%/歳)となっています。39歳では治療開始周期あたりの生産率は11.5%ですが、40歳では9.3%、44歳で1.8%
このようにARTの治療成績は不妊で悩んでる方が期待するほど良くないことも問題です。
そこで、この記事では妊活に取り組む全ての方に、赤ちゃんができにくい理由や漢方薬がおすすめの理由についてご紹介していきます。
不妊の原因
赤ちゃんができにくい理由は、人によってさまざまです。
西洋医学では、排卵・卵管・子宮などの臓器やホルモンバランスに原因があると考えています。
一方で、漢方を用いる東洋医学ではヒトは正常な機能として妊娠出産する能力を標準的に持っており、その能力が機能していないことが原因と考えています。、ですので、不妊とは体とコロロのバランスが崩れていたり、病名はつかなくても日頃抱えている些細な不調(冷え・血流・太りすぎや痩せすぎ・運動不足など)が原因であり、心身が人間本来の状態に戻れば自然と妊娠すると考えています。そこには年齢による影響もありますが、43歳以下、以上という制限はありません。
漢方理論で分析する心身の状態
漢方では、不妊とは心身のバランスが崩れてることが原因で、心身が人間本来の状態になれば自然妊娠すると考えていますので、漢方で不妊治療をするという場合、心身の状態をいかに本来の状態に戻していくかを考えます。
その時に用いる概念の一つに『気』『血』『水』という概念・考え方があります。これらのバランスを整え、調和を取っていく事で、身体は最高のパフォーマンスを発揮します。
この『気』『血』『水』は漢方理論において、体の状態を分析するための考え方です。
- 気:『気』とは生きるためのエネルギー源で、新陳代謝を促したり、体の機能を活発にしたりする働きを持っています。
- 血:『血』とは血液のことで、体全体に栄養を供給しうるおいを与え、精神が安定し意欲的に活動できます。
- 水:『水』とは、水分のことで、体の中で必要な場所をうるおし、老廃物を排出する働きもあります。
このバランスが乱れると体に変化がおこります。『気』の不調であれば疲労感やだるさ、『血』の不調であれば貧血や血行不良、『水』の不調であればむくみや下痢などのように、それぞれの不調に見合った症状がでると考えられています。
『気・血・水』を中心に体のどこに異常があるのか分析し、その原因を漢方薬で改善することが不妊治療における漢方薬の役割となります。誰にでも当帰芍薬散や婦宝当帰膠を服用すると良いわけではなく、あなたの状態に合わせて漢方薬を選択することが重要です。
妊活で心がけるポイント
妊娠・出産を目指す方には、漢方理論から考えた時に、大切にしてほしいポイントがいくつかあります。
- 食事・飲み物
冷たい食べ物を減らし、羊肉・黒豆・シナモンなど体を温める食べ物を食べます。
無意識に摂取しているものとして、飲み物です。体にとっては体温より低い温度は冷たいものとなります。冷蔵庫から出した物をすぐに摂取すると体にとってはかなり冷たいものとなります。常温でも地域や季節によっては体にとっては冷たいものとなりますので妊活中は注意が必要です。 - 運動
妊娠・出産には血流状態が大切になってきます。運動の刺激は、筋肉量を増やし、血行がよくなりますので、軽度な運動を心がけましょう。ストレッチやウォーキングなど体の負担が少ない運動で大丈夫です。胴体部分への刺激が特に重要です。 - 心・感情
漢方では心と体はつながっていると考えます。ご自分の感情を素直に受け入れることが大切です。一般的にネガティブとされる感情の怒りや悲しみなども大切な感情です。ネガティブに囚われるのはよくありませんが、無理にポジティブにする必要もありません。リフレッシュと睡眠を心がけて、ご自身の心と感情に向き合ってください。 - 休む
体を温めるために、シャワーよりもお風呂がオススメです。お湯に入ると体がほぐれますし浮力の影響で重力から開放され血流もグッと良くなります。また、睡眠の質と時間も心身の回復を促すために重要です。体の疲れだけでなく、心の疲労も回復してくれるのが睡眠の大事な役割になります。
