葉酸は取り過ぎても胎児異常になりますよ

札幌・漢方専門なつめ薬局の阿部です(^^♪
最近、気になったことについてですが・・・
葉酸の取り過ぎは胎児の先天性異常になる!
妊娠前・妊娠中に葉酸を取ろう!
というのは今や常識になりつつありますが、
葉酸を取り過ぎると胎児に先天性異常が現れる
事は、あまり知られていないようですね。
何となく取り過ぎはダメなんだろうなとは思っていても、みんな飲んでるし、サプリメントならいいでしょ?
という感覚の方が多いと感じています(^_^;)
少し葉酸についてお話しますね。
葉酸とはDNA(遺伝情報が詰まった物)を作るのに必要です
私たちの体は、パッと見た限り毎日同じですが、細胞レベルでみると、古い細胞が壊されて、新しい細胞が作られています。この破壊と新生のバランスが絶妙なので、パッ見た限り毎日同じように見えるんですね。これを動的平衡といいます。あ、この動的平衡は、今回のお話とはあまり関係ないです(^_^;)
細胞が新生されるとき、古い細胞と同じものが作れるように設計図が必要になるのですが、その設計図がDNAと呼ばれる物ですね。このDNAを作る時に葉酸が必要になります。
受精卵が成長する過程で、活発な細胞分裂が起きます。それこそ大人のスピードとは段違いのスピードで行われます。そうすると大量の葉酸が必要になるので、妊娠前から妊娠3か月位まで、葉酸をたくさんとりましょう!という話しになるわけです。
それは全くその通りで、
妊娠前から初期にかけて葉酸の消費量が増えるので、葉酸をたくさん含んだ食べ物を多めに食べることは良いことです(神経管閉鎖障害を予防する目的)。
なのですが、葉酸は取った方がいい。という情報が独り歩きして、サプリメントでやみくもに取っている方がいらっしゃるんですね。
葉酸は取り過ぎると、遺伝子の発現に影響を及ぼして、赤ちゃんがアレルギー体質になりやすいという報告があるんですね。もちろん、すべての方にではありませんし、どのくらいの割合かは不明です。
不足になっても、過剰になってもダメって・・・どうしたらいいの!?
と、思われるかもしれませんが、何も難しいことはないんですよ。
葉酸のベストな取り方とは?
不足になっても、過剰になってもダメ。
一見すると難しそうな葉酸ですが、コレ、実は葉酸に限った話ではないんですよ。
他の物でも同じことが言えます。
例えば、ナトリウム(塩)。
塩は高血圧の原因として悪いものと捉えられていますね。でも、塩が不足すると、
だるさや倦怠感
朝起きられない
めまい・ふらつき
脱水・熱中症
けいれん発作
いつも眠気がある
精神異常
うつ病になりやすい
等の症状が現れます。知っていましたか??しかし、世間的に取り過ぎのリスクが注目されるのは、圧倒的に過剰摂取している方が多いからです。
では、塩の過剰摂取がダメだと言われているのに、過剰摂取が無くならないのかわかりますか?それは世間で主に流通している塩が、技術の進歩とともに安くて効率の良いピュアな塩が使われるようになったからです。日本の場合、昔の塩は海水から作られていました。ですので、純粋な塩(NaCl)ではなく、カルシウムやカリウム、その他のミネラルをたっぷり含んだ塩でした。そのおかげで、昔は塩を多少使っても、カリウムなどがNaClを体の外に排出してくれていたんですね。なので、塩の過剰摂取が問題となることは少なかったのです。ですが、塩を純粋に海水から作っていたのでは、製造効率が悪いため、今では海水からではなく、工場で作られるようになりました。工場で作られる塩(精製塩)は、海水のミネラル成分を含まない、ピュアな塩です。ナトリウムを排出してくれるカリウムは含みません。精製塩は取ればとるだけ体にたまり、過剰摂取となってしまうのです。
つまり、
自然の海で作った塩であれば、塩分過剰のリスクは減ります。
さて、ここで葉酸に話しを戻します。
葉酸は、ビタミンB群に属する栄養素です。ビタミンB群は水に溶けやすい性質を持っています。水に溶けやすいものは、人間の体には浸みこみにくい性質があります。ですので、葉酸も身体に浸みこみにくい性質です。
そこで、サプリメント会社は何を考えたかというと、葉酸が身体に浸みこみやすい葉酸サプリメントを作ろう!と作ってしまったんですね。
合成葉酸、葉酸含有酵母だとかですね。
これによって起きることは、塩の場合と同じです。
本来、浸みこみにくい性質を持っている葉酸は、体内で過剰になることはほとんどなく、必要な分が吸収・消費されていました。ところが、技術の進歩とともに、身体に浸みこみやすい葉酸が作られてしまった。しかも、自然界のバランスを無視した配合で・・・
これに伴い、葉酸過剰という本来であれば起こらない状況が発生するようになり、トラブルの報告が出始めました。
葉酸を摂取するのであれば、
野菜や海藻類などからの摂取が一番です。なぜなら、人間も自然界の生物です。自然界の配合(野菜や海藻類)を、そのまま摂取していけば、葉酸自体の性質や、葉酸以外の栄養素の働きで、過剰も不足も防いでくれます。
とは言っても、妊娠初期には、どうしても食事が困難な時もあります。その時に、はじめてサプリメントです。あくまで食事が基本で、それを補うのがサプリメントですからね。厚生労働省がサプリメントで補充しましょうと言っていますが、それも、あくまで食事がベースであることに違いはありません。
異なる成分を含まないピュアな物質をつくること、
作用が効率よく現れるように加工すること、
これらは西洋医学的な考え方で、効き目をすばやく、効率よく作用するように考えます。緊急時、1分1秒を争う薬品の場合は非常に有効な考え方です。しかし、栄養素に、そのような考え方は必要ありません。
東洋医学は自然哲学に基づく医学体系です。メリット・デメリットのバランスが最良なのは、自然界に存在するそのままの姿というのが、東洋医学の考え方です。ですので、
葉酸は食事から補うことが第一で、食事からが困難な時にはじめてサプリメントで補助することがもっとも良い
という事になるんです。まして、妊娠・出産に関係する事ですから、人工的な物はなるべく避けた方が無難です。
不妊・不育・流産でお悩みの方
妊娠に向けて、葉酸のことをいろいろ調べている方も多いと思います。中には、授からない方、流産してしまう方もいるかもしれません。下記のリンク先もご覧ください。お力になれると思いますよ(^_^)/