妊活と食事|大豆食品と女性ホルモン

不妊治療中や妊活中の方はさまざまなことに気を配っていると思います。
生活習慣や運動習慣、食事についても意識して体に良いものを取り入れようと工夫されていることでしょう。

今回は、女性に良いといわれている「大豆食品」に絞って、大豆食品の何が女性に良いのか、妊娠に良いのかなど2つの研究を交えて紹介していきます。

大豆イソフラボンとは

大豆食品が女性に良いといわれている主な要因は、大豆イソフラボンにあります。

大豆イソフラボンは、大豆(特に大豆胚芽)に多く含まれる成分で、通常は糖が結合した構造をしています。
消化の過程で糖が外れるのですが、この糖が外れた構造のものを「大豆イソフラボンアグリコン」といいます。
この「大豆イソフラボンアグリコン」が女性ホルモン(エストロゲン)と似た分子構造をしており、エストロゲンと似た作用を生じるとされています。

大豆イソフラボンアグリコンは、エストロゲンが不足しているときは補い、過剰な時は抑えるという特徴があります。
骨粗しょう症の予防や更年期障害の軽減等に有用とも言われています。

大豆食品の働きに関する研究|環境ホルモン

最近はあまり聞かなくなりましたが、環境ホルモンの一つであるビスフェノールA(以下BPA)にさらされる量が増えると、精子数や性ホルモンレベルが低くなることがわかっています。
BPAは食器や容器、缶詰や飲料缶のコーティングなどに使用されています。

過去に、ハーバード公衆衛生大学院研究チームは、大豆食品の摂取が尿中BPA濃度と体外受精の治療成績に対して与える影響について、調査・研究を行いました。
結果は、大豆食品をよく食べる女性は尿中のBPA濃度が高くなっても出産率が低下しないことがわかりました。

このことから、大豆食品は環境ホルモンによる不妊治療への悪い影響を緩和することができるといえます。

豆乳と女性ホルモンの研究

先ほどの研究結果を受けて「じゃあ、大豆食品をたくさん摂取したら出産率が上がるのね!」と考えるかもしれませんが、そうとは言えません。
日本で行われた研究で、次のような研究があります。

豆乳を毎日400㎖飲んだ女性と豆乳を飲まなかった女性の、エストラジオール(以下E2)※1 の値を比較しました。
※1:エストラジオールとは、月経周期をコントロールする卵胞ホルモンのエストロゲンに含まれる成分の一つ。

結果、豆乳を毎日飲んだ女性の方がE2の数値が低下し、月経周期が長くなってしまいました。

大豆食品の上手な摂り方

先の2つの研究結果を見ると、「大豆食品は、上手に摂取できると不妊治療中の悪い影響をカバーしてくれますが、極端に摂取してしまうと悪影響を及ぼす」ということがわかると思います。

何事も適量が大切、ということですね。

大豆イソフラボンアグリコンの適量については、厚生労働省から推奨摂取量が発表されています。
これによると、1日70~75mgが上限とされています。

日本人は大豆食品が身近にあります。
納豆や豆腐、味噌や醤油など、和食を食べると大豆食品を取り入れることができますね。
そのため、日頃から和食を食べる機会が減って洋食が増えている場合を除き、一日の推奨摂取量は食べ物で補えると思います。

不妊に悩んでいる方は、まずバランス良くさまざまな食品の栄養素を食事から身体に取り入れてみてください。
偏った栄養素では偏った身体しかできません。

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