これらは漢方医学的に見た養生法です。個人によって異なる場合もありますので、あなたに合わせた養生方法は、あなたを担当してる漢方の専門家にご相談ください。
妊活における漢方の効果
不妊治療に漢方がお勧めの理由についてです。
病院/西洋医学の考え方では、婦人科系臓器や女性ホルモン等の異常個所をターゲットに治療がおこなわれます。ですが、異常が発生しているという事は、そもそも心身が健康ではない証です。目先の異常個所を治療しても、身体の異常は本質的には続いていますし、場合によっては再発の恐れもあります。
また、異常個所が見つからないケースもあります。その場合は、具体的な対策はありませんので、不妊治療が漫然と繰り返され、ご夫婦の消耗、時間の浪費を招きます。基本に立ち返れば当たり前のことですが、見失いがちな部分として、心と体が健康でなければ妊娠はできませんし、妊娠できても出産まで辿り着きません。
一方、漢方による不妊治療は体質を改善し、心身の健康を取り戻します。『人には本来妊娠出産の能力がある』という考え方です。ですから、漢方での不妊治療は自然妊娠を望めますし、心身が健康になる事で、病院(西洋医学)の不妊治療/ARTが上手くいくようになるケースも多いのです。病院の治療だけでなく、漢方の不妊治療を取り入れて、心と体の健康を取り戻すのがお勧めの理由です。
漢方薬で期待できる効果について具体的にお伝えします。
- 卵子の質が上がる
卵巣機能が低下すると、妊娠するために必要な卵胞が育たなくなります。漢方薬では、補血薬・滋陰薬を使用することで良質な卵子を育てます。 - 子宮内膜の状態が整う
排卵が終わったあとは、補陽薬で卵胞が内膜に着床しやすいようにやわらかく厚い内膜を保ちます。 - ホルモンバランスが整う
妊娠するために必要な、月経期・排卵期・黄体期といったホルモンバランスを整えることが大切です。この周期が乱れると卵胞がうまく育たたなくなったり、内膜が薄くなったりします。 - 精神状態の改善
人工授精・体外受精といった治療の場合、ホルモン剤などで卵巣や子宮にダメージを受けます。さらに、「なかなか妊娠できない」「ホルモン剤の副作用がつらい」といった精神的なダメージも受けます。このような精神的ダメージは不妊にも大きく影響します。そもそも、人の心と体はつながっているので、精神的に落ち着くと体全体が安定します。漢方では、こういった精神的ダメージを我慢する(そもそも感情をコントロールするのは難しい)のではなく、心と体の改善により、不妊の原因の一つとなる精神状態の改善をおこないます。 - 病的状況の改善
病院の検査で子宮筋腫や内膜症、腺筋症などが見つかった場合、これらの病気にアプローチします。その人の症状よって漢方薬を使い分け、病気を治療しながら不妊を改善することができます。 - 妊娠後の流産予防
これまで流産・不育症を経験した方は、妊娠したあとも不安です。このような場合でも漢方は、流産・不育症にもアプローチが可能です。流産は気の働き、不育症は血の働きが原因になっていることが多いので、気血の状態を改善することが流産・不育症を予防します。 - 二人目のお子さんに向けて老化対策・エイジングケア
出産後は、分娩時の出血や体力の消耗などによりホルモンバランスが乱れがちです。このような状態を漢方では気血の消耗と考えます。この状況を改善しなければ二人目不妊の原因になります。
二人目を考えていない場合でも放置すると、抜け毛や肌質の低下、シミ・しわの増加などで一気に老化が進みます。妊娠するまでだけでなく、出産後も漢方でしっかりケアが必要です。
漢方薬を服用すると、これらの効果以外にも、さまざまな改善を自覚します。
