症状について
朝起きようとすると、
- もの凄い怠さで起きられない。
- 頭痛やめまい、吐き気がして起きられない
- 動機や息苦しさ、気持ち悪さで起きられない
あなたはこのような症状で悩んだことはありませんか?
特に、月曜日や連休が明けたとき、嫌なことがあった次の日、試験や締め切りが近くなってきた時、このような症状が出てきやすいのではないでしょうか?
これは自律神経失調症の一つで、起立性調節障害と呼ばれるモノかもしれません。
思春期の子供に多いとされていますが、実際には大人でも発症する人が増えており、早めにしっかりと対応しないと、拗らせてしまい、いつまでも学校にいけない、仕事ができない状況になっていきます。
ご本人に頑張る意思があっても、結果として親の支えがないと生活ができない状況になりますので、しっかり自立できるように根本的な取り組みが必要です。
起立性調節障害概要
旧厚生省科研費調査(1999年)では、小児科を受診した10歳~15歳の子どもの8%が起立性調節障害だったという結果が出ており、全国の中高生で70万人の患者がいると推定されています。さらに大人になっても症状が改善しないケースがあり、大人が新たに発症するケースも非常に多い疾患です。
起立性調節障害とは、おもに自律神経がうまく働かないことで血圧が上がらず、心身の様々な症状を引き起こす状態にあることをいいます。人の体には自律神経(交感神経と副交感神経)という仕組みがあり、朝になると活動するために自律神経の切り替えが起こり、血圧が上がります。しかし、起立性調節障害になるとこの切り替えが上手くいかず、血圧が上がらないため、朝起きることができません。しばらくして起きる上がることができるようになっても、体の隅々にまで血液がいきわたらないため、めまいや立ちくらみがおこります。自律神経がしっかりと働きだす午後には元気になることが多いので、周りからは怠けているだけだと思われることが多く、ご本人にとっては、周囲の理解が得られず、精神的にも辛い思いをする病気です。
この疾患は、思春期の子供に多く、体の成長が未発達で自律神経が乱れやすいために症状が現れるのではないかといわれていますが、他にも生活の乱れ、運動不足、ストレスなども発症要因と考えられています。
先ほど説明した症状以外にも
- 夜眠れない
- 失神
- 頭痛
- 動悸・息切れ
- 食欲不振
- 倦怠感
- 乗り物酔い
- 顔が青白い
- 入浴時や嫌な思いをすると気持ちが悪くなる
など、症状は多岐にわたります。
発症しやすい性格というのもあり、大人しく聞き分けが良い、いわゆる「優等生」「真面目」「一生懸命」「責任感が強い」な子が多いようです。人としては素敵な特性であり、人として成長している証ではありますが、この病気に関しては、このような性質があるのも事実です。そのため親や周りが思うより自身の体調について深く悩んでいる上に、理解を示さない周囲の叱責により多大な精神的プレッシャーを受けていることも多いのです。思い悩んだ結果、うつ病や引きこもりにつながる、大人になってからも再発する恐れも十分にあるので注意が必要です。起立性調節障害は本人の意思だけで改善できるものではありません。ご本人のためにも病気を正しく理解し、気持ちに寄り添ってあげるようにしましょう。
治療方法について
では、起立性調節障害ではないかと疑ったとき、受診するのは病院の何科になるのでしょうか?この病気は受診する病院を間違えると、大変なことになる可能性があり、慎重に選ぶ必要があります。
受診する病院をインターネットで調べてみると、ストレスが原因になることが多いため心療内科に行くといいと書いてある記事をよく目にします。もちろん起立性調節障害について正しく理解しているクリニックなら大丈夫です。
しかし起立性調節障害は、うつ病と誤診されやすいと側面を持っています。実際にうつ病と誤診され向精神薬や抗うつ薬を処方されてしまうと、上げるべき血圧を下げてしまい症状を悪化させてしまうなど、逆効果になる恐れもあるのです。
