「朝起きるのがつらくて学校や仕事に行けない」
「やる気が起きなくて食欲も出ない」
などの症状があり、心療内科やクリニックを受診してみようか悩んでいる人は多いでしょう。
日本人の8人に1人がこのような何らかの症状で悩んでいるといわれています。
一方、心療内科やクリニックを受診してもなかなか症状が改善されず、薬の量が増えていき悪循環の輪の中から抜け出せない、いわゆる薬漬けになってしまったという声も多く聞かれます。
「今の状態から抜け出したい!だけど、どこに相談したら良いかわからない!」
そんなふうに悩んだときには、自らのチカラを引き出してくれる漢方に頼ってみませんか?
人工的に化学合成された物質でつくられた薬剤に対し、漢方は天然の生薬を使用しているため、副作用も少なく、からだの自然治癒力を引き出してくれます。
ここでは、うつの薬の副作用や問題点について解説しながら、漢方による考え方と効果についてご紹介します。
気軽に飲まないで!精神安定剤・睡眠薬・抗うつ薬の罠
心療内科やクリニックは従来の精神科よりも受診しやすく、こころの不調を感じで受診する人も少なくありません。
心療内科やクリニックでも医師がしっかりお話を聞いてくれますが、大抵「睡眠障害」や「不安障害」「うつ病」と診断され、複数の薬を処方されるケースが多いのが一般的です。
薬物治療も少量を短期間使用することは問題がありませんが、一人ひとりの身体に合った、根本原因を解決するような薬の処方や生活を送らない限り、問題は解決しません。
一般的に処方されることが多い薬について詳しく見てみましょう。
精神安定剤(抗不安薬)
向精神薬の1つで不安やイライラなどの症状を和らげる作用があります。
安定剤といわれる抗不安薬にはたくさんの種類があり、効果の強さや作用時間、副作用もさまざまです。
副作用としては、不眠・食欲不振・興奮・イライラ・情緒不安・性器委縮などが起こることがあります。
服用を継続することで同量では効果が得られなくなり、増量しなければならず薬への依存がはじまることがあります。
代表的な安定剤名:セレナール、リーゼ、メイラックス、セルシン、ソラナックス、セディール、アタラックスP、セパゾン、ワイパックス、レキソタン、デパスなど
睡眠薬
向精神薬の1つで緊張や不安を取り除き、寝つきを良くする作用があります。
睡眠薬にはたくさんの種類があり、効果の強さや作用時間、副作用もさまざまです。
副作用としては、のどが渇いたり、ふらつき、めまい、だるさ、血圧の変動などが起こることがあります。
睡眠薬の恐ろしさは、医師の指示通りに4週間以上飲み続けると依存症になりやすいといわれています。
依存症になると、やめようと思ってもなかなかやめられません。
突然薬を中断すると「離脱症状」として不眠・不安・焦燥感・頭痛・知覚異常などが起こることがあります。
代表的な睡眠薬名:マイスリー、ハルシオン、アモバン、ルネスタ、レンドルミン、ロラメット、エバミール、リスミー、ロヒプノール、サイレース、ベンザリン、ネルボン、ユーロジン、エリミン、ドラール、ダルメート、ベノジール、ソメリンなど
抗うつ薬
抗うつ薬は、抑うつ状態や著しい気分の落ち込みなどの症状を緩和してくれる作用があります。
抗うつ薬にはたくさんの種類があり、効果の強さや作用時間、副作用もさまざまです。
副作用としては、眠気・吐き気・食欲不振・口の渇き・便秘や下痢などの消化器症状・めまい・頭痛・性機能障害が起こることがあります。
性機能障害は男女を問わず、高頻度であらわれるといわれていますが、予防法は確率されていないのが現状です。
抗うつ薬の服用を中止しても、数ヶ月から数年単位で障害が持続することもある他、服用前の状態まで戻らないこともあるといわれています。
抗うつ薬には、依存性がないといわれていますが、突然薬を中止すると「離脱症状」として風邪のような症状・不眠・めまい・吐き気・だるさ・しびれ・耳鳴りなどが起こることがあります。
代表的な抗うつ薬名:リフレックス、レメロン、サインバルタ、トレドミン、ジェイゾロフト、レクサブロ、パキシル、ルボックス、デプロメール、アナフラニール、トリプタノール、トフラニール、ノリトレン、アモキサン、ドグマチール、テトラミド、レスリン、デジレルなど
漢方でうつの薬の副作用から回避
漢方には、「心と身体はひとつ」という「心身一如(しんしんいちじょ)」という考え方があります。
この考え方は、「心と体は別」と考える西洋医学と大きく異なる点になります。
身体に何らかの症状として現れた現象は、五臓を中心とした体内の生理や病理の不調によるものと考えられています。