漢方薬は特定臓器をターゲットに作用するのではなく、人が本来の能力である妊娠・出産する能力を取り戻す役割です。その効果は、生理の状態や基礎体温、その他、睡眠の状態、精神状態、お通じなどなど様々に表れ、漢方薬の力に驚きを感じるかもしれません。
妊活の症例
ここで一つ症例を紹介します。
41才の女性の方です。ご主人側には異常が無く、病院で出されるエキス剤の漢方薬を服用しながらARTを繰り返していましたが、妊娠できずにいました。ご本人によると神経質でイライラしやすい性格で、過敏性腸症候群、卵巣嚢腫を抱えており、頭痛やむくみもあり、お仕事のストレスも強い方でした。
生理に関わる症状や全身の体質、生活習慣や環境などをヒアリングし漢方理論に基づいて分析した結果、腎陽虚がベースにあると判断し、この方用の漢方薬(煎じ薬)を自社製造しました。
一ヶ月目から体が温まるのを実感されており、その後、半年くらいで体質も根本的に整ってきた結果、むくみや頭痛の程度が軽くなり、精神状態も安定するようになりました。その後の体外受精で妊娠(42才)し、途中逆子になり漢方薬を調節するなどありましたが、無事出産に辿り着いたという経緯でした。その後も産後のエイジングケアとして漢方薬を続けていただいている状況です。
この方は責任感が強く、頑張り屋さんで、お仕事も妊活も全力で向き合っておられたので、それが気血の消耗につながっていました。漢方薬の提供だけでなく、その辺りの考え方や取り組み方(漢方医学による養生法や心の持ち方)もお伝えしていったことが良い結果につながったと思います。
不妊漢方治療の注意点
漢方治療の注意事項をお伝えしますが、私たちの業界には実は2つの大きな問題があります。それは漢方治療の西洋化とインスタント化です。順番に説明します。
まずは「西洋化」についてです。
治療を始めようと思った時に、大抵の方は病院を受診すると思います。日本の制度、歴史的背景から医師には信頼感がありますよね。実際、勉強熱心に国家資格を取得してますので、西洋医学の医師として信頼できる存在です。しかし、そのカリキュラムの中で漢方薬の本来の理論についてほとんど勉強していない事をご存じでしょうか。西洋医学の理論で分析し、西洋医学の理論で、東洋医学の薬である漢方薬を使用している(病名漢方といいます)わけです。これでは、せっかくの漢方薬の効果は発揮されないわけなんですね。東洋医学の薬は、東洋医学の理論で分析して選択使用しなければ効果はないんですね。診療科目として漢方科であっても、これが実情なのが「西洋化」です。
続いて、「インスタント化」についてです。
あなたがイメージする漢方薬は錠剤や顆粒タイプではありませんか?クリニックで処方されるモノも、ドラックストアに並んでいるモノも、錠剤タイプか粉タイプ・シロップ状のモノですよね。これらは全てエキス剤と呼ばれるもので、私たち本当の専門家からするとインスタント製品です。本来は、生薬と呼ばれる原料を煎じて服用する煎じタイプが主流でした。煎じタイプの方が生薬の成分を余すことなく取り入れることができるので、エキス剤より効果を感じやすいのです。しかし、製造するのに知識と技術と経験が必要ですし、品質管理も難しい為、煎じタイプよりも、エキス剤がシェアを占めるようになってしまいました。手に入るなら煎じタイプの方が効果を実感しやすく、添加物も少ないので安心して治療を始められます。
費用・ご相談
私たちは漢方専門薬局として、
西洋化した使い方ではなく、東洋医学の分析方法である弁証論治を軸に、多様化する現代の病気に向き合っています。そのため、状況把握の聞き取りに多くの時間をかけているため、完全予約制で健康相談を受けています。
また、インスタント化した薬ではなく、しっかりと効果のある上質な煎じ漢方薬を自社製造で提供しています。
- 病院で治療を受けているが成果が出ない
- 妊娠するけれど流産してしまう
- 自然な取り組みで妊娠・出産したい
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