漢方薬は薬?食品?
漢方薬での治療を考えた時に、どこで、どのように、漢方薬を手に入れたらいいのか?困ったり、悩んだりした経験はありませんか?
漢方薬は、法律上は医薬品となります。法律上の医薬品とは、病気や症状を改善するチカラがあると認められた物を言います。
医薬品では無い物は、基本的に病気や症状を改善するチカラは認められていません。
健康食品やサプリメントも医薬品ではありません。
一方で、漢方薬は植物を中心とした原料(生薬といいます)から作りますので、法律区分ではなく、性質区分でいうと、薬というよりも野菜スープ(食品)に近い性質を持っています。言うなれば、薬膳を突き詰めた究極の健康食といえます。
法律上は医薬品区分である漢方薬は、医師・薬剤師・登録販売者の国家資格所有者が管理し、保健所の許可を受けた施設・店舗でのみ購入が可能です。
主な入手先としては、
1)病院で医師に処方してもらう
2)ドラッグストア等で自分の判断で購入する
3)漢方専門薬局で専門家に相談して購入する
等があげられます。
漢方薬の入手先ごとの特徴
1.病院で医師に処方してもらう
この方法のメリットとしては、健康保険が適応になり、負担金額が小さくて済む事が挙げられます。
一方で、手に入る漢方薬は顆粒や錠剤タイプの漢方だけです。
このタイプの漢方薬は今風に言えばインスタント製品なので、漢方薬本来の姿である煎じタイプよりも効果がかなり弱いという注意点があります。
また、健康保険が適応になるという事は、選択できる漢方薬の種類が少なく、現代の多様な症状に十分な対応が出来ないという側面もあります。
2.ドラッグストア等で自分の判断で購入する
ドラッグストアなどに行くと、有名メーカーの漢方薬がズラリと並んでいます。
パッケージには症状が書いてあり、症状と照らし合わせて自分の判断で購入する事が出来ます。
漢方薬は同じ名前の漢方薬でも、製造メーカーによって効果が変わる場合も多いので、いろんなメーカーのいろんな種類の漢方薬を試せるのが特徴と言えます。
一方でこれらの漢方薬は残念ながら、病院同様インスタント漢方です。
顆粒タイプや錠剤タイプになりますので、煎じタイプよりも効果はグッと落ちてしまいます。
また、使用している原材料(生薬と言います)の量が、病院でもらえる漢方の半分しか使われていない物が多いという注意点もあります。
3.漢方専門薬局で相談して購入する
漢方専門薬局とは、原材料(生薬)から漢方薬を自社製造している薬局です。
漢方薬本来の姿である煎じタイプを用意してくれます。
前述されているインスタント漢方薬である顆粒タイプや錠剤タイプよりも改善力に優れています。
驚くことに、漢方薬に関しては病院よりも薬局の方が、改善力に優れた薬が手に入るという事です。
さらに、無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物などの添加物を使用せずに製造されるので、安心して服用治療できるのもメリットです。
一方で、手に入れるまで日数がかかったり、煎じる手間がかかったり、他の漢方薬よりも価格が高くなる傾向があります。
ざっくりまとめると、
・『安さ』であれば病院
・自己判断で色々『試す』ならドラッグストア
・困っている症状を『改善』するなら漢方専門薬局
となります。
漢方薬の選び方
今まで、すでに漢方薬を服用した経験のある人も多いと思いますが、漢方の効果はありましたか?
例えば、
・医師に相談して漢方薬を処方してもらったけれど、改善しなかった
・同じ症状の友人が漢方薬Aを飲んで改善したと聞き、自分も漢方薬Aを飲んだが改善しなかった
・ドラッグストアで箱に記載されている効能から漢方薬を試したが、効果がなかった
このような経験をした方も多いのではないでしょうか。
これは、漢方薬を選択するときに最も大切で基本的な要素を見落としているために起こる現象です。
多くの患者さん、および漢方を用意する医師・薬剤師は、病名や症状、検査結果から漢方薬を選んでいます。
ですが、実は漢方薬を選ぶ際に重要なのは検査の結果や病名・症状ではないのです。
それらの情報は漢方薬を選ぶときに参考にはなりますが、漢方薬を選ぶ基準にはならないのです。
なぜなら、それらの情報は西洋医学の分析に必要な情報に過ぎず、東洋医学の薬である漢方薬は、東洋医学の理論によって分析し、選ばなければ効果が無いのです。
東洋医学の理論で分析するには、とにもかくにも患者さんの性質・背景が大切です。
・どのような体質を抱えてるのか?
・食事の習慣は?
・居住・職場の環境は?
・睡眠の状況は?
・運動の習慣は?
・どのような性格か?
などなど
患者さんの背景・性質を知ったうえで、今現在どのような症状がでているのか?という具合に分析をしなければいけません。
これを実践するには、患者さんの話しをしっかり聞く必要があります。
もし今まで漢方薬を飲んだけれども効果がなかった人は、漢方を手に入れた時、何を基準にして漢方薬を選んだのかを振り返ってください。
ほとんどのケースで上記のような状況確認をせずに、病名や症状、検査データで選んだのではないでしょうか。
漢方効果の引き出し方
また、漢方が効かないもう一つのケースとして、
漢方薬の選択は正しいが、有効成分の含有量が足りないというケースです。
例えば、当帰芍薬散という有名な漢方薬があります。
「病院で不妊治療の薬として顆粒タイプの当帰芍薬散を処方されたが、妊娠にはつながらなかった。しかし、漢方専門薬局で煎じタイプの当帰芍薬散を服用したところ、妊娠できた。」
という具合です。
これは上記でも解説しましたが、顆粒・錠剤などの剤形よりも煎じタイプの方が有効成分が濃く、改善効果が強いためと考えられています。
このようなケースは臨床的にはよく見られる現象です。
「病気・症状の強さ」と「体の健康力の状態」の力関係によって、漢方薬の必要量が変わりますので、顆粒・錠剤タイプで良くなるのであれば、それで良いのですが、顆粒・錠剤タイプで改善しなければ、煎じタイプにステップアップする必要があるわけです。
漢方を飲む理由
漢方薬を飲む理由は人それぞれ違います。
『具体的な病気・症状は無いけれど、健康維持やエイジングケアとして飲みたい』
という人もいれば、
『モデルのような美しさを目指す美容目的』
の人もいますし、
『明らかな病気・症状があり、それを改善する為に飲みたい』
という人もいます。
もし、あなたが辛い症状や困った症状を改善するために漢方治療を始めようと思っているのであれば、
東洋医学に精通した相談員のいる事、
話しをしっかり聞いてくれる事(聞き出してくれる)、
漢方薬は煎じタイプを用意してくれる事、
この辺りを基準にしてクリニック・薬局を選ぶといいでしょう。
また、漢方の運用に当たっては、顔を合わせ会話をする事で得られる情報も多いですから、
通える場所にあったり、
ビデオ通話などのリモート相談に対応しているというのも大切な条件になります。
お近くに煎じタイプの漢方薬を扱っているクリニックや薬局が無ければ、
私たち、【漢方専門 なつめ薬局】にご相談ください。
私たちはあなた用の漢方薬を、厳選した生薬から自社製造して提供していますし、
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2010年の開局以来、おかげさまで大変混雑しておりますので、ご相談は完全予約制になっております。
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