「五臓」は、「肝・心・脾・肺・腎」を意味しており、それぞれ異なった生理機能を持っています。
抑うつ症状などの要(かなめ)となっているのは、この「五臓」の「肝」「心」「脾」が関係しているといわれています。
「肝」
「肝」は血を貯蔵し、全身に栄養を供給します。
身体面では筋肉の緊張を維持しており、心の面では精神活動を安定させたり、集中力を高めます。
「心」
「心」は血を循環させます。
身体面では血液の循環を維持しており、心の面では意識や精神活動の源をつかさどっています。
「脾」
「脾」は食物の消化吸収・輸送を管理したり、血の流通を滑らかにします。
身体面では筋肉を維持しており、心の面では知恵を出します。
漢方からみるうつ病の6つの証
抑うつ状態が強くなり、不安やイライラなど感情の起伏が限度を超えると気の流れが滞り、うつ病になると考えられています。
うつ病には6つの証(しょう)があるといわれています。
※証とは、その人の状態(体質、体力、抵抗力、症状の現れ方などの個人差)をあらわすもので漢方独特の用語になります。
それぞれの証について詳しく見てみましょう。
- 「肝鬱気滞(かんうつきたい)」
肝の気の流れが悪くなっている状態であり、そのため抑うつ状態となる - 「肝火(かんか)」
強いストレスや著しい感情の起伏などにより、肝の気の流れが低下・鬱滞し熱を帯びることによってこの証となります。
抑うつ症状の他、イライラ、胸が苦しい、呑酸、口が渇く、口が苦い、頭痛などの熱唱がみられます。 - 「気滞痰飲(きたいたんいん)」
精神的ストレスなどで起きた肝鬱が脾の機能を停滞させることにより、体内に異常な水分が停滞し、気鬱を引き起こします。
1~3は実証(じっしょう)のタイプになります。
※実証とは、壮健な人が不健康になった状態をいいます。 - 「心血虚(しんけっきょ)」
過度の心の疲れや思い悩み、過労が続くことで心に負担がかかり、心血が消耗してこの証となります。
心の血流の低下により、神志が不安定となり、抑うつ状態になります。 - 「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」
過労や思い悩み過ぎが原因で精神的にも肉体的にも損傷し、脾の機能も低下している体質のことをいいます。
神志賀不安定になり、うつ病になります。 - 「陰虚火旺(いんきょかおう)」
人体を構成する陰液が消耗し、相対的にのぼせ、眩暈、頭痛、目の充血、歯茎の腫れ、睡眠障害などがこの証になります。
※陰液とは、人体の成分のうち、血(けつ)・津液(しんえき)・精のことを指します。
慢性的な体調不良や過労、生活の不摂生、緊張の連続などにより、この証になります。
めまい、動悸、怒りっぽいなどの熱証を伴います。
4~6は虚証(きょしょう)のタイプになります。
※虚証とは、虚弱な人が不健康になった状態をいいます。
うつ病の初期には肝鬱気滞などの実証が、また長引いてくると心血虚などの虚証が多くみられるようになります。
気分の落ち込みや無気力、憂うつな気分などは、誰にでもみられる感情です。
軽い抑うつ状態や一時的な症状であれば心配はいりませんが、何週間も続いたり、心身の健康や生活に影響を及ぼすようであれば、何かしら対策をとる必要があります。
漢方は病名(病気)で薬を選ぶのではなく、心と身体の「状態」(一人ひとりの症状)に合わせて生薬を選ぶのが基本となっているため、一人ひとりの体質に合った漢方になります。
現代の多くの人々が勉強や仕事によるストレスや疲労から感じる身体の不調に対して、漢方は最適の治療方法といえます。
ストレスから解放されるのがなかなか難しい現代、漢方が心と身体を健やかに保つ解決策になってくれるでしょう。
気になる症状があるときは放置しないようにしましょう
心療内科、メンタルクリニックを受診しようか、でも処方される薬の副作用も心配・・・と1人で悩んでいる人は少なくありません。
悩みながら放置して過ごすことでさらに症状が悪化してしまうこともあります。
そんな人は、近隣でしっかり話を聞いてくれて、あなたの身体の状態をよく理解して、あなたにあった漢方を自社で煎じてくれるクリニックや薬局に相談してみましょう。
顆粒や錠剤・シロップタイプの漢方と比較すると名称が同じ漢方でも効果がしっかりしているのが特徴となります。
もし、近隣で見つけられずに悩んでいる場合は、私たち漢方専門なつめ薬局でも遠隔相談をしていますので、ぜひご相談ください。
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