そもそも向精神薬や抗鬱薬というものは脳に作用する薬ですので、うつ病に効果的だと言われる反面、副作用として眠気、ふらつき、依存症があげられます。そのうえ子供の脳に及ぼす影響はいまだに解明されていません。
これらの薬を飲んだ影響で重い副作用に苦しんできた人たちも多く、その方たちが「安易な投薬はやめるよう呼びかけている」事もあり、安心して服用できない、不安が残る薬でもあります。
また、治療によく使われる血圧を上げる薬についても、その副作用として「頭痛」「吐き気」「ほてり」などがあり、QOL(日常生活の質)を下げてしまい、何のために治療しているのかわからない結果となることもあります。
誤診を避け、正しく治療を受けるためにも、受診する病院は診療経験が豊富な医師がいる病院を選ぶことが大切です。お子さんの場合には専門家は小児科にいることが多いので、まずはかかりつけの小児科に相談してみるとよいでしょう。
漢方治療
起立性調節障害の病院・クリニックでの治療は、先に挙げた薬物療法のほかに、
などがあります。これらの治療と並行して生活習慣改善の指導を受けることになります。しかし、信頼できる病院が近くにない、薬の使用が怖い、本当に子供が怠けているだけで本当は起立性調節障害ではないかもしれない…など、病院に行きづらい場合があるかもしれません。
そのような時は、まず生活習慣を改善し、自律神経を整えることから始めてみましょう。起立性調節障害は先天性のものではなく、生活習慣の乱れによる自律神経失調が関わっている可能性が高い疾患と考えられていますので、生活習慣を整えることから始めてみましょう。
生活リズムを整えたけれども改善しない、大人になって再発したくない、等の想いがあるのでしたら、根本的に心身を整える漢方療法がおすすめです。
漢方薬は西洋医学の薬と比べてもしっかりと作用し、副作用などのリスクは少なめです。根本的な心身に働きかけるので、本来の元気を取り戻し、朝起きる事はもちろんですが、学校・会社に行ったり、趣味の時間を楽しんだり、再発に怯えず、気持ちよく活発に活動できるようになっていくでしょう。
症例紹介
ここで、起立性調節障害に対する漢方治療の成果を紹介します。
患者様:10代前半の女児
経緯・経過:
新学期が始まり毎日朝起きることが出来なくなり、登校できても頭痛の症状で保健室へ行っていました。小児科を受診すると起立性調節障害と診断されましたが、処方薬の副作用を不安に思い当薬局へ来られました。お母様は頭痛と集中力の低下から成績不振となったことを心配していました。
〇ここから漢方医学(東洋医学)で少し解説をします(専門的な内容ですので興味のある方だけ読んでください)。
漢方理論では、人体は気(き)・血(けつ)・水(すい)という3つの要素から構成されていると考えられています。気は生命エネルギーを司り、血は新鮮な酸素や栄養素を全身へ渡し、水は不要な老廃物を排泄するといった役割があります。
また、東洋医学では内臓を五臓(肝・心・脾・肺・腎)に分類します。
肝は生命エネルギーである気の巡りを司る臓器で、自律神経の調整や血液量の調整を行うと考えられており、ストレスの影響を大きく受けます。
今回の症例の女児を体質や環境をもとに漢方理論で分析した結果、肝の機能低下に伴い、気が不足している気虚(ききょ)、血が不足する血虚(けっきょ)という状態が根底にあると判断できました。それにより水滞(すいたい)という、体液の巡りが低下する状態が付随して起きていることも疑われました。
気虚は生命エネルギー自体が低下している状態のため、元気が出ない、疲れやすい、虚弱体質といった状態を引き起こします。血虚は栄養豊富な血液が不足している状態のため、貧血症状、皮膚の乾燥、皮膚や毛髪に艶がなくなる、といった状態を引き起こします。水滞(すいたい)は体液の代謝が低下するため、倦怠感やめまい・頭痛・乗り物酔いをしやすい・天候による体調変化・軟便や下痢などを引き起こします。
このような分析を行い、まずは肝の機能を助ける漢方薬を使用しました。肝が養われ気が巡るようになります。また、肝が養われると貯血機能も回復するので血虚も改善されます。こうして気血水のバランスが整うため水滞も改善され、体内に停滞した毒素が正常に排泄されるようになります。
その結果、2週間後にはお悩みだった頭痛や車酔いのようなの症状などが改善し不安なく過ごせるようになっていきました。飲み忘れるとイライラや頭痛の症状が出現するものの、内服すると改善する状況です。服用を続け1年後には内服し忘れても不調はなく、学校も朝から登校できるようになり、集中力も出てきて勉学も進み、学校行事にも参加できるようになるまでに改善されました。その後、再発もみられず、ご本人も漢方の効果を実感し、続けていて良かったとおっしゃっていました。
起立性調節障害は思春期あたりの年頃に起こりやすい病気といわれており、朝方の低血圧や頭痛により学校に登校できなくなる児童も少なくありません。辛い症状だけでなく、社会生活もままならなくなってしまう姿を見るのは保護者としても心配ですよね。また、治療を決意し病院からの処方薬を内服しても、今度は副作用で苦しむお子様の姿を見るといたたまれない気持ちになるのではないかと思います。また、大人になってから再発し、引きこもり社会的に自立できない状況になってしまうことも心配かと思います。
今回の事例では漢方理論を用い体質を分析し漢方薬の選定・服用を行なったことで、倦怠感・頭痛・めまいなどの症状が緩和し根底から改善することができたと考えています。
漢方の注意事項
症例を通し、起立性調節障害に対する漢方薬治療が有効な理由について説明しました。実際に漢方薬を治療をとして取り入れてみたいとお思いになった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここで漢方治療の注意事項をお伝えしますが、私たちの業界には大きな問題が2つあります。それは漢方治療の西洋化とインスタント化です。順番に説明します。
まずは「西洋化」についてです。
治療を始めようと思った時に、大抵の方は病院を受診すると思います。日本の制度、歴史的背景から医師には信頼感がありますよね。実際、勉強熱心に国家資格を取得してますので、西洋医学の医師として信頼できる存在です。しかし、そのカリキュラムの中で漢方薬の本来の理論についてほとんど勉強していない事をご存じでしょうか。西洋医学の理論で分析し、西洋医学の理論で、東洋医学の薬である漢方薬を使用している(病名漢方といいます)わけです。これでは、せっかくの漢方薬の効果は発揮されないわけなんですね。東洋医学の薬は、東洋医学の理論で分析して選択使用しなければ効果はないんですね。診療科目として漢方科であっても、これが実情なのが「西洋化」です。
続いて、「インスタント化」についてです。
あなたがイメージする漢方薬は錠剤や顆粒タイプではありませんか?クリニックで処方されるモノも、ドラックストアに並んでいるモノも、錠剤タイプか粉タイプ・シロップ状のモノですよね。これらは全てエキス剤と呼ばれるもので、私たち本当の専門家からするとインスタント製品です。本来は、生薬と呼ばれる原料を煎じて服用する煎じタイプが主流でした。煎じタイプの方が生薬の成分を余すことなく取り入れることができるので、エキス剤より効果を感じやすいのです。しかし、製造するのに知識と技術と経験が必要ですし、品質管理も難しい為、煎じタイプよりも、エキス剤がシェアを占めるようになってしまいました。手に入るなら煎じタイプの方が効果を実感しやすく、添加物も少ないので安心して治療を始められます。
費用・ご相談
私たちは漢方専門薬局として、
西洋化した使い方ではなく、東洋医学の分析方法である弁証論治を軸に、多様化する現代の病気に向き合っています。そのため、状況把握の聞き取りに多くの時間をかけているため、完全予約制で健康相談を受けています。
また、インスタント化した薬ではなく、しっかりと効果のある上質な煎じ漢方薬を自社製造で提供しています。
- 元の活発な状態に戻りたい
- 自立し引きこもりを回避したい
- 副作用の少ない治療を受けたい
このようなお気持ちの方、費用の目安をしりたい方は、下記ボタンから次のページへお進みください。