【起立性調節障害】のメカニズム

起立性調節障害は、自律神経が乱れるために発生すると考えられています。
この記事では、自律神経の働きと起立性調節障害との関係、漢方では起立性調節障害をどのように捉えているのか、起立性調節障害の種類、治療方法などについて解説していきます。

自律神経の働き|起立性調節障害との関係

自律神経は、交感神経と副交感神経に分けられます。
交感神経は活動するときに働く神経で、副交感神経は休息やリラックスするときに働く神経です。

起立性調節障害は、この交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまい、さまざまな症状を引き起こしている状態です。

起立性調節障害の原因|血液の循環機能障害

起立性調節障害の要因はいくつかあるといわれています。
体質などの遺伝的要素、思春期による体内のホルモンバランス、学校や友達、勉強などの精神的ストレスなどが挙げられます。

これらの要因が自律神経の乱れに関係していると考えられ、自律神経が乱れると、血圧のコントロールが正常にできなくなります。

そのため起立性調節障害では、朝起きられない、体内の血液循環が悪いために、めまい、頭痛、吐き気、だるさ、動悸、失神などさまざまな症状が出ます。

起立性調節障害の原因|漢方の視点

漢方の視点では、起立性調節障害をどのように捉えるのでしょうか。

漢方では、気や血の乱れと痰飲(体内にたまっている過剰な水分や湿気のこと)に関係すると考えます。

気は生命活動エネルギー源でエンジンの役割を果たし、血は身体の栄養源で身体の各器官に栄養を与え滋養させる役割を持ちます。
そんな役割を持つ気や血のバランスが崩れてしまうと、身体は正常な働きができません。

また、痰飲は粘度のある透明な液体です。
これは、気血の流れを止めてしまうため、臓腑の働きが悪くなってしまいます。
そうなると、めまいや吐き気、動悸などの症状が現れます。

【起立性調節障害】の主なタイプ

起立性調節障害は、いくつかのタイプに分けることができます。
それぞれのタイプでどのような症状がみられるのか、詳細を以下で紹介します。

強い立ちくらみとだるさ|アイノータイプ

日本語では、起立直後性低血圧といいます。
このタイプの方は、起立直後に一過性の強い血圧低下があり、同時に強い立ちくらみと全身倦怠感があります。

特定体位で頻脈や頭痛|ポッツタイプ

日本語では、体位性頻脈症候群といいます。
このタイプの方は、起立時の血圧低下はなく、起立時頻脈とふらつき、倦怠感、頭痛などの症状があります。

徐々に血圧が下がる|遅延性起立性低血圧

このタイプの方は、起立直後の血圧は正常ですが、起立数分以後に血圧が徐々に降下します。

血液循環の状況によっては、失神するタイプ「NMS」もありますし、さらにはうつや不安障害、適応障害などを併発するケースも多いです。

起立性調節障害の治療

起立性調節障害の治療は、薬物療法だけでは効果が少ないことがわかっています。
そのため、日常生活で規則正しい生活を意識することが必要となります。

病院の先生の指示に従うことが大切ですが、以下のようなことも意識してみてくださいね。

  • 眠くなくても、夜更かしはしない
  • 旬の新鮮な食材を中心に、バランスよく食べる
  • 十分な水分と、適度な塩分を摂るようにする
  • ウォーキングなどの運動で下半身の筋力低下を防ぐ

起立性調節障害においては、病院でも西洋薬だけでなく漢方薬を処方されることも多いです。

病院で起立性調節障害と診断され、病院で漢方薬を処方されたけれど効果がみられない方は、
漢方の視点で見た時の原因が、その漢方薬では解決できないところにあるのかもしれません。

漢方ではもっと深く、生活習慣や体質もみますから「起立性調節障害だから、この漢方薬ね」とはならないのです。

病院で処方された漢方薬を飲んでいるけれど効いている感じがしない、日常生活で指導された通り過ごしているけれど改善しているように思えない。
そういった方は、漢方薬局やクリニックなど、漢方の専門家に相談してみてください。
きっとあなたに合った漢方薬を処方してくださいます。

もしお近くにそのような漢方薬局やクリニックがない場合は、私たち漢方専門 なつめ薬局にご相談下さい。
なつめ薬局では、起立性調節障害の患者様を何人も健康な状態へ導いてきました